きみと、波にのれたら
作品情報
監督・キャスト
監督: 湯浅政明
キャスト: 片寄涼太、川栄李奈、松本穂香、伊藤健太郎
日本公開日
公開: 2019年06月21日
レビュー
☆☆☆
劇場観賞: 2019年6月13日(試写会)
湯浅監督の新作だから、ちょっと期待しすぎた感はあるかも(笑)
波の表現など映像的な見応えはあれど、ストーリーは本当に普通~にファンタジックラブストーリー。
あらすじ
小さな港町へ越してきたひな子は、サーフィンが大好きで、波の上では怖いものなしだが自分の未来については自信を持てずにいた。ある火事騒動をきっかけに、消防士の港(みなと)と偶然出会い、恋に落ちる。お互いがなくてはならない存在となった二人だが、港は溺れた人を助けようとして、海で命を落としてしまう。大好きな海が見られなくなるほど憔悴するひな子。そんなある日、ひな子が二人の思い出の歌を口ずさむと、水の中に…(Filmarksより引用)
原作
原作は特になくオリジナル、ということだが、「脚本」に監督は関わっていないようなので、脚本の吉田玲子氏のオリジナルストーリーということでよろしいのでしょうか。
私はまた、少女漫画系のアニメ化なのかと思ってしまった……。
もっとも、フジテレビムービーだと考えたら「らしい」のかも。映像表現的にはファンタジーだがストーリーの根本は月9っぽい。
水の映像
小島崇史氏がデザインしたキャラクターはとても可愛い。水の塊のような波も面白い。少女漫画っぽくもあるけれどもファンタジーに合っていて、恐らく誰でも見やすくて好感度の高い映像になっていると思われる。
川栄の可愛い声がひな子のキャラとよく合っていた。器用な女優さん。何でも上手だなぁ。
食べ物シーンも決してリアルではないのに美味しさが伝わって。帰りにコンビニでオムライスおにぎりを買ってしまった(笑)オムライステロ。
あの「歌」
これは主要キャストグループのファンかどうかという部分もあるだろうが、重要なキーになっている「歌」がね……。
もっと自然に口ずさみたくなるような歌だったら良かったな。本当に「懐かしい」と思えるヒット曲から使ってほしかった。
あんな歌、2人で口ずさむかな……?「思わず口ずさむ」という感じのメロディラインじゃないと思った。(これを言ったらおしまいか)
決して嫌いなわけではないけれども、歌を売りたい気満々としか思えなくて少し萎える。
もちろん、例えば『君の名は』などもそういう性質は確かにあって、そこも含めて作品なのだろうけれど、「懐かしい。よく歌った、この歌。」という部類の歌じゃない気がする。
ストーリーはファンタジー
予告でどういうストーリーなのかは大よそ分っていて見る方が多いと思われるけれど、「そこ」に辿り着くまでのひな子と港のリア充シーンが割と長い(笑)
個人的には微笑ましく見たけれど、あれが耐えられない方も居られるかも。月9だと思って見ましょう(笑)
前半リア充、後半ファンタジーな2人の関係。
まぁ「歌」も含めて、中高生なら何の引っかかりもなく楽しめるのかも(笑)あ、そういう問題か!
以下ネタバレ感想
洋子の性格、初めから見るのがキツかったのだけど、兄が亡くなった後も割り切りすぎていてちょっと引く。
カノジョと同じくらい妹も悲しんでいてもいいと思うんだけど……ひな子を慰める立場に回っちゃうとは、この位置、ただのお友達じゃダメだったんでしょうか。
不法花火のシーンも、ハラハラしたわ。殺されていてもおかしくないシチュエーション。一番「むこうみず」なのは洋子だ。
もっとも、あれが無ければ壮大なクライマックスを迎えられなかったわけだけれども。
人間の憐みや可笑しみや、侘びや寂びや、恋の喜びも悲しみも……あまり感じられなかった。この物語の中に「ラ・タ・タ・タム」は無い。
けれども、もしもあれほどイチャコラし続けた彼氏が消えてしまったら、あんな風に受け入れられない日々を送るだろうな、という部分には共感した。
個人的に、あまり心に残らない作品になってしまった要因は、やはり主題になった歌だろうな。あれが違ったら全く違う印象なのかも知れないな、と思っている。
音楽は大事。
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★前田有一の超映画批評★
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