探偵はBARにいる2 ~ススキノ大交差点~
作品情報
監督・キャスト
監督: 橋本一
出演: 大泉洋、松田龍平、尾野真千子、ゴリ、渡部篤郎、田口トモロヲ、篠井英介、波岡一喜、近藤公園、筒井真理子、矢島健一、松重豊、マギー、池内万作、安藤玉恵、佐藤かよ、麻美ゆま、枡田徳寿、冨田佳輔、徳井優、片桐竜次
日本公開日
公開: 2013年5月11日
レビュー
☆☆☆
2013年5月15日。劇場観賞。
個人的には一昨年公開された「探偵はBARにいる」よりも遥かに面白かった。
前作の時には大泉洋ちゃんの真面目ハードボイルドに違和感がぬぐい切れなかった…のかも知れない。
もっとクダケたストーリーだと思い込んでいたので意表突かれた…突かれすぎたっていうのもあるのかも。
今回はそれを最初から解っていたから、というのが大きい気もするけれども、作品自体も前作よりも砕けた流れだったような。
あらすじ
札幌・ススキノの探偵と相棒兼運転手の高田は、相も変わらず危ない仕事で日銭を稼ぐ日々を送っていた。そんなある日、友人だったオカマのマサコちゃんが殺害される事件が発生。警察の捜査は遅々として進まず、探偵が独自に調査を始めるが、事件の背後にカリスマ政治家の影がちらつく……(映画.comより引用)
前作よりもテンポがいい
前作よりも笑える部分も多く、オチもすとんと落ちる物だった。
コンビはぜひまた見たいと思っていたので、楽しかったし。
特に、「まほろ」→「舟」→「探偵BAR」→「あまちゃん」で祭り中の松田龍平。
ここでも天然、ちょっと正義感、カッコ良い。
アクションシーン…というよりドタバタの今回。追われる追われる…で、ルパン三世っぽい。
この車がすでにダメだろ…。
今回しっとりした役なのかと思っていたオノマチさんは「カーネーション」の糸子入ってた。
これはこれで可愛い。
でも、今回、誰よりも愛おしかったのはマサコちゃん。♥
いじらしくて優しくていつもニコニコしてて、みんなに好かれるのがよく解る。ゴリすごいな。
マサコかわいいよ、マサコ。
って事で…とても複雑な事に巻き込まれちゃったマサコちゃん。泣くに泣けない。
反原発運動に物申す気か、とか言い出す人が現れるのではないかとちょっと心配しているんだけど、そういう話ではないですよね。
何かに熱中し過ぎて集団になると周りが見えなくなっていつの間にか過激な事も正義だと思い込んでしまう恐さが人間にはあるのだという事。
マサコちゃんを殺したものは「何」なのか?
クライマックスは、思いがけずちょっとホロッとした。
コンビのファンは安心して観に行っていいかと。
…これの脚本って古沢良太さんだったんですね。前作の時、全然知らなかった。う~ん、あまり「らしく」はないかなぁ…。
波岡くんのシーンが面白すぎて笑った。
以下ネタバレ感想
橡脇をスキャンダルから守るために、多くの人間が動いている。
誰がどう動いているか、もう橡脇自身も解らないという言葉に愕然とする探偵。
自分たちを襲ってきたのは、有志の集団。
集団の暴走って、ほんと恐い。
しかし、マサコちゃんを殺したものは「集団の暴走」ではなくて、人間の「嫉妬」だった。
オカマのくせにクズのくせに有名になろうとした。
自分よりも秀でようとした。だから許せなかった。
狂ってる。
チンケな事件の結末だったけど、争いの原因には多いかも知れないね。「嫉妬」。
人の不幸は蜜の味…の反対。人の幸せは泥の味。
マサコちゃんは、そんなつまらない物に殺された。
本当に本当に可哀想だ。
河島弓子が肉親であるだろうことは、簡単に想像がついていた。
それでも、兄妹の回想シーンには泣けたよ。
寂しい辛い結末だった。
それでも、復讐よりも兄の意思に報いる道を選んだ弓子にエールを送りたくなる爽快感はある結末。
そういう部分でも、前作よりも私はこっちの方が好き。
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★前田有一の超映画批評★
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