貞子
作品情報
監督・キャスト
監督: 中田秀夫
キャスト: 池田エライザ、塚本高史、清水尋也、姫嶋ひめか、桐山漣、ともさかりえ、佐藤仁美、水溜りボンド
日本公開日
公開: 2019年05月24日
レビュー
☆
劇場観賞: 2019年5月29日
「権兵衛」って言う??今時の子どもが「名無しの権兵衛」なんて言葉知ってる?
いや……そんなことより……貞子が出て来るテレビも薄くなったよね(爆)
あらすじ
病院で心理カウンセラーとして働く茉優(池田エライザ)は、警察によって保護されたひとりの少女を担当する。一切の記憶をなくし、自分の名前すら言えない少女と向き合う茉優だったが、次第に彼女のまわりで奇妙な出来事が起こり始める…(Filmarksより引用)
全体的にネタバレ感想です
初めに。この記事は全体的にネタバレで書かれています。ネタバレをご覧になりたくない方、また、この作品をご覧になって好感を持たれた方はスルーを推奨します。
ザっとした感想
Jホラーの金字塔と言ってもいいはずの『リング』は原作ではとっくにオチが着いた物語なのに、貞子ばかりがゆるキャラ化してクリーチャーみたいになっちゃってるの、ファンとして悲しく思いつつも慣れてきた今日この頃。
『リング』の中田監督が撮るということ、予告がそこそこ恐そうなことで期待し、つい、観に行ってしまった、つい!
結果、せっかく中田監督が撮ったというのに、もはやリングとも貞子ともかけ離れたものを観るハメになった。
井戸、大島、山村志津子、テレビ、呪いの映像……と、『リング』ファンとして涙が出るほど懐かしいアイテムを揃えながら、なぜこうなった……。
Youtuber(何か違う名前が付いてた気がするけれどもユーチューバ―でいいじゃん、ダメなの?)の動画に貞子が映りこむ設定ならば、それを見た人が次々と死んでいく社会現象を作らなきゃ意味なくないか?『リング』のルール、ぶっ壊れ。
古井戸が一つ映っているだけで恐ろしかったオリジナル。同じことをしてくれればいいだけなのに、何ですか、あのドクロ。
いや、恐くないのはもういいけれども、恐くないならせめて笑わせて(爆)ツッコみ所は多いけれども、「何だこのノーセキュリティ病院は!」とか、ツッコみ内容に笑いよりも怒りがこもっちゃう。
何よりも、ファンタスティック☆カズマの動画がつまらなくて寝そう。あれで食っていこうなんて世の中舐めてる。せっかく水溜りボンドを出しているのだから監修してもらえばよかったのに。
倉橋雅美を復帰させたのに、原点回帰になってない、「リング」貞子ルール崩壊の残念な1本。
(あ、短観にするはずだったのに、怒りに任せて長文に(笑)だって、オリジナルのファンとして心から悔しいもん!)
そもそもの「リング」ルール
- 古井戸だけが映り続ける呪いのビデオを見る
- 無言電話が掛かってくる
- 一週間後に死ぬ
今作が令和を舞台にした原点回帰ならば、ネット動画が、見た人間が一週間で死ぬという大量殺人兵器にならなければいけない。大変なことです。
そもそも山村志津子と山村貞子とは
今作で山村志津子が見られた事は嬉しかったけれども、志津子は貞子を捨てたりなんかしない。どうしてこんな話にしてしまったのだろう。
貞子には志津子を上回る能力があり、ある日、公開実験の最中にイカサマを指摘した記者を念動力で殺してしまう。
このシーンのモノクロ映像はトラウマ級の恐ろしさ。
井戸の意味
上記の事件が切っ掛けで伊熊は失脚し、志津子は精神を患って三原山の火口に投身自殺してしまうのだった。
この作品で穴を上から覗く志津子にとって、底は三原山の火口であったはずだし、貞子にとっては平八郎に放り投げられた井戸のはずなのよね。何も子捨ての岩戸なんかにしなくても……。
倉橋雅美がペラペラと山村貞子の生立ちについて語るシーンがあるけれども、どうせ「リング2」の映像を借りて来るのならば、あそこも伊熊が貞子を井戸に放り込むモノクロシーンを充てて欲しかったね。
それだけで恐い。考えただけでも恐い。ああ、『リング』って本当に名シーンだらけだったよね。
佐藤仁美の倉橋雅美
始めのうち、佐藤仁美って『リング』にも出てなかったっけ?と、思いながら見ていたのだけれども、そうか、倉橋雅美として今作と繋ぐ役だったのか。
確かに、過去の『リング』の映像は恐かった。あれを入れていただけたのは嬉しかったし、正直今作で一番映像的に恐かったのは、あの過去映像。
で、倉橋雅美は別の意味で恐かったよ(爆)
夜中に勝手に忍び込んで来て花を替える患者、本当に恐いし、そんな事が出来ちゃうあの病院のセキュリティも恐いし、あんな騒ぎになっているのに人が全く駆けつけて来ない事も恐い(笑)霊よりも人間が変。
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★前田有一の超映画批評★
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