宮廷画家ゴヤは見た
~GOYA’S GHOSTS~
監督: ミロス・フォアマン
出演: ハビエル・バルデム、ステラン・スカルスガルド、ナタリー・ポートマン、ランディ・クエイド、マイケル・ロンズデール、ホセ・ルイス・ゴメス、マベル・リベラ、フランク・ベイカー
公開: 2008年10月
原題は「GOYA’S GHOSTS」直訳すると「ゴヤの幽霊s」である。
これをどうやると「家政婦は見た」みたいな題になるんだよ。。。。
奇っ怪なタイトルと、別にゴヤの生涯を描いた作品ではないという前情報と、ハビエル・バルデムさんのお顔がとっても苦手な事で(あ~ファンの方、ごめんなさいっっっ。)見に行かなかったこの映画。。。
DVD鑑賞です。
しかし、これは~。。。
面白かった~
思えば、私が外国語映画の中で一番かもと思っているほど好きな、「アマデウス」のミロス・フォアマン監督の作品。。。
舞台は18世紀末のスペイン。
時代はカルロス4世の統治下。
題材はカトリック教会と異端尋問。
舞台だけでも好みだ。。。聞いただけでも面白そう
画も綺麗だったしね。。。なんで見に行かなかったんだ。私よ。
腐りきった教会の背景と、その犠牲になった美しい1人の娘。
そして、彼女のために奔走する1人の男。それが、カルロス4世付きの宮廷画家、ゴヤなのです。
先ほど書いたように、ゴヤの生涯を描いた物語ではありません。
ゴヤは、文字通り「見た」だけ。
主になる人々は、ゴヤに客として関わっている人々です。
しかし時折出てくる、ゴヤの画家としての物作りの描き方は非常に興味深く、面白い。この当時の宮廷画家の位置づけも思ったよりも卑屈でも偉そうでもなく。。。お付きの写真屋さんみたいに王妃と話しながら肖像画を描く姿など、何だかフランクなお友達って雰囲気です。
エンドロールでは、ゴヤの絵画も楽しめます。
でも、どちらかというと、ゴヤの絵画よりも、この時代の歴史と宗教に興味のある方にお薦め!サスペンスタッチの歴史ロマンに満足できます
ここから下ネタバレ↓観てない方は観てから読んでね
スペインで「異端尋問」が盛んだったのは、15世紀なんですね。
主体となって行ったのは王とカトリック教会。裏で糸を引いていたのは王でした。
狙いは自分の統治に邪魔なユダヤ人の家来を排斥する事。
そして、自分がユダヤ人から多額の借金をしていたので、異端尋問にかこつけて借金もチャラにしちゃおう~♪という。。。
こんな理由で行われるのですから、異端尋問なんてどの時代でも全く純粋でも無ければ正義でも無いわけです。
しかし、その後の時代に「酷すぎる拷問による自白」に疑問が投げかけられ、異端尋問は次第に下火になりました。
この映画の舞台である18世紀には、ほぼ機能していません。
イネスの父が、イネスが連れて行かれた時、家にロレンゾを招いて「自白の強要など、とっくの昔からしていないはず」と言いますが、この時代にはもう拷問は一般市民にとって遠い昔の記憶だったわけで、それを教会が権威を取り戻すためにほんのわずかな時期、復活させた。
そのわずかな時代の渦にイネスは巻き込まれたのです。
この後、映画の中で描かれたように、ナポレオンの進攻により教会の権威は失墜します。
そう考えると、この時期にただ豚肉を食べなかったのを見られただけであんな事になったイネスは本当に不運な人です。
尋問にかけられる前の、清らかな少女のイネス。
解放された後の、おかしくなってしまったイネス。
身体で稼いでいるイネスの娘。
1人3役のようなナタリー・ポートマンが素晴らしかった。
こんな演技も出来る人だったんですね~
イネスのために何かと奔走するゴヤは、あまり悲壮感が漂ってない所がかえって良かった。
あの時代の宮廷画家は、色々な人に顔が利く立場だったんですね~。
世話好きの優しいおじさまって感じでした。
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「ブーリン家」は劇場で観ました~♪
あっちは、もう題材自体がハマリだったので、
迷うことなく行ったんですけどね~。
どうして、こっちは行かなかったかな(; ;)
>手放しで面白い!とは言い難いですが
そう。悲惨な話なんですよね。
だから「面白い」とは違うのかな^^;
でも、見応えありましたね^^
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この辺の歴史も美術も大好き♪なのでツボでした(*^^*)
ナタリーの演技に魅せられましたわ~^^
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こんにちは~♪
ナタリー・ポートマンが素晴らしかったですね~
彼女はこの年に『ブーリン家の姉妹』にも出ていましたが、どちらの作品の演技にも魅せられましたよ。
異端尋問の様子など見ていて辛かったですが、この時代の空気を感じ取れてじっくりと見入ってしまいました。
手放しで面白い!とは言い難いですが興味深い味のある映画でしたね♪
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スペインの歴史なんてほとんど知らないけど、
映画で見るスペイン時代劇は、
独特の雰囲気があって面白いですね。
この作品は、ナタリー・ポートマンの多彩な演技に目をみはるものがあります。