トランセンデンス~ TRANSCENDENCE ~
監督: ウォーリー・フィスター
出演: ジョニー・デップ、モーガン・フリーマン、レベッカ・ホール、ポール・ベタニー、キリアン・マーフィー、ケイト・マーラ
公開: 2014年6月28日
2014年6月28日。劇場観賞。
久々に白塗りじゃないジョニーを観に行った。
……けど、首だけだったり顔に紗が掛かっていたりするので結果的には………。
『インセプション』の撮影監督・ウォーリー・フィスターが監督を、クリストファー・ノーランが製作総指揮を…という事で、地面から舞い上がる粒子などの映像は面白かった。面白かったけれども感嘆の声を上げそうになるほどの盛り上がりはなかったかなぁ…。
前知識は予告以外無く、「死んでしまった主人公の脳が人工知能として開発され、暴動を起こす話」くらいの認識だった。
こういう事情で死んでしまうとはね…だから、そこがずっと引っかかったんですけど。それはネタバレ欄↓で。
死んだ人の脳をコンピューターとして蘇らせるという発想は小説で漫画でドラマで映画で古くから様々な形で語られている気がする。
愛する人が死んでしまったら、せめて二次元でもいいから側に居てほしい。その記憶を残したい。語りかけてほしい。その気持ちは解る。
ま…ウチのダンナさんがこんな事になったら「それ、賞味期限切れてるよ」とか「明日こそゴミ捨て行けよ」とか言われて最終的には黙ってシャットダウン……いえ、何でもありません…。
いや、この場合は残すべき優秀な頭脳だから。
それが人工知能になったら、どうなるのか。コンピューターの中にいるのは果たして夫だといえるのか。
SFであり、疑心暗鬼のラブストーリー。
どんなに一緒にいてくれたって、声が聞けたって、温かい手や抱擁はない。
人間は生身の身体があってこそ生きているといえる。
切ないラブストーリーのはずなのに途中でちょっと眠気にさえ襲われてしまったのは、決して難しいストーリーだからではなくて間延び感が……。
決して面白くなかったわけではないのだけれども涙する事もなく終わってしまった。何だろう…切なさが足らない。
ジョニーが粒子となって風に舞い、世界に浸透するなら歓迎したい……。
最終的には…そんな何だか要領を得ない感想を持って終わったのでした。すいません…。
以下ネタバレ感想
いくら愛する人がいつも側にいるって言っても感情や体調まで監視されちゃうんじゃ気持ち悪いよね。
だんだんウザくなっていくのも解るわ~。
ナノテクノロジーの力で怪我や病気が治癒して死人まで生き返るのは、ちょっとスゴイな~と思ったけれども結果的にはゾンビ製造機だったとは…。
「トレビの泉」だと思ったのに、『ペットセメタリー』だった施設。
人工知能が世界中のコンピューターを支配するPINNが危険なのは解る。けれども、テロで殺害されたウィルも科学者たちも生身の人間だよ。
なのに、あのRIFTのボスみたいな女が正義の味方みたいに自由にマックスたちと戦っているのは一体どういうワケなんだ。
そこんところが最後まで納得いかない。人殺しだよ?危険なのはこの人たちも同じじゃないか。
そんなこんなで後味も悪かった。
エヴリンが自分の身を犠牲にして世界を救いましたよ。そして2人は共に死んでいった…綺麗で切ない良い話…。とは、とても思えない。
あ、殺されたのがジョニーだから余計に許せないのかも。
最終的には一番切ないのはマックスだと思った。
未亡人の支えになる予定だったのにダンナは人工知能で生き返って、ヤケ酒からの拉致監禁…そして反乱軍のメンバーへ…。
何だかね…。
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