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『アバター』(in 橋本愛)仮想世界と現実の境目

アバター

監督: 和田篤司   
出演: 橋本愛、坂田梨香子、水沢奈子、はねゆり、佐野和真、加藤虎ノ介
公開: 2011年4月

  

あの、アカデミー賞ノミネート作「アバター」ではなく・・・
山田悠介原作「アバター」なので。お間違いなく。 DVD鑑賞です。

「アバター」とは、ひと言でいえば「ネットという仮想世界の着せ替え人形」である。

大抵のサイトは初めは無料。しかし、もっと可愛いお洋服やアイテムが欲しければお金がかかる…というシステム。

そんなのにお金払う人いんの?全然リアルじゃない。

と、思う方も多いでしょうが…

私の身近なところで、高校生の子供がアバターのために家のお金を黙って10万単位で持ち出してしまい、大騒ぎ・・・な家庭があったので、この映画の設定も、全く「有りえない」話ではないのだ。

その家では、子供に「何でこんな事したんだ?」と怒ったところ、「何が悪いの?」みたいな顔をしていて親はゾッとしたというから仮想世界にハマってしまう人間は結構あちらこちらにいるのである。たぶん。

さて。

この作品は意外にも大変面白かった。

「意外」と言ったら失礼ですが、山田悠介氏原作の映画は「親指さがし」「リアル鬼ごっこ」と2本見て、設定は面白いのにストーリーが残念。という結論が自分の中で出来ていたので、意外だったのです。

今作は、初めから最後まで面白い。と言い切ります。

「告白」で初めて見た橋本愛さんが、素晴らしい。

人間って、何かにハマり過ぎると人間じゃなくなる。

痛い子たちの可哀想なお話だけど、その片鱗はネットにいれば時々目にするので・・・

ツッコミ所は多々あれど、お薦めできる1本でしょう。

 

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 

    


なんでこんな物にハマるんだろうなぁ・・・
と思いつつ、タガが外れた人間の痛々しさと、集団の恐ろしさ。

それは、たっぷり味わえた。

何せ、最初の父親の一幕があるから、阿波野妙子には全く同情できず、やってる事が酷すぎるから最後まで同情できず…
かと言って道子に同情できるかと言えば当然それもなく…

目には目と歯を
の世界が繰り広げられる。

お母さん、あの金を見た段階で
「どなたか存じ上げない人からいただけません」じゃなくて、
「そんな大金どうしたの?」と言ってほしかった…

私もよく、子供に携帯なんか与えなければ良かった。と思う。
その辺は理解できる心情ではあったけど・・・

ラストの

すぐに可愛くしてあげるからね。ミチコ。

を見たら、この後はもう落ちるところまで落ちるしかないなぁ、と思った。

この子を救えるものは…たぶん、この先何もないだろう。
逮捕されてもきっと、何がいけなかったのか気付かないだろうな。
・・・そういう人って、確かにいるんだよ。あなたの身の回りにも。

・アバター  公式サイト

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★前田有一の超映画批評★

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奈可久う子(くう)

◆ドラマ・映画 エンタメ系ライター&ブロガー。◆ハウツーサイトやリクルート・キュレーションサイトなどで映画紹介のライターしておりました。(お仕事はいつでも有り難くお受けします)

◆映画の評点はあくまでも私感です。(平均が2.5で1と5は滅多に付けていません)

◆戦争とホロコーストテーマの作品観賞がライフワーク。

◆レビューは上半部はネタバレなし感想、下部は観了した方と感想を共有できるように書いています。(古い記事は簡単感想です。時間のある時にリライトしています)

◆姉妹ブログ「ドラマ@見とり八段」

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