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『白ゆき姫殺人事件』真犯人はあなた自身

白ゆき姫殺人事件

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監督: 中村義洋   
キャスト: 井上真央、綾野剛、菜々緒、金子ノブアキ、蓮佛美沙子、貫地谷しほり、小野恵令奈、谷村美月、染谷将太、生瀬勝久、秋野暢子、ダンカン、山下容莉枝、TSUKEMEN、宮地真緒、朝倉あき、大東駿介
公開: 2014年3月29日

2014年4月2日。劇場観賞

原作は湊かなえ氏の同名小説。

私は本当に中村義洋監督が好きだ
この人は人間の痛みを解っていると作品を見るたびに思う。
だから、切ない。キリキリする。けれども温かい。
優しさも不器用さも弱さも全て作品に表れている。
それでも生きていくことできっと何かが見つかると、前へ向かせてくれる。
この気持ちがいつか伝わって監督が私を振り向いてくれると信じている。

……みたいな事を書いてネットに上げたら、中村監督の身に何かあった時、「こんな気持ち悪い記事を書いている人がいますよ」という話が広がり「こいつが犯人に違いない」という事になって…

「そういえばホラーやサスペンスが好物だしね」
「あの人ならいつかやると思ってました」
「この人って〇〇大学〇〇年度卒の〇〇〇〇〇ですよね」
「〇〇高校の〇〇〇〇〇さんですか?」
「〇〇中学出身の………。

と、どんどん曝されていくのかも知れないな…その時、誰か「あの人はそんな人じゃありませんよ」と庇ってくれるだろうか。と、考えると本当に恐ろしい。
だから、映画を観終えてから友達に庇ってくれるようにお願いしといた。

Twitterはヘビーユーザーだと思う。だから、この映画で描かれている情景がものすごくよく解る。

Twitterではエイプリルフールじゃなくてもいつも様々な憶測が飛び交っていて、それがネット上の真実になっている。ポジティブなニュースはあまり拡散されることはなく、ネガティブな話は拡散されやすい。

自分のツイートがたくさんRT(拡散)される事でにわか有名人になりたい人も多いらしい。誉められて有名になりたいから真実だかよく解らない情報をどんどんつぶやく。拡散される。一つの妄想意見がいつの間にか真実になる…。

様々な捏造を真実だと思い込んでいる人がたくさん居る。テレビのワイドショーもネットニュースも週刊誌も同じ。人間は自分が信じたい事しか信じない。都合のいい事しか語らない。

だから、夕子がいうのである。

大切なことを見逃すんじゃねえよ、「red star」!

震災の時にも散々思った。情報を拡散する時には気を付けねば、と。
情報を拡散してそれがデマだった場合、責任は自分自身にもある。それを自覚しなければならないと改めて思った。

家に帰ってTwitterを開いたら、いつもとちょっと違って見えた…この映画を観た多くの人がそう思ってくれるといいよね。

「私はTwitterやっていないから関係ないわ」ではなく、口で伝える情報もまた同じ。

ちなみに冒頭に書いた、私が中村監督の作品をいつも心から愛しているというのは真実です。。

綾野くん久しぶりのクズキャラは見ごたえあったわ。
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つい最近思い出し書きした『謝罪の王様』記事に「井上真央ちゃんはアカ抜けないとかつては思っていた」みたいな事を書いたけれども、ここでは本気の垢抜けない真央ちゃんを見る事が出来ます。上手い。本当に素晴らしく上手い。
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膨大な情報の中から真実を見つけ出すミステリー…なのかどうかは、直接ぜひご覧になって下さい。

今期の朝ドラ『花子とアン』でもモチーフになっている『赤毛のアン』が真実を語る。

泣いたよ。

芹沢ブラザーズの「All alone in the world」も耳に残る名曲だった。

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 

    


 

結局、誰も真実なんて語っていないのである。
自分に都合のいい方向、または面白いと思う方向に真実は捻じ曲げられていく。

アンがダイアナと交わすロウソクの灯の交信。真実を語ってくれたのはダイアナだけだった。

美姫が語る真実を見て、後輩、じゃあ何であんな酷い嘘をつくんだよ…と、思っていたら、そっちは面白半分でばら撒いた噂ではなくて計画だった。

人はポジティブな真実よりもネガティブなデマを信じやすい。

「情報拡散」の特性を利用した犯罪。

「城野美姫さんはそんな人ではなかった」という情報は果たしてどれくらい拡散されただろうか。
あんな菓子折り1つで謝罪して済むことではないよね。

「会社を辞めさせられたら困るから」
理由は、ただそれだけ。

里沙子が逮捕された後のワイドショー司会者やコメンテーター、ツイッター民の反応がものすごく解りやすい。

み~んな人のせい。自分がデマを作った張本人だという自覚が誰にもない。

それでも、美姫はいう。

きっと、いい事もありますよ。

はたしてそれは本音なのか…ぶつかった男を「red star」と知っていて嘲笑っているのか…。

その辺は、想像にお任せします…という事で。

「白ゆき姫殺人事件」公式サイト

 

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・象のロケット

★前田有一の超映画批評★

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