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『エンド・オブ・ザ・ワールド』最期の時間

エンド・オブ・ザ・ワールド
~ SEEKING A FRIEND FOR THE END OF THE WORLD ~

   

監督: ローリーン・スカファリア   
出演: スティーヴ・カレル、キーラ・ナイトレイ、コニー・ブリットン、アダム・ブロディ、ロブ・コードリー、ジリアン・ジェイコブス、デレク・ルーク、メラニー・リンスキー、マーティン・シーン
公開: 2013年1月19日

2014年6月18日。DVD観賞。

終末をテーマにしたドラマである。
けれどもディザスター・ムービーではない。
むしろ秩序保たれ過ぎであっけにとられるくらい。

地球に小惑星マチルダが衝突することが判明し、打つ手はすでになく、地球は21日後に滅亡することになった。
中年の保険セールスマン・ドッジは、ひょんな事から今まで一度も顔を合わせたことがなかった隣人・ペニーと初めて出会い、行動を共にするようになる。

本当に、そんな馬鹿な…と思うほどみんな普通である。
『2012』みたいに逃げ回ったり戦ったりしないのだ。
街中はパニックがあるものの上手く脱出できちゃってからは、もうロードムービー。
ディザスターではない事は解っていたものの、ここまでノンビリしているとは思わなかった。

もっとも、滅亡までの日にちが短いからね。
あと20日程度だったらジタバタしても仕方ない。
普通に仕事に行っちゃったりする気持ちも解らなくもない。

ドッジもペニーもそれぞれ会いたい人の元へ走る。

予告の雰囲気からは、もっとぶっ飛んだコメディなのかと思っていたけれども、意外としんみりしていた。ジャンルとしては恋愛映画ですね、これ。

もし人生がもうすぐ終わるとしたら、自分だったら何をしたいだろう。誰と過ごしたいだろう、と考える。

私だったら映画をたくさん見るな。劇場ではもう見れないだろうからDVDで。
側には家族が居てくれればそれでいいや。実家には帰らない。
でも、自分は家族と居たいのに実家の親の所には帰らないというのは勝手よね。
親はきっと寂しいだろうな…。

見終わって、そんな事をたくさん考えた。

みんな寂しい。寂しいから最期はきっと温かい思いをしたい。

途中で少し退屈したけれども、温かい気持ちになれる風変わりな終末映画。

ちょっとダメな子を演じたキーラ・ナイトレイがとても可愛かった。

 


以下ネタバレ感想

 

 

君は僕の最愛の人だ。

私たちお互いを救ったのね。

という、ハッピーエンド。
けれども、この後、地球は滅亡するんだよね…。

もし、しなかったら。
それはそれで、まぁいいのかな。
お互いの良い所を存分に理解したドッジとペニーだけれども、こういう恋愛には「吊り橋効果」というものがございますから…。

ドッジと父が2人でロッキングチェアー並べてハーモニカ吹いているシーンでホロっとした。
たぶん、こんな事が無ければ和解はなかった父と息子。

最期だから見直せる関係もある。

滅亡を知らないっぽいお掃除のおばさんに悲哀を感じてしまった。
彼女はきっと最期の時まで何も知らないで逝くんだろうなぁ…それも、また幸せかも。

そして、絶対にありえないけれども、最期まで務めを果たし続けたアナウンサーさん。
みんなが非常時にも日常を感じられるとしたら、それはテレビだよね。本当にお疲れ様でした…。
彼が居なくなった後のテレビ画面に一番寂しさを感じた。

 


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・象のロケット

★前田有一の超映画批評★

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