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『七つまでは神のうち』7つまでは黄泉の国の所属

七つまでは神のうち

作品情報

監督・キャスト

監督: 三宅隆太   

キャスト: 日南響子、飛鳥凛、藤本七海、竹井亮介、宝積有香、駒木根隆介、松澤一之、霧島れいか

日本公開日

公開: 2011年8月20日

レビュー

☆☆

観賞: 2011年12月14日 DVD

日本では、毎年10万件以上の捜索願が届出される。内9万件は解決し、1万件は毎年行方不明のまま。いわゆる「神隠し」といわれる状態になる・・・

居なくなった人は、何処へ行ってしまったのか。生きているのか、それとも…

という所からストーリーは始まる。

何に惹かれたかというと、このタイトルですよ。

「七つまでは神のうち」

なんて、ロマンティックで神秘的で美しいのだろう・・・。

ということで、内容は全く知らずに借りてきた。

あらすじ

10年前の事件をきっかけに、心を深く閉ざした女子高生・繭(日南響子)。ある日、神に祈るために通っている教会からの帰り道に不審なワゴン車と車内に拘束された少女を目にした繭は、父と共にワゴン車を追跡する。一方、閑静な住宅地に住む信心深い主婦・真奈(霧島れいか)は、娘を神隠しで失う悪夢に悩まされていた。(シネマトゥデイより引用)

「七つまでは神の子」という七五三の言い伝え

日本には「七つまでは神のうち」という言葉がありました。地方によっては「七つまでは神の子」と言ったり、「六つまでは」と言ったりすることもありますが、言わんとするところは同じです。これはつまり、数え年7歳になるまでは完全に人間社会の存在だとはみなさない、という意味だと理解されます。それ以前の子どもは、半分(以上)、あちら側――神とか霊といったものの世界に属しているというのです。(「七つまでは神のうち|小嶋博巳|現代社会学科の紹介11」より引用)

という説が広まったのは民俗学者・柳田国男の『こども風土記』によるという。これを元にして、七五三という行事から子どもが現世に迎えられるようになるのだとか。そのような言い伝えがネット上にいくつも見つかる。(現在は民俗学として否定されている模様)

何にせよ、ホラーネタとしては惹かれるものがある。

昔は子どもが七つまで育つことが大変だったというのもあるだろうから……。

ツッコみどころ満載(笑)

ハッキリ言ってしまうと、時々こわっと思う部分もあるものの、全体的にはツッコミ所だらけだった。

場面と時間がコロコロ変わる作りは、ちょっと「呪怨」チック…だけど、あそこまで恐いものは何もない。

結局、霊の仕業なのか誰かの妄想なのか、そもそも主人公さえ誰なのか……たくさんの疑問が湧いてきます。

ああ、でも、全部が妄想、すなわち誰かの悪夢なのだと考えれば、ツッコミ所も所詮夢だから…ってことで納得していいのかな。でも、それって反則な気もする。

映画、ドラマ、小説…世の中の創作物全て「これは夢でした」で終わってたら何でもできてしまう。そういう話は数少なくて作りが優秀だからこそ面白い。

日南響子デビュー作

この作品が映画デビューだという日南響子さんの透明感のある美少女っぷりが一番の見どころ。

後は、ネタバレ欄で。

 


以下ネタバレ感想

 

ツッコミ所は冒頭から始まる……

普通、車で追うんだったら、追ってる間に警察に連絡したりナンバー控えたりするよね…

恥かくといけないから、確認してから通報しようと思ったのかな。

警察だってそのくらい動いてくれるよ。税金払ってるんだから。

そもそも、繭という子は事件の時から精神不安定なわけで、この映画の中で起こることは全て繭の妄想である可能性が大きい。

だから、この車で追っているシーンから全てが繭の夢なんだと思えば、この馬鹿な親子の行動も納得できるけど。

では、あの市松人形など、薫と麗奈の身に起きた事は何なのだろうか。全て、それぞれの悪夢で、それが統合されてああいう事態になったのかな。

あの学校で目隠しされて吊るされてるのを助けるシーンは、何だかお粗末だった…。

しかし、あれも誰かの夢だと思えば、すぐに縄が解けてしまうのも納得・・・えっ…そんな事でいいの

一番納得できる結論としては、全てがさくらの母である真奈の夢だという結論かな。

途中でハッキリとカウンセラーも出てくる事だし、真奈だったら恨みのあまり全てを創作する事が可能。

森の中で、繭のパパが車を見つけた時、白骨死体のようなものが助手席に乗ってるんだよね。

あれが真奈で、狂った父親の方が真奈の夢の通りに行動しているという可能性もある。

その場合は、真奈はすでに死んでいるのでホラーという事になる…

どっちにしろ、初めのシーンは真奈。ラストシーンも真奈なので、この映画の主人公はきっと真奈なのだろう。そんな気がする。

幼い子供を失った悲しみは解るけれども、そういう部分も胸を抉られるほどの描写はなく、切ない気持ちにもあまりなれなかった。色々と残念な映画。

とにかく・・・イジメはダメだよ。

そういう話。
 


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