『クヒオ大佐』英会話よりも「沈黙の艦隊」を読めって

クヒオ大佐

　　

　　　

監督:　吉田大八 　　
出演:　堺雅人、松雪泰子、満島ひかり、中村優子、新井浩文、児嶋一哉、安藤サクラ、内野聖陽、大河内浩
公開:　2009年10月

観たい観たいと思っていたのに、近くで上映がなくて～。やっとDVDが出たいそいそと借りてきた。

思っていたよりも、ずっとウソ臭かった。
・・・でも、実際にいた人なんだよね。

そして、実際に多くの女性がこの人によって結婚詐欺に遭ったんだよね。何か信じられない。。。

常に軍隊の制服を身にまとい、たどたどしい日本語で喋り、ジョナサン・エリザベス・クヒオと名乗る・・・父はカメハメハ大王の末裔、母はエリザベス女王の妹の夫のいとこ。

戦後すぐでもあるまいし、1970年代の日本人ってそんな肩書きにフラっと来るモンなん？オレオレ詐欺よりも遙かに分かり易いと思うんだけど～。

付け鼻がやけに似合う堺さんも笑えるが、いう事やる事、笑える事ばかり。

前半はクヒオ大佐に翻弄される松雪泰子演じるしのぶが痛々しいが、後半に行くに連れてクヒオ大佐自身の姿が痛々しい。

満島ひかりは、ここでも好演。

大笑いってほどでもないけど、面白かった。

結局は、肩書きじゃないんだよね。

「今、目の前にいる、貴方が好き」

 

ここから下ネタバレ↓観てない方は観てから読んでね　

　　　　

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「虚言癖」という言葉を連想する。

実は、かなり身近な所で、こういう人がいるので。。。
見終わって、そんな事ばかり考えてしまった。

まぁ、私が知っている人の場合は、別に結婚詐欺じゃないんですけどね。
解りきったウソばかり繰り返す。
こっちも、何か変だと思いつつ、信じたいから信じてしまう。

ウソがバレると一応謝るが、また同じ事をすぐ繰り返す。

たぶん、彼の場合もクヒオ大佐と同じく、盗んだ100万を返せと言われたら、また余所から騙し盗んで返そうとするだろう。

彼らの頭の中では、ウソは本当のことになっているらしく、周りから見るとこの繰り返しは理解出来ない。

彼らはいつまでウソを繰り返すのだろう。
逮捕されれば止まるのだろうか。

実在のクヒオ大佐は、今、何処でどう生きているのだろう。

しのぶは彼のことが好きだった。
英会話よりも「沈黙の艦隊」を読めと言われればその通りにした。
お弁当よりも世界平和が大事だと信じて彼に大金を投じた。

疑った事もあるのかも知れないけれども、好きだから信じた。

「彼女たちの望む事をしてきただけ」というクヒオ大佐。

それは。。。ひとときの夢を見せてやる事。なのかなぁ。

クヒオ大佐にとって、愛は永遠の物ではなくて、ひとときの物でしかないのかも知れない。夢の中の物でしかないのかも知れない。

実際の生い立ちの映像が交差するシーン。痛々しい。

彼が本当に夢見た世界平和とは、たぶん子供が安心して生きていける世界だったんだろうね。

・クヒオ大佐　公式サイト

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