君の膵臓をたべたい
作品情報
監督・キャスト
監督: 月川翔
キャスト: 浜辺美波、北村匠海、大友花恋、矢本悠馬、桜田通、森下大地、上地雄輔(遊助)、北川景子、小栗旬
日本公開日
公開: 2017年7月28日
レビュー
☆☆+α
観賞: 2018年8月23日(日本テレビ地上波)
スコアのほとんどは、若い時代を演じた主演の2人の瑞々しさと、美しく切ない映像に。
◆あらすじ
高校時代のクラスメイト・山内桜良(浜辺美波)の言葉をきっかけに母校の教師となった【僕】(小栗旬)。彼は、教え子と話すうちに、彼女と過ごした数ヶ月を思い出していく――。膵臓の病を患う彼女が書いていた「共病文庫」(=闘病日記)を偶然見つけたことから、【僕】(北村匠海)と桜良は次第に一緒に過ごすことに。だが、眩いまでに懸命に生きる彼女の日々はやがて、終わりを告げる。 桜良の死から12年。結婚を目前に控えた彼女の親友・恭子(北川景子)もまた、【僕】と同様に、桜良と過ごした日々を思い出していた――。そして、ある事をきっかけに、桜良が12年の時を超えて伝えたかった本当の想いを知る2人――。(Filmarksより引用)
原作は住野よる氏による「本屋大賞」2位のヒット小説。元は「なろう」小説だったのだそうで……。
色々と人生経験を積んでしまった大人目線で見ると、どうしても色々と複雑な気持になってしまい……素直に純粋な気持ちで見れないのね……穢れるってイヤだなぁ(笑)
映画を見るのに年齢は関係ないですよ、とよく言うけれども、やっぱりあるよなと最近しみじみ思ったりする。
……年齢がいくほど人生の悲しみやおかしみが分かってくるという作品もあるし、人生経験の上で色々と知ってしまうとリアリティのなさが引っかかって進めないみたいなことにもなるし……つまりこれはそういう作品だった。
だからダメということではなくて、そう、引っかかったら先には進めないの。
……ということで。
短感だというのに全てはネタバレ欄で↓
以下ネタバレ感想
何に引っかかるのかというと、「余命宣告ナメんな」という気持ちになってしまって、どうしても。
身内を1人癌で見送っているもので。
設定は明確に「ガン」とは言われていなかった気はするが、そういう経験のない人が書いた話なんだろうなとしか思えないものがあった。
「膵臓を食べたい」意味
「カニバリズム」という話題になっていた気がするけれども、そこがそれほど取り上げられていたわけではなく。「きみの」「膵臓が食べたい」意味は2つ。
・昔の人はどこか悪いところがあると他の動物のその部分を食べて治していた、という言い伝えからの冗談。
・「きみ」になりたかったから。
いつも友達に囲まれ人気のある桜良は、1人が恐かった。
けれども「僕」は1人が平気。
「共病文庫」の手紙に書かれた言葉。
私は弱いから、友達や家族を悲しみに巻き込んじゃう。でもね、春樹はいつだって自分自身だった。
だからその勇気をみんなにも分けてあげてください。
自分を失っても頑張って生きて行って欲しいという、恭子への思いは、春樹と恭子が友達になればいいという遺言に託された。
自分が居なくなった後も、遺された人たちに強く生きて行って欲しいと願う。愛情よりも友情物語。
通り魔
「人はいつ死ぬか分らない」というのも大きなテーマだろう。
末期の病の人すら、病で死ぬとは限らない。
突然は突然やってくる……だからいつも精一杯生きてほしいというメッセージ。
親の気持ち
簡単感想と書きながら、結構、長々……。
こんなに長々と書いておきながらナンですが、あまりのめり込めなかった理由として「末期が末期らしくない」ことを先ほど上げたけれども、もう一つ。あまりにも親が関わっていない事。これが「若い人が書いた話」なのだろうな……と、ボーーっとしてしまう一番の理由だったりする。
末期の娘が友達と旅行に行くとか……入院して退院した直後に遊びに行くとか、私だったら一人で行かせられない(笑)それこそ、いつ死んじゃうか分らない娘が心配で気が狂う。
自分の身に置き換えて考えると、確かに学生時代は親の事なんて一切!!考えていなかった。明日、世界が終わるなら、一緒に居たいのは彼氏や友達だった。
そういう若い部分がマルっと作品に出ていた。
まぁ……それが若者の最期の思いなのだから仕方ないよね。
親って可哀想だな、と思うのだった。
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