残穢(ざんえ)-住んではいけない部屋-
作品情報
監督・キャスト
監督: 中村義洋
キャスト: 竹内結子、橋本愛、坂口健太郎、滝藤賢一、佐々木蔵之介、山下容莉枝、成田凌、吉澤健、不破万作、篠原ゆき子、上田耕一
日本公開日
公開: 2016年1月30日
レビュー
☆☆☆☆
2016年2月3日 劇場観賞
ほら…だから…。夜中にこんな感想書いてたりしたら、部屋の隅から音がする気がするじゃん(泣)
音や映像で驚かせるお化け屋敷みたいなホラーじゃない。カワイイ子出してキャーキャー言わせとけばいいだろってホラーでもない。芯からゾッとする。夜中に思い出したらキョロキョロ周りを見ちゃう。
久しぶりに出会えた秀逸Jホラー。
◆あらすじ
ミステリー小説家である私(竹内結子)に、読者の女子大生・久保さん(橋本愛)から自分が住んでいる部屋で変な音がするという手紙が届く。早速二人で調べてみると、そのマンションに以前住んでいた人々が自殺や心中、殺人などの事件を起こしていたことが判明。久保さんの部屋で生じる音の正体、そして一連の事件の謎について調査していくうちに、予想だにしなかった事実がわかり……。(シネマトゥデイより引用)
見終ってドアから出たら、隣りの劇場のドアが開いてた。中が真っ暗で何だかゴーゴー音がしていて本当に怖かったよ…演出!?
まず、ストーリーで見せるホラーというものを久々に見た気がする。下手したら『リング』(一番初めのちゃんとした「リング」ね)以来かも。
クリーチャー的な物の映像が恐ろしいというのではなく、それが出来上がる過程が本当に恐ろしい。
まず事件ありき、そこに繋がる想像があり、実証があり、体験があり…その紐解かれていくミステリーが深くなればなるほどゾッとした。
繋がって繋がって繋がって…の途中で、もう劇場を出たくなった。恐ろしくて。
個人的には、アレの映像に弱いので、最初の「床を擦る音」の正体からしてもうダメだった。子どものこういうのも嫌いだ。空間を指さしたりとか止めて~~。。
あの音がアレの音だと確信した時点で、もうダメでしょう…。後はこれを解いていく時間が遡れば遡るほど恐くてもう…。
歴史を見せるモノクロ映像の上手さね…。
映像的には「怖い」より「不気味」。古いアルバムをめくって行ったらドンドン見ちゃいけないものが出てきた…そんな気持ち悪い後味。
これを見たら、あなたも住んでいる場所の歴史を調べてみるといい。
私は……もちろん、調べない!!
ミステリーであるがゆえに解かれていく謎に恐怖で固まる。
ここから下ネタバレ↓観てない方は観てから読んでね
以下ネタバレ感想
このストーリーを作った人(あっ、原作は小野不由美氏の同名小説です)は、私の恐がらせ方を知ってるんだろうかって思うほどビンゴだらけだった。
まず、首つり映像が大嫌いでそれだけで怖いし、中村監督が作るモノクロ回想映像は元々不気味で不安で…好きだけど恐いし、炭鉱事故も昔レポート書くために調べたせいでトラウマだし…。
私のツボを突きまくったホラーだった。
ルーツを知るという事は陰に描かれても陽に描かれてもドキドキするもので、この作品の場合は最高に怖い結果になった。
結局、最終的には「触れた者は全滅」だもんな。一番鈍感そうだったあの事故物件アパートの兄ちゃんでさえアレだもの…。
この映画を観た人間だってみんな触れちゃったわけで。本編にモノホンの霊が映ってるという噂ですが大丈夫~~?
扉を開けば仏壇、そして神棚。開けばまた仏壇…。どんなに祓おうとしても祓おうとしても祓えず残った穢れ。
業火に炙られ蒸し焼きになった痛みと恨みは深い。
黒い影とクリーチャーがあまりリアルじゃなくて恐くないという話もネットのあちこちで散見したが、私はあのくらいでちょうど良かった。
あれがリアルな焼け爛れようだったら…もう恐すぎて見ていられなかったよ、きっと。
この世の全てのホラーを繋げてしまうミステリー。個人的には、繋がったところで、もうJホラーはこれで終了でもいいや。それくらい面白かった。
ルーツを辿る…すなわち歴史をきちんと描ける人が作った作品は面白い。
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comment
nezuzyouziさん
ありがとうございます!
レスが遅くて申し訳ありませんでした。
人間は怖いです。
恐ろしい
人間は、恐ろしい
コメントありがとうございます
りおさん
>TIFFで観た時に、プロデューサーさんが言及していましたよ。
どう考えても不思議なところが、2か所あるんですって。
DVDが出たら探してみようかな。
でも見つけたら本当に寝られなくなりそうです!
nezuzyouziさん
>怖いのは、お化けやモンスターよりも人間そのものなのかもしれないですね。
人間や不気味なことに関する歴史ほど怖いものってなかなかないと思う
そうなのです。
この話は歴史事象をリアルに描けている点でもう成功しているのですよね。
クリーチャーはおまけですね。
ここなつさん
>映画本編はもとより、こういうのって、めっちゃめちゃびびりますよね!?なんか、リンクしているというか…
吸いこまれそうでしたよ(笑)
わざと開けていたとしたら演出上手い!!
BROOKさん
>展開的にはホラーというよりはミステリー色が強かったですね。
いろいろな出来事が全て綺麗に繋がっていくのが巧い♪
そう。クリーチャーの映像的な恐さよりも物事が繋がっていく恐ろしさにゾクゾクしました。
過去映像が抜群に上手かったです^^
こんにちは。
>本編にモノホンの霊が映ってるという噂ですが大丈夫~~?
TIFFで観た時に、プロデューサーさんが言及していましたよ。
どう考えても不思議なところが、2か所あるんですって。
それがわかってから観ると、怖さ倍増するかも…
この物語は、人々の歴史、その事柄がなぜあったのかという事を調べていく怖い話なので、お話を作るにあたって、作った人はモンスターをあえて、怖い感じではなくしたのかもしれない。
怖いのは、お化けやモンスターよりも人間そのものなのかもしれないですね。
人間や不気味なことに関する歴史ほど怖いものってなかなかないと思う
こんにちは。TBをありがとうございました。
>見終ってドアから出たら、隣りの劇場のドアが開いてた。中が真っ暗で何だかゴーゴー音がしていて本当に怖かったよ…演出!?
映画本編はもとより、こういうのって、めっちゃめちゃびびりますよね!?なんか、リンクしているというか…
この作品を見ると、夜、照明をつけたまま寝たくなりますよね。
さらに、ちょっとの物音でもしかして!?と(苦笑)
展開的にはホラーというよりはミステリー色が強かったですね。
いろいろな出来事が全て綺麗に繋がっていくのが巧い♪
黒い影のCGはちょっと笑ってしまいました。
ラストは電話のシーンで終わって欲しかったです…。