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『ベイマックス』もう大丈夫だよ

ベイマックス~ BIG HERO 6 ~

   

監督: ドン・ホール、クリス・ウィリアムズ   
キャスト: ライアン・ポッター、スコット・アツィット、ダニエル・ヘニー、T.J.ミラー、ジェイミー・チャン、デイモン・ウェイアンズ・Jr.、ジェネシス・ロドリゲス、マーヤ・ルドルフ、ジェームズ・クロムウェル、アラン・テュディック

日本語吹き替えキャスト: 川島得愛、本城雄太郎、小泉孝太郎、新田英人、浅野真澄、武田幸史、山根舞、金田明夫、森田順平、菅野美穂、中田譲治、植竹香菜、あべそういち、坂口候一、立木文彦、甲斐田裕子、こねり翔、大木民夫
公開: 2014年12月20日

2015年1月7日。劇場観賞

笑って泣けて感動します……という映画の宣伝文句って凄くヤボだと常々思っているわけだが、本当~にそういう映画だったのである。

ただ純粋に楽しくて切なくて、泣けて、でも笑える…。幸せで泣けるってイイよね。

ああ、ぎゅーーってされたい…。♥

あらすじ
西洋と東洋の文化がマッチし、最先端技術分野の先駆者たちが数多く住んでいるサンフランソウキョウ。そこに暮らしている14歳の天才児ヒロは、たった一人の肉親であった兄のタダシを亡くしてしまう。
深い悲しみに沈む彼だったが、その前にタダシが開発した風船のように膨らむ柔らかくて白い体のロボット、ベイマックスが現れる。
苦しんでいる人々を回復させるためのケアロボット・ベイマックスの優しさに触れて生気がよみがえってきたヒロは、タダシの死に不審なものを感じて真相を追い求めようと動き出す。

(シネマトゥデイより)

冬休みのほとぼりが冷めてから行こう…と思っていたから年を越したわけだが、間違って冬休みの最終日でレディースデイ…みたいな日に行ってしまったので満員御礼状態だった。

けれども、「グ~~タッチ!パララララ…」の度に笑うお子さまたちの声に微笑ましく同調できる時間というのも幸せだったわ。年明けの1本目がこれで本当に良かった。

予告を見た限りでは、主人公・ヒロが兄を失い悲しみにくれているところをベイマックスに癒される…という話なのだと想像していたが全く違った。

『リアル・スティール』からの『E.T.』からの『インターステラー』(?!)という戦隊もの…。 と…とにかく、もっとワクワクハラハラするストーリーなのだった。原題通り「HERO 6」の話なのである。

天才的な頭脳の持ち主だが、ちょっとやさぐれて育った少年が兄と仲間のおかげで夢を持ち、その兄を失くしたことで違う方向に闘志を燃やしていく…。

デッカイ身体でフワフワのベイマックスが、ちょこまか(とは違うわね…大きいんだから でもドスドスではないんだよね)と動き回る様子が滑稽だけれども可愛らしい。

ヒロは戦う少年である。
兄・タダシはケアする青年だった。

フワフワのベイマックスの中に兄の意思が詰まっている事にヒロが気付くシーンに涙。

兄が残してくれたケアロボットと仲間たちに支えられて、成長する少年の冒険物語。

架空都市・サンフランソウキョウはサンフランシスコと東京を掛け合わせたものらしいが、なるほど、新橋の高架下に見えたり東京駅に見えたり浅草っぽかったり…。見慣れた日本の景色と東洋的な建築物や色合い、けれども近未来…という不思議な空間。

(この街をデザインした上杉忠弘氏は別府をイメージしたのらしい~。「『ベイマックス』の舞台サンフランソウキョウは”別府”をイメージしたもの!? 」by マイナビニュース)

アニメだから、流れるようにキャラがその中を走り回り、神経トランスミッターの操作で自由に動くマイクロボットが素晴らしいスピード感でスクリーンいっぱいに広がり、夢や恐怖を感じさせてくれるんだ。

ロボットなのに、あのフワフワな質感…。実写よりも豊かな映像表現。

3Dアニメってあまり好きじゃなくて、ディズニーもずいぶん長いこと避けて来たんだけど… やっぱりいいね。今さらだけど、楽しいわ。♥

たぶん、この映画を見た誰もがこんな街を走りたいと思い、こんな仲間と出会いたいと思い、ヒロを応援し、ベイマックスに愛を感じると思うんだ。

もちのようなマシュマロのようなフワフワなケアロボットはヒロだけではなく、映画を見ている私たちをも癒してくれるのだった。

ホントにね、幸せになれたよ。
ちょっと前向きになれる1本。

   

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※同時上映の短編、『愛犬とごちそう』も素晴らしかったわ。
犬がご飯を食べる描写だけで周りの人物の人生が見えるという斬新な発想。
何だか泣けてしまった。こちらもホンワカした気持ちになれる話だった。

 


以下ネタバレ感想

 

あの顔のデザインは神社の鈴からイメージされたんだって…ああ…あれね( ●-● )

あーーんなに無表情なのに、どうしてあんなにカワイイのだろう。

「ベイマックス、もう大丈夫だよ」と言われるまで離れられません。

あの言葉があんな結果に使われるとはね……。泣いた。五次元からの帰還。

タダシはここにいます。

の意味にヒロが気付くあのシーンにも泣いた…。

兄は復讐のためにベイマックスを作ったわけではない。

「ケアロボットに空手は必要でしょうか」「ケアロボットに戦闘機能は必要でしょうか」

そう言いながらヒロと付き合ってくれるベイマックスは、ロボットファイトに呆れながらもヒロを助けてくれたタダシと同じ。

ヒロが好きだったのも、そんな兄さんだったはずだ。

復讐は人を癒すことはなく、癒しはいつも思いやりや優しさの中にあるのだと気付かされたヒロ。
だから教授の娘を救いに飛び込んでいく。
救う事で世界を救ったんだよね。

ベイマックスが永久に失われるような話じゃなくて良かった。

愛おしい存在には、やはりずっと居てほしいもの。

ぎゅーーっとしてくれる人には、いつも側にいてほしい。

繋がりや優しさがあるから強くなれるんだという話。
子どもたちにも充分伝わる単純だけれども温かいメッセージ。

「ベイマックス」公式サイト

 


ベイマックス@映画生活トラックバック
・象のロケット

★前田有一の超映画批評★

 

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