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『砂漠でサーモン・フィッシング』信じる心が「信心」だ

砂漠でサーモン・フィッシング~ SALMON FISHING IN TH YEMEN ~

    

監督: ラッセ・ハルストレム   
出演: ユアン・マクレガー、エミリー・ブラント、クリスティン・スコット・トーマス、アマール・ワケド、トム・マイソン、コンリース・ヒル、レイチェル・スターリング
公開: 2012年12月8日

2012年12月12日。劇場観賞。

うん。楽しかった。
感情の移動が、とんでもなく忙しい映画だった。

ニヤニヤしたり、クスッとしたり、ウルウルしたり、ムカっとしたり…
たぶん、作り手の思惑通りに笑ったり泣いたりした。

中東のイエメンの大富豪から英国の国家プロジェクトとして「鮭を釣りたい」という依頼を受けた水産学者・ジョーンズは、ひとこと「不可能です。」とお断りをする。
何せイエメンはアラビア半島の南西にある砂漠地帯。「魚には水が必要です。」
  

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受けなければクビにすると言われ、「北海で鮭を1万匹捕まえて生きたまま輸送する。費用は5000万ポンド」…と、間に入っている投資コンサルタントのハリエットにホラ吹いてみたところ、5000万ポンドはいとも簡単に用意されてしまう。中東の富豪、恐ろしや…。

しかし、実際にその大富豪・シャイフに会ってみると、これが何か気さくで頭が良くて穏やかで、しかも前向きな良い人なのだ。(そしてイケメンだ。←これは大事)
  

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ジョーンズは、魚釣りですっかりシャイフと意気投合。
シャイフの人柄に惹かれ、彼の言葉に押され、「信じる力」で奇跡を起こ……せるかというお話。
 

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「スラムドック$ミリオネア」でアカデミー賞・脚色賞を獲得したサイモン・ビューフォイ氏の脚本。クスッと笑わせて、ワクワク盛り上げて落とす所は落とす構成が素晴らしい。

見ながら何度も主人公と一緒に祈った。ドリームプロジェクト物語としての楽しさの中に恋愛ドラマとしての切なさも織り込んで、でも、スッキリまとまっている。

個人的にラストはちょっと「まじですか?!」って感じだったんだけど…でも、そんな展開でも不思議と嫌ではない。

こういう夢を見せてくれる作品は大好きだ。

キャストも皆さん魅力的。
首相広報官・マクスウエルさん…。クリスティン・スコット・トーマス、割と最近何かで見たぞと思ったら「サラの鍵」かぁ…。
 

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この人がまた憎らしいんだけど、憎めないのよ。あのLINEの吹き出し会話には笑った。ぽょんぽょんぽょん…

そして、やっぱりユアンなのだ。
  

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ちょっと老けたような気はするけれども、相変わらずカワイカッコいい。
不器用だから滑稽で、不器用故に愛らしい。そんなジョーンズ博士にピッタリ。

素朴な味わいで決して華やかな映画ではないけれども、見終わってホッコリ。そして前向きになれる気がする。そんな作品。お勧めです。

 

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 

    


私はただ道楽で魚釣りをしたいわけじゃないんだ。
国に緑をもたらせたいんだ。何世代にも渡る豊かな国を作りたい。

シャイフはそんな大きな理想の元にこの計画を考えたんだと知って、心が動くジョーンズ。

しかし、中東に鮭1万匹は無理過ぎる…という思いから離れられないジョーンズにジェイフは

「釣り人は待つのが得意だろう。必ず釣れるというのが「信心」信じる気持ちだ」

 

という。

シャイフが素晴らしい人格者だからジョーンズも前向きになっていくんだよね。国のトップはこういう人であってもらいたい。

なかなか心が通じ合わない仕事優先の妻。庭の鯉に1人ぽつんとエサをやりながら悩むジョーンズが切ない。

やっと鮭を手配して、川を上るのにも成功したところに反対派の妨害。
国の民の心は1つではなかった。

それでも心折れないシャイフが指し示す先に飛び跳ねる1匹の鮭。
生きている鮭がいるなら、自分もこの仕事をやり抜こうと決心するジョーンズ。

あのシーンには泣けてしまった。

恋愛面は切なくも、可哀想だと思っていたハリエットの決断には、ちょっと「えええ?」と思ってしまったわ。

あれじゃ、戦場を生き抜いて戻ってきた彼氏が気の毒すぎるじゃん…。
「生きて帰ってきてごめんなさい」って感じになるよね。

それでも、まっいいか、と思えるのは、ジョーンズがユアンだからだ。←私の場合。

まぁ…いいさ。ハッピーエンドだからこそ幸せな気持ちになれるんだもん。
ああ、見て良かった。と思えた。

帰ってきてからも何度も公式サイトを見ながらニヤニヤした。
何かに向かって頑張る人たちの物語は気持ちいい。

・「砂漠でサーモン・フィッシング」公式サイト

 

 


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・象のロケット

★前田有一の超映画批評★

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