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『宇宙人王さんとの遭遇』ぼくは暴力が嫌いです

宇宙人王〈ワン〉さんとの遭遇~ L’ ARRIVO DI WANG ~

  

監督: アントニオ・マネッティ、マルコ・マネッティ   
出演: エンニオ・ファンタスティキーニ、フランチェスカ・クティカ、ジュリエット・エセイ・ジョセイフ、アントネッロ・モッローニ、ジャーデー・ジラルディ、アンジェロ・ニコタラ
公開: 2012年10月20日

2013年2月6日。DVD観賞。

前情報は何もなく、これの前にレンタルしてきたDVDの予告に入っていたのを見て「笑えそう…」と、借りてきたのだった…。

予告に出ていた「王さん」(オウさんじゃなくてワンさんだよ)は、見た目チープで…いや、なかなか可愛く、今年に入って見た「宇宙人ポール」をちょっと連想させた。
   

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しかし、始まってみると、初っ端からもうホラーっぽい。(いや、ホラーじゃないけど)
OPの音楽やタイトルの出し方が、これから何か出てきそうな雰囲気バリバリなのである。

そして、冒頭もホラーのように怪しい映像…。
「REC」かと思っちゃった。
   

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中国語の通訳を仕事にしているガイアは、ある日、得体の知れない仕事の依頼を受ける。
報酬は数時間で2000ユーロ!!
仕事の内容は、中国語の対談の同時通訳。国家に関わる最重要機密。
場所も言えないので、と目隠しをされて連れて行かれるガイア…。

そこで、出会ったのが……これはタイトルにもなってるんだしネタバレじゃないよね。 宇宙人なのだ。えっと…ビニールを被っている何かかと思えるような顔だけど、宇宙人なのである。

なぜ中国語を喋るのかというと、地球上でいちばん使われている言語なので習得したのだそうだ。

宇宙人王(ワン)さんは、なかなか愛らしい。ちょっと微笑んだりする。苦悩の表情は本当に苦しそうで可哀想で見ているこっちもキリキリする。

可愛いけど…心温まる…という感じではなく…眉間にシワ寄せながら見る感じである。

で、ネタバレになるので、色々色々は置いておいて、またのネタバレ欄で。

ラストは、ええええええええ~~~!!です。

 

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 

    


 

「私は友好を深めにやって来た」
「ぼくは暴力が嫌いです」
「歓迎されると思って来たのに」

と、いう王さん。

なのに、軍のキュルティは王さんを信じない。
「何が目的だ」「あの機械は何なんだ」「鏡で自分の姿を見た事あるか」「イカ野郎」

挙句の果てには電流で拷問まで始める始末…。

人間は異形の物を受け付けない。差別する。信じない。
なんて、ひどいんだろう…王さんが一体何をしたというのさ。

ガイアは可哀想な王さんの救いになろうとした。
人権団体に何とか連絡を取って、助けてもらおうとしたのである。

隠れて見つかって殴られて…ボロボロになりながら王さんを助けるガイア。

これは、差別に対しての怒りを込めたメッセージを訴える作品なんだな…。

しかし、女1人が逃げ出しただけで警報を鳴らしたり、全員逃げ出すなんて変な軍隊。ここは、ちょっとお粗末すぎてツッコミどころ満載だ。

…とか思いながら見てた。
ラストまでは。

ようやく監禁施設を抜けて、上に辿り着いたガイアの目に映る窓の外のUFOによる攻撃風景。

操っているのは…ぇ、王さんですか!?

あの拷問に遭って苦しそうな顔の王さんは…一体何だったの!?

「おまえ、ばかだな」

先入観に騙されるな…という結末……。

「宇宙人王〈わん〉さんとの遭遇」公式サイト

 


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・象のロケット

★前田有一の超映画批評★

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