サンバ~ SAMBA ~
監督: エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ
キャスト: オマール・シー、シャルロット・ゲンズブール、タハール・ラヒム、イジア・イジュラン、イサカ・サワドゴ、エレーヌ・ヴァンサン、リヤ・ケベデ
公開: 2014年12月26日
2014年12月27日。劇場観賞
2014年劇場観賞の締めががこれだったわけだが…うーん…イマイチ締まらなかった…。
「サンバの笑顔に会いに行こう」とあちこちで宣伝されていたけれども、それほど笑顔が印象深かった気がしないし…むしろ、笑ってる場合じゃないだろ~~みたいになってるし…。
あらすじ
アフリカからフランスに来て10年になるサンバ(オマール・シー)は、料理人になるべく頑張っていた。
ある日、ビザの更新に気が付かなかったことが原因で国外退去命令を受けて拘束されてしまう。
サンバのためにやってきた移民協力ボランティアのアリス(シャルロット・ゲンズブール)は、以前燃え尽き症候群によって大企業を辞めたことがあったが、厳しい状況でも明るいサンバに興味を持ち……。
簡単感想で。
長い作品の割には登場人物の心理が雑だと思ったの。
なぜアリスがあんなにもサンバに惹かれたのかちょっと理解できなかったし、サンバも大変だとは思うけれども、そもそも切っ掛けがビザの更新忘れだからね…ある意味、自業自得でこうなったと…。
フランスは排外的で…という話だけれども、確かにそうかも知れないけれども、法的手続きをしなかったら最終的には強制退去になるのは日本でも同じだから。
隣りに住んでいる異国の人が法的手続きを取っていませんでした、という事になったら奇異の目で見るようになるのは仕方がないと思うんだ。人間、やはり得体のしれないものは恐いもの。
移民の問題は地球が本当に丸くなって国境がなくならない限り解決する事がない気がする。
…で、その通り、解決の見えない映画だった。
友達のことも…どうしてそうなってしまうのか。自業自得が多すぎて主人公にあまり同情できない状態なのだった。
後半になるにつれて、ああ、アリスにとって社会で行き場のないこの人は自分と同じなんだね、と思うようになってくる。
アリスの精神安定剤である馬。
サンバのTシャツ。
そういう物があるから何となく踏み出していける。過酷な社会。
でもね…
あの女の人はどうなったの?とか、面白いキャラだったのにウィルくんは?…とか…色々としっくり来ないままモンモンと終わった。
つまらなかったワケではないが、良かったとは思えず、ええーー…マジか…それでいいのかよ…とボーーッとEDを見つめる…。
この人の今後に幸あれ…。
以下ネタバレ感想
友達の恋人(?)に手を出しちゃうのは、どうしてなのかな~…。あれがあるせいで本当に最後まで主人公に好意持てずに終わっちゃったんですけど。
そして結果的には、その友達を死なせる結果になってしまうし…。
他人のビザをアリスから渡されて、
本当の自分の名前を忘れてしまう…。
という時のサンバ…オマール・シーの子どものように不安げな表情が何とも言えない。あそこはグッと来た。
忘れそうになったら名前を叫ぶのよ。
みんなが踊り出すわ!
アリスの言葉に押されてサンバは他人としてフランスに残る。
もう1人じゃない…。アリスにはTシャツがあり、サンバには馬がある。
…けれどもね、私はちょっと絶望的な気分になってしまったのだった。
アリスはサンバに残ってもらいたかっただろうが、サンバは貧しくて大変でも自分の名前で生きて行った方が幸せだったかも知れないし。
この先、一体いつまで?一体何年?この人は違う自分でいなければならないのだろう。
そして…
何だかんだで巻き込まれて一番気の毒だったのは伯父さんだった気がするの……。
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