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『アイアムアヒーロー』思い出に生きるZQN

アイアムアヒーロー

  

 
監督: 佐藤信介
キャスト: 大泉洋、有村架純、長澤まさみ、吉沢悠、岡田義徳、片瀬那奈、片桐仁、マキタスポーツ、塚地武雅、徳井優、カズレーザー
公開: 2016年4月23日 観賞: 2016年4月27日

ZQNから逃げ疲れた……。

一緒に行った友達とは長い付き合いなのだけど、あんな思いするくらいなら噛まれてZQNの仲間になった方がいいと言っていて、やっぱり私の友達だなって思った。ZQNもね…みんなでなれば恐くない…。

◆あらすじ
漫画家アシスタントとしてパッとしない日々を送る、35歳の鈴木英雄(大泉洋)。そんな彼の恋人が、人間を凶暴に変貌させるウイルスに感染して襲い掛かってくる。慌てて趣味の射撃で所持する散弾銃を手に外に飛び出す英雄だが、街はZQNと呼ばれる感染者であふれていた。出会った女子高生・早狩比呂美(有村架純)と逃げるが、彼女は歯のない赤ん坊のZQNにかまれて半分ZQN半分人間という状態に。比呂美を連れてショッピングモールに逃げ込んだ英雄は、そこで藪(長澤まさみ)という勝気な看護師と顔を合わせる。(シネマトゥデイより引用)

 

人気役者を使った日本映画ではテレビ放映に差し障りない程度のグロさしか描かれないのがデフォだけど、これは絶対にテレビ放映されることはないだろう。ゴア好きな方も満足するのでは~~。日本も出来るんじゃん。東宝さんも思い切ったもんだよね…。

と、思われる程度に本当にグロいので、テレビで放送されているPOPな予告を見て純然たるコメディだと思っておられる方はキヲツケテ。

コメディと言えばコメディ要素もあるが、元々ホラーとコメディなんて紙一重でしょ。これはれっきとしたホラーですよね。

「ネタバレ」じゃないかと思われるかもしれないが、予告でホラーである事を隠していた『ワールド・ウォーZ』の時と同じように私はこれだけは書いておく。だって…

世の中にはホラーが大嫌いな人がいっぱいいるわけで、そういう人が何だかよく分からずにポッとこれを見に入ったら、ほとんどスクリーンを正視できずに100分過ぎるじゃないか。

ということで、そこはハッキリ書くわ。ゾンビものですよ。

原作は花沢健吾氏によるコミック。未読。

ストーリーとしては普通~~でオタクなおっさんが、生命の危機的状況を乗り越えるために奮闘する話。

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と、サラッと書いてしまうと「漫画だな」って感じになるだろうが、映像力とキャスティングが画面に圧倒的な説得力を持たせている。

ZQNは本当に不気味な動きで怖いし、こんなパニックに遭遇したらとにかく逃げるしかないだろうし…

※カズレーザーさんいるから注目してね!(笑)

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とにかく大泉さんの「普通」さが素晴らしい。洋ちゃんが普通の男であり、舞台が日本だからリアルに見えるんだ。

ゾンビものは随分見てきたしロメロの「ゾンビ」もそこからのオマージュ作品も好きな物は多いが、やはり外国の事は外国のこと… 日本でこうなったらこうなる、という感覚がキッチリ味わえるのにはゾクゾクする。

こんな状況で行きずりの女子高生なんか助けるかよ…というツッコミ所も、まぁ…架純ちゃんがあまりにもカワイイから助けちゃうよね…カワイイは正義、と納得する。。

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長澤まさみがまた最高にカッコ良くて美しい。ホラーに美人は付き物。ここを長澤さんと架純ちゃんがガッツリ押さえているところも好感が持てる。

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原作はまだ終わっていないのだそうで、続編ありそうですね(笑)

ご覧になる時は食事はシッカリ済ませ、充分に消化した状態でGO!!

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 

    


 

「オレがキミを守る!!」
と言いつつ、最後の最後のシーンまで撃てなかったもんね。そういうところが「普通」で良いわ。人間、そんなものだと思うんだ。

アウトレットのシーンはロメロの「ゾンビ」のショッピングモールを思い出す。噛まれると感染するパンデミック。頭部の破壊。自分だけ助かりゃいい勝手な人たち。閉鎖された空間で起こるカースト。

大きく違うのは武器が少なすぎる事。ゆえにみんな小者(笑)
銃の持ち主なのに王様になれない英雄が本当に「普通」。

「ZQNは思い出の中で生きている」という設定は原作設定なのだろうか。

個人的にはこの設定に感銘を受けたよ。

父が亡くなった時に知ったのだが、ガン患者など末期に意識不明になる人は何度も手を上げて下ろしたり意味不明な行動を始める。

「せん妄」といって、意識はないし動き自体に意味はないらしいのだが、これが過去の習慣行動に基づく動きだったりする事もあるそうで。

ZQNたちはその状態で動いているんだな…と思うと哀れに見えてくる。

成仏させてあげたいけれども、そういう話ではないので…。

銃弾も無くなった所で、これから富士山頂まで無事に辿りつけるのか。
それとも何かのために街へ戻るのか。

続編になってからウダウダにならないように期待する(もう続編あり想定で。)

『アイアムアヒーロー』公式サイト

 

 

 


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・象のロケット

★前田有一の超映画批評★

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comment

  1. nakakuko より:

    yukarinさん
    テレビでゆるーーく放送しようとか思わなければ、人気役者を揃えていてもちゃんとなるんですね(笑)
    テレビ局が制作に入って来るのが日本映画の害なのかなぁって思いました。
    >あの後ちゃんと富士山に行けるのか
    あれってまだ麓の辺りですよね。
    弾丸も切れたみたいだし。これからどうするんだろう^^;

  2. yukarin より:

    思ってた以上に楽しめました。
    日本映画も頑張れば面白いものができるんですよね。
    あの後ちゃんと富士山に行けるのか気になるところですが…

  3. nakakuko より:

    >BROOKさん
    洋ちゃんが銃を構える姿も様になっていて。
    なかなか見応えありましたよね^^
    舞台が日本だから銃弾を手に入れるのにも苦労しそうだし、戻ったら危ないですよね~。
    これからのあの人たちが、ちょっと心配(笑)

  4. BROOK より:

    ダメダメな英雄は、最後には本物のヒーローに…
    この展開はめちゃくちゃ盛り上がりました♪
    ラストは満を持しても銃乱射となりましたね。
    非常に爽快感あり。
    たしかに銃弾が無くなってしまったので、無事に富士山に辿り着くことが出来るのか…
    やはり補給するしかなさそうですよね。
    これは是非とも続編を製作して欲しいところです!

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