白夜行
監督: 深川栄洋
出演: 堀北真希、高良健吾、船越英一郎、田中哲司、姜暢雄、小池彩夢
公開: 2011年1月29日
劇場鑑賞です。感想をおさぼりしていたのを今頃UP。
(この記事は2011年11月に思い出し書きしています。)
「白夜行」は、東野圭吾氏の大ヒット小説だ。
映画化に当たっては「今さら?」と思われた方も多いだろう。
すでに2006年にTBSでドラマ化され、舞台や韓国映画にもなっているから。
映画を見た後は、それなりに感動もし涙もしたのだが、こうして10ヶ月遅れレビューのために内容を思い出そうとすると、意外と印象が薄い。
なんせ、私はドラマの方に毎週涙し、どっぷり漬かっていた方なので…(ドラマ「白夜行」レビュー )(つい最近も、TBSが再放送したのを録画済みなのに毎日どっぷり見ていたばかりだし。)
TBSドラマ版は、「JIN」や「ROOKIES」も大ヒットさせた石丸彰彦プロデューサー制作、「世界の中心で愛を叫ぶ」などで石丸さんとタッグを組んだ森下佳子氏脚本と、TBSの精鋭スタッフを集結させた名作だ。
ただし、原作とはまるで違う側面から切り取った、ほぼ創作といえる代物なので
原作ファンからは酷評も多い。
映画版は、それに引き換えると、原作にほぼ忠実。
原作の世界観を見事に再現させていると言える作りだった。
しかし、原作の文庫を手にした事がある方はお解りだろうが、白夜行は大変なページ数の小説。これを映画にまとめるには、とてもじゃないけど時間が足らない。
つまり映画は、原作エピソードをちょこちょこ摘まんだダイジェスト版のように
なってしまった感は否めない。
私は、ドラマ→原作→映画の順でこの作品に触れたので、ドラマ版に反感なく、ドラマとの違いを原作で楽しみ、映画で「ほーっ、こうなったか!」という感想。
この順番、この作品を味わい比較するのに一番正解だったかも。
え~・・・脱線だらけですが、映画版の感想を。
堀北真希ちゃんは間違いなく美女だけれども、雪穂役には、ちょっと幼すぎる感が…
冷たさはよく出ていたと思うけれども「奥様」にはちと足りない。
高良健吾さんの透明感は、亮司にピッタリだった。
一番心配だった船越英一郎さん(失礼ですが…どうしても崖が見えてしまうので。)も、良かった。
私みたいに、ドラマや原作と比較したり、脳内補てんしたりしながら見るのが一番面白いかもです。
ちなみに、今回のこの記事の頭に付けた「弥陀の本願悪人成仏のためなれば」は、
ドラマ版の笹垣がつぶやいていた「歎異抄」です。私にとっては、どうしても一番に頭に浮かぶのはドラマ版のようです。
ここから下ネタバレ↓観てない方は観てから読んでね
子供は親を選べず、親に縛られて生きて行かなくてはならず、それを断ち切った者でもその記憶に一生縛られて生きていく…
雪穂も亮司も子供の頃の残酷な過去がなければ、残酷な今もないわけです。
親の愛に育まれてホクホクと育った子どもと、育成の段階で何かしらの傷を得てしまった者の人生の差。
不可解な事件が点になり、線になり繋がっていく面白さの裏に、彼らの悲劇がある。
これが、この作品が名作である所以。
初めて笑顔を見せて、笹垣の目の前で落ちていく亮司。
その笑顔が、悲しくて切なくて、印象的で・・・
雪穂に全て吸い取られる一生でも幸せだったの?亮司。
高良健吾の亮司が、一番印象に残った。
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