殺人漫画
原題 : ~ Killer Toon / 더 웹툰:예고살인 ~
作品情報
監督・キャスト
監督: キム・ヨンギュン
出演: イ・シヨン、オム・ギジュン、ヒョヌ、ムン・ガヨン、クォン・ヘヒョ、キム・ドヨン、キム・ソヨン、オ・グァンノク
日本公開日
公開: 2013年10月19日
レビュー
☆☆☆
2014年7月23日。DVD観賞。
GEOで何度か手に取ってはいたのだけれど、タイトルとカバーに惹かれず棚に戻す…を繰り返したあげくやっと借りてきた。
ネット評価で良い物をいくつか目にしたので…。
以前は次々と借りていたけれども最近は今イチ食指動かず久々の韓流ホラー。
あらすじ
WEB漫画編集部の編集長が1人で残業している時に、美貌で人気のホラー漫画作家カン・ジユンから原稿が送られてくる。開いてみると、それは編集長自身の母親を描いた『黒いヴェール』という作品。編集長は驚きの声をあげる…。
事件の担当になったイ・ギチョルは、検死の結果「自殺」と断定されたこの事件を後輩のキム・ヨンスと共に調べ始める。数々の事件がカン・ジユンの漫画の通りに実行されていた。
しかし、検死結果は「科学的な所見では」自殺……。
お化け屋敷的に驚かせるタイプのホラー(でも、あんまり…
冒頭から割と絶え間なくホラー現象は起こり「息つく暇もありません」と書きたいけれども、映像的にはそれほど怖くない。
ああ、でも、たまに書きますが、当方はホラー慣れしているので耐性のない方にとっては恐いのかも。 その辺は個人の感覚という事で。
猟奇的な映像もあると言えばあるのだが、漫画と実写が融合し始めたりして…わざと猟奇っぽさを隠している?
バーーンと出てくるステレオタイプな脅かし方が多くて、DVDで家で見る印象と劇場で大画面で見る印象とではだいぶ違うかもしれないな、と思った。
つまり、家のテレビの大きさで観賞した場合にもガツンと来るほどの精神的なゾゾゾ…は無かった。基本的にはそういうホラーは自分の好みではない。←すでに好みじゃない宣言。
ホラーよりも人間物語としての見応え
ホラーとしての怖さは味わえないけれども切ない物語としては飽きる事なく見た。
この辺は韓国ホラーのいつものセオリー通り。
人間みんな自分勝手で、何かしら抱えていて、それが霊を呼んでいると…。
けれども、ターゲットの方にも同情してしまう点はあるわけで。
霊も勝手だよね。結局はみんな生きたかったんだ。だから思いが強く残る。
主演のイ・シヨンさんが、こんな絵を描く人とはとても思えないキュートさ。
それだけにクライマックスの表情の変化には見入ってしまった。「欲」が引き起こす悲劇。
あいつもこいつも…身に覚えがあるならもっと警戒して。
以下ネタバレ感想
作品世界と現実世界の境界がなくなる「アリス症候群」というカウンセラーの話が出ていたから、実はジユンが全部手を下していました。あるいはジユンの妄想でした…という感じの多重人格オチかなと思っていたら、そういう事では無かった。
結果「殺人漫画」は霊媒師の予言的なもので、媒体がソヒョンからジウンに替わってしまっていたって事ね。
霊たちがわざわざジユンに「殺人漫画」実況させるのにはどういう意味があるのだろう。自分の復讐をネットで多くの人に見せようなんて、この霊たち凄く目立ちたがり屋…。
青二才、キム・ヨンスにはちょっとガッカリだよ。あんなお馬鹿キャラだとは思わなかった。轢かれた少女が可哀想。
復讐されたターゲットたちの中で、ヨンスが一番同情に値しない気がする。
他は…母親のせいでイジメに遭っていた編集長にも介護生活に疲れ果てていたソヒョンの父にも少しは同情した。編集長なんて特にねぇ…母親元々死のうとしてたんだし。娘殺さなくても~~。
「怨霊たちの話よ!」
友達だと信じていた人に殺されたソヒョン。
怨霊たちに囲まれて絵を描き続けるジユンの狂気の笑顔。
恐怖というオマケ付きで手に入れた名声と才能。
とても幸せには見えないけれども…。
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★前田有一の超映画批評★
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