うさぎドロップ
監督: SABU
出演: 松山ケンイチ、芦田愛菜、香里奈、桐谷美玲、風吹ジュン、綾野剛、木村了、高畑淳子
公開: 2010年8月
ひよこの着ぐるみを着て
チっキンラーメンてっとてっと・・
と歌ってたり、歌いながら
マルマルモリモリ~
とか踊ってたり…
動物と戯れて擬似お母さんになってたりする芦田愛菜を見て
「最近、芦田愛菜もう見飽きた~!」
とか言ってる人は、この映画を見れば、芦田愛菜という「女優」がいかに凄い子役であるかがよく理解できるだろう。
この映画の愛菜ちゃんは、暗い表情の子供である。
作った笑い顔はしない。
作った子供らしさも見せない。
時々見せるやけに大人びた表情にドキッとさせられる。
実際、子育てはあんなに甘くない。
職場は子育てが大変だからって簡単に遅刻させてくれたりしないし、子供がいなくなったからといってみんなで探し回ってくれたりしないし、何よりも子育てにはお金がかかる。
この映画では、そういったことに触れる人たちは「ほとんど」いない。
(若干はあるけどね )
だから、この映画はある意味、壮大なファンタジーである。
独身の貴方が可愛い女の子を引き取って、そう簡単に子育てできるかといえば、それは大変な大間違いだ。
そこんところは、ユメユメ勘違いなさらぬように。
しかし、この映画には、子育て中の人たちに「忘れていた何か」を思い出させてくれる部分は大いにある。
頑張れお父さん!
頑張れお母さん!
負けるな子供!
そんなメッセージがいっぱい伝わる、優しい映画だ。
とにかく、多くを語らず子供を引き取り、愚痴を言わずに尽くし、子供の心に寄り添おうとする大吉さんは素敵すぎる!!♥
あんな男子、なかなかいない…いや絶対いないだろう。
だから、そこが、この作品で一番のファンタジー。
松山ケンイチのファンは、必ず今以上にホレること間違いなしの1本。
以下ネタバレ感想
綾野剛さんが出てくるだけで
「こいつきっと、子供を攫って虐待する極悪人に違いない・・・」
と思ってしまう・・・のは、大変な思い込みでした。
妹の彼氏だったのにはビックリした。
良い人じゃん・・・ゴメンね。綾野くん・・・
そう、綾野くんすら「良い人」なこの映画には、 悪い人っていうのが出てこない。
そこがベタだ、つまんない、と思う人もいれば、ホッコリした安心感で見終われる人もいるだろう。
私的には、
たまには、こういうのも良いよね♥
って感じです。
で、演出面で、かなり不満を感じたところ1点。
お墓のシーンね。
何で子役2人にいきなり泣かせたのかな?
最近の子役は本当に演技達者で、特に「泣き」が上手い。
芦田愛菜ちゃんの「泣き」は、もう絶品です。
色んなドラマが必ず愛菜ちゃんを泣かせてるよね。
だから、逆に冷めてしまった。
子役の「泣き」演技で大人を泣かせる手法、いい加減やめませんか?
ツッコミ所いっぱいのストーリーは、微笑ましく見たけど、子役の泣きシーンだけは受け入れがたく・・・
ちょっと、苦情入れてみた。
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★前田有一の超映画批評★
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