第9地区 ~DISTRICT 9~
監督: ニール・ブロムカンプ
出演: シャルト・コプリー、デヴィッド・ジェームズ、ジェイソン・コープ
公開: 2010年4月
第82回アカデミー賞作品賞ノミネート作品
劇場で見たいと思いつつ、近くで上映されていなかったので見そびれ…
結局、DVD鑑賞になった。
劇場で見れば、ずいぶん迫力が違っただろう。もったいない。
なかなか腰が重くて上がらなかった理由がもう1つ。
前情報を何も仕入れていなかったので、よくある
エイリアンが地球を攻めてきて、アメリカンが戦って人類を守るんだっ!
という、ステレオタイプのSF映画だと思ったのである。
人類を救うアメリカンのストーリーは、もう飽き飽きなのだ。
しかし、そんな作品でオスカーにノミネートされるわけはなく・・・
SFというよりは、しっかりとした社会派映画であった。
これ、エビを人間に置き換えても通用するのである。
同情できる登場「人物」は誰もおらず…
こんな人類、滅びてしまえ、と思いながら見ていた。
ドキュメントのように人物のインタビューを追いながら展開するドラマはシュール。コミカルな部分もあるが、後々考えるとゾッとする。
人間のこういう感情はホラーよりも恐い。
ここから下ネタバレ↓観てない方は観てから読んでね
人間さまは人間さまを偉いと思って生きている。
理解できない物は排除する。
とにかく、ヴィカスが小者すぎて、全く同情できない。
笑いながらエビの卵を焼いている所なんて、怒りがこみ上げたわ。
ああいう描写にはナチスを連想する。
いじめ、排他、殺戮…人間さまのやる事は、昔から何も変わらない。
そんなこんなで、ヴィカスの末路は、「天罰とも言える神の仕業」とも思ったが・・・突然、クリストファー・ジョンソンを助ける気になった所だけはこの映画における救われる部分だ。
まあ…
人間の心があんな風に動くかよ
というツッコミもあるわけだが…
どうせ、あの人はあそこで逃げたって生き延びることはたぶん出来ないし。
最後に何か人(じゃないか)の役に立つことをしたいと願うのも、「地獄に落ちたくない」という防衛本能から起きる人間のエゴなのかも知れない。
エビの子供は…ミョウに可愛かった。。
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