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『私の男』家族っていう心がほしい

私の男

   

 

監督: 熊切和嘉

キャスト: 浅野忠信、二階堂ふみ、高良健吾、藤竜也、モロ師岡、河井青葉、山田望叶、三浦誠己、三浦貴大、広岡由里子、安藤玉恵、竹原ピストル、太賀、相楽樹、康すおん、吉本菜穂子、松山愛里、奥瀬繁、吉村実子、細谷隆広、高島恵美、高橋篤行、五十嵐陽子、諏訪陽子、佐藤友美、伊藤尚美、磯村カイ、川崎代気子、我孫子正好、松浦伸二、和田裕美、柳川英之、池田宜大、関寛之、ルビー、ダニエル・アギラル
公開: 2014年6月14日

2015年4月6日。DVD観賞

原作は桜庭一樹氏による直木賞受賞作。未読。

未読なので適当な事は言えないが、チラッと読んだ原作の概要とはだいぶ違う気がする。登場人物は多いが、みんな通り過ぎていくだけで主人公2人とはほぼ関わらない。…いや、関わるべきではないというか。

形を変えているけれども本質はホラーと同じだ。

 

あらすじ

奥尻島に猛威を振るった津波によって孤児となった10歳の花(山田望叶)は遠い親戚だという腐野淳悟(浅野忠信)に引き取られ、互いに寄り添うように暮らす。花(二階堂ふみ)が高校生になったころ、二人を見守ってきた地元の名士で遠縁でもある大塩(藤竜也)は、二人のゆがんだ関係を察知し、淳悟から離れるよう花を説得。やがて厳寒の海で大塩の遺体が発見され、淳悟と花は逃げるように紋別の町を去り……。
「シネマトゥデイ」より引用

 

見ていて、とっても気持ち悪い。
気持ち悪いのだけれども、この2人の根底にある孤独を思うと哀れでもある。
共依存。家族を失った者と家族が欲しかった者。

北海道南西沖地震による津波災害の避難所で、花は淳悟と出会った。自分を負ぶって走ってくれた父と淳悟は、花にとってどこか被ったのだろうか。

10歳の幼い花が二階堂ふみに変わり、スクリーンの中で気味悪く成長していく。どんな年代の女も演じる二階堂ふみ、凄い。

子役のキャスティングもナイスだわ。山田望叶ちゃんは顔立ちから見たらあっちの「はな」よりも二階堂ふみになるべき。。  

  f:id:nakakuko:20150423030327p:plain

 

淡々、かつドロッとしたストーリーに、暗い雪景色。流氷。

許されない世界は気持ち悪いよ。どんなに純粋でも美しくても。

二階堂ふみはどんな作品の中にも暗黒世界を構築していくように見える。

この映画で、二階堂ふみ史上一番すごい二階堂ふみを見た。

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 

    


 

花は小町さんにいう。
「あの人は家族っていう心が欲しいんだよ。だから他人じゃダメなの。」

淳悟は大輔にいう。
「お前には無理だよ。」

結局、お互いじゃなければダメなのに、花は何のために大輔と結婚するのかよく解らなかった。ラスト。

性は血よりも濃い。

大塩さんは「神様が許さない」と言っていたけれども、別に血が繋がっているワケじゃないんだから…近親相姦じゃないんだからいいじゃないか、と思っていたんだけど。正真正銘の近親相姦なんだ。

 

全部、私のもんだ!血で繋がってる。他の誰とも絶対に違う。何が悪い。何したって、あれは私の全部だ!  

 

血が同じだから惹かれるという事か。家族に憧れ過ぎているから、血への拘りが強すぎるからこうなった。孤独が生んだ功罪。

「性的虐待を受けて育った」と原作のあらすじで読んだ気がするが、虐待というよりは求めていったように見えた。翻弄されているのは淳悟のように見えた。花はソシオパスではなくて、サイコパスに見えるのだった。

あまたの登場人物がサラッと通り過ぎていくからこそ印象深い藤竜也とモロ師岡。
もう、他のドラマやトーク番組で藤竜也さんを見るたび、悲しくて悲しくて。藤竜也さんと流氷が頭の中にセットで浮かぶよ。。

関わって邪魔した者は消すって…もうホラーと同じ。触らぬ悪鬼に祟りなしって話。

淳悟は「俺は親父になりたかったんだ」と言っていたけれども、立派な親父だよ、最初から。間違いなくモンスターの親子だ。

 

「私の男」公式サイト

 

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奈可久う子(くう)

◆ドラマ・映画 エンタメ系ライター&ブロガー。◆ハウツーサイトやリクルート・キュレーションサイトなどで映画紹介のライターしておりました。(お仕事はいつでも有り難くお受けします)

◆映画の評点はあくまでも私感です。(平均が2.5で1と5は滅多に付けていません)

◆戦争とホロコーストテーマの作品観賞がライフワーク。

◆レビューは上半部はネタバレなし感想、下部は観了した方と感想を共有できるように書いています。(古い記事は簡単感想です。時間のある時にリライトしています)

◆姉妹ブログ「ドラマ@見とり八段」

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