ゼロの焦点
監督: 犬童一心
出演: 広末涼子、中谷美紀、木村多江、西島秀俊、鹿賀丈史、崎本大海、杉本哲太、長野里美、野間口徹、モロ師岡、江藤漢斉、小木茂光、本田大輔、黒田福美、左時枝、本田博太郎、市毛良枝
公開: 2009年11月
原作は松本清張氏の有名小説。
映像は素晴らしかった。
昭和30年代初期の何となく暗い空気や、日本が戦争に負けて立ち直ろう藻掻いている影や、復興最中の町並みや・・・汽車や建物などの小道具・大道具含めて、時代感が素晴らしくよく出ていたと思う。
ストーリーは、松本清張のサスペンスの中では比較的簡単に理解出来てしまう簡単な物。サスペンスを見慣れた人ならば、カラクリはすぐに解けてしまうので、そこに重点を置いて見てしまうとガッカリしてしまうかも。
文芸作品としての雰囲気を楽しむのが良いと思います。
難は実は、役者さんにある・・・かも。
まぁ、主役の人は何かに出る度に言われる事なので今さらグタグダ書いても仕方ないんだけど・・・文芸作品の主演には、およそ合わないと思います。
「ヴィヨンの妻」の時は、あまりセリフも無く、飲み屋の女の役だったので、あの喋りも私はあまり気にならなかったんだけど、主演女優で、ナレーションをずっと映画の間中聞かされるとなるとかなりキツイものがある・・・
最初から解っていた事ではあるけれど、中谷美紀さんに完全に食われてます。
まぁ、つまり、中谷美紀さんは素晴らしかった。
彼女のファンならば満足な映画でしょう。当方は彼女のファンなので、そういう意味では見応えありました。
また役柄的にも、中谷美紀さん演じる室田佐知子には共感できたけど、主役の禎子にはまるっきり共感できなかったので、これはこれで良いのかも・・・
3人の女優陣以外は地味なキャストなので、崎本大海くんのイケメンぶりが光ってました(西島さんの出番は少ないしね)
テレビドラマサイズの人だと思ってたけれども、スクリーンでも充分、映えるしね。さっさとヘキサゴンなんかからは足を洗って、役者に専念した方がいいよ~。
エンディングは、どうして歌にしたんだろう。
バックに流れる北陸の海に中島みゆきの歌はハマってはいたが、何だかテレビドラマのような安っぽさを感じてしまったわ~。
というか、松本清張氏の映像化された作品は、テレビドラマでも名作がたくさんあるので・・・・・これも2時間ドラマで良かったんじゃないかな、っという気がします。
ここから下ネタバレ↓観てない方は観てから読んでね
貴女は私の夢を奪った!
と、禎子はいう。
でも、結果的には夢を掴み取る事なく死んでいくのは佐知子と久子だけなのだ。
禎子は、たぶん、何不自由なく育って、お見合いして、奪われたと言っても憲一が夫であった時間は短く。。。
時代に多くの物を奪われ続けてきて、やっと手にできるかも、という所までこぎ着けた佐知子や久子に比べると、何と恵まれた人生だった事だろう。
この恵まれたお嬢さんが、佐知子の演説中に「マリー!」と叫んだ瞬間には、引っぱたいてやりたくなった。
傷のない人生を送ってきた女には、人を陥れてまで幸せを求めた女の傷が理解出来ない。
確かに結末的には3人の女の悲劇を作ったのは、あの時代だけど。
たぶん禎子は理解していないだろう。自分の夫を殺した女を殺したのは自分だという事を。
そして、東京の実家で、優しい母の元で、しばらくノンビリ暮らしたら、また再婚するだろう。そう、あんたの夢は、生きていればいくらだって叶う夢なんだよ。
そんな感じで全く共感できないお嬢さん禎子を演じたのが共感出来ない演技の広末涼子だったのは幸いだったかも。。。
上映中、心から嫌う事が出来たから。
昔はヒロスエって好きだったんだよね。ヒロスエ10代の頃はね。。。あのまんまの感じでこういう作品に出ちゃうのは、ちょっと。
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ゼロの焦点 面白かったです。ただ この作品って、戦時中、戦後の混乱期について知識がないと・・なんだこれ?になりますよね。
俳優人には不足はなかったです。 最初はなんで彼女が主役?なんて思ってましたが・・ 新しい時代をすんなりと渡れる彼女と散々死ぬ思いで明日を掴みたい、と思いながら結局渡れなかった彼女達の対比の為には良かったのかも・・。 演技は別にして・・。
ただ、彼女も戦争を体験しているはずなのに、背景にその暗さがなかったのが やや惹きましたが。
それと、見合いの時の西島さんのスーツも現在ぽくって変でした。
中谷さんの演技はもちろん最高! 貞子を食う食わないというレベルではなく、人間の業と悲しみがにじみ出てました。
彼女はただ、新しい自分に代わりたいだけではく その辛い状況で願った新しい未来を作りたかっただけなのかもしれない。 しいらげられた自分の過去を忘れるために・・。
戦争は為政者の勝手な行動から始まるけど、その歪みは名もない人々の心に消えない傷をつける。 傷を負った人々は足掻こうとするほどに苦しさを纏 さらに自身を苦しめる・・。戦争を知らない自分がいうのもおこがましいんですけど・・そんなことを感じました。
健一さんは、優柔不断とはとはいえ、優しい人だったんだと思います。 触れられたくない、思い出したくない過去があったのなら、再開したときに避ければいい。 貞子さんに逢って 人生を行きなおしたいと思ったときも 後のことを考える優しさを持ってる。・・・その優しさが仇になってる気がしました。
ただ、一番理解に苦しむのが久子さんの旦那の社長! 彼女のことが大事なのは最後のパニクッてる彼女を支える場面で分かるんですけど、何故?自殺をするのか?が分からない。 彼女の身代わりになるのは分かるんですけど・・。
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2時間ドラマでも良かったんじゃないの?と思います。
実際何度もドラマ化されていますし。
禎子は被害者ではあるんですけれど、
でも結局傍観者で目撃者でしかないんですよね。
それにしても久子がここまで前面に出てくるなんて、
大胆な脚色で面食らいました。
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>このレベルなら映画にせずにTVドラマにした方がもっと注目されると思うほどでしたからね。
ドラマで、このキャストを揃えましたって言う方が
宣伝になりますよね~。
映画だったら結構、普通?^^;
ドラマだったら豪華キャストだと思います。
>やっぱり映画は監督の演出次第ですね。
ホント、そうですよ。
演技って演出次第でカバーできる部分が多いな、と
最近、映画やドラマを見てよく思うんです。
久子が落ちていって、佐知子が狂乱するシーンは、
割と好きだったりします^^
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>「意地悪!!」て叫んでましたよ、心の中で・・(笑)
ほんと、意地悪だよね。
人の一番触れられたくないことに公衆の面前で、
晴れ舞台で叫ぶんだもん。
まぁ、夫を殺されたんだから、復讐の気持ちは解ります。
でも、そういう鬼気迫った感じでもなかったのよね^^;
全然共感できない禎子でしたわ。
私もね、大昔に原作読んだ時は、もっと禎子さんに
共感していた気がするんですよ~。。。
ドラマも見たことあると思うんだけど、イマイチ記憶になくて^^;
原作、読み返してみようかなぁ。
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>ヒロスエの演説中の、叫びでは、かけ声なのか憎しみなのか
あはは(^▽^
あれがかけ声だったら天然の空気読めない女ですわ~。
まぁ、私の中で、この映画の禎子は空気の読めない女でした。
本多さんが殺されちゃうのだって禎子のせいだし~。
私も北陸の情景と物語の陰の部分のマッチは素晴らしいと思いました。
これぞ、サスペンスの走り、ですわ^^
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>まぁ、ストーリー上禎子のような役柄は必要なんでしょうが、
そうなんですよね。
禎子は1人生き残って、こういう時代があった事の
証人にならないといけないんですよね。
>佐知子の演説中に「マリー!」って・・!常識を疑いますよね。
そう、自分の事ばっか。。。って感じ。
あれは、ささやかな復讐なんでしょうけれども、
何だか間が抜けて見えちゃいました。
やっぱり平手打ちのシーンはない?^^;
もうね、原作読んだのが遙か昔で記憶が遠いんですよ。
禎子さんって、もっと同情出来る女性だった記憶が
あるんだけど~。。。
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>最大の武器はあの甘ったるい声と顔立ち
本来ボーイッシュな雰囲気が合う人なんですよね。
若い頃はそれで売っていたわけだし。。。
今の髪型や妙に女っぽい役は難しいですね~^^;
年と共に立ち位置を模索しなくてはならないお仕事ですね。
ベタベタした話し方だった長澤まさみさんが、
最近抑えたトーンでお芝居できるようになったように、
彼女も変えて行かなくてはならない時だと思うんですよね。
そうしないと役の幅が広がりませんよね^^;
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来る物がない、って素晴らしい表現^^
その通りなんですわ。
>宮崎あおいなら、また違ったかな。
私も誰なら良かったかと考えました。
「ヴィヨン」が良かったので、松たか子さんとか
思ったのですが、あおいちゃんも良いですね。見てみたいです。
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>たしかに2時間ドラマでも良かったように思えました。
ただ、豪華な出演陣なので映画にした感じ?
内容はドラマにした方が多くの人が作品に触れることが出来て
良かったのではないか、と思っちゃいましたね^^;
出演陣も女優陣は豪華でしたが、後はドラマでお馴染みの方が多かった気が~^^;
中谷さんは、ホント素晴らしかったですね^^
またやってくれたって感じです(*^^*)
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TVドラマっぽい安さを感じるというのはよく分かります。
というか、このレベルなら映画にせずにTVドラマにした方がもっと注目されると思うほどでしたからね。
やっぱり映画は監督の演出次第ですね。
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–「マリー!」と叫んだ瞬間、引っぱたいてやりたくなった–
私も~!!「意地悪!!」て叫んでましたよ、心の中で・・(笑)
中谷さんに心持ってかれちゃったんでしょうね。
私。原作ではかなり妻に感情移入してたみたいなので・・。
それだけにあれ??っと思っちゃった~。
ノスタルジックな雰囲気は良かっただけに
この違和感がどうにも残念に感じちゃいました~!!
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ヒロスエの演説中の、叫びでは、かけ声なのか憎しみなのか、
全然、効いてなかったですよね。
中谷美紀さんの、ホラーのような演技で、カバーできましたけど。
金沢へ向かうことが、戦後昭和へのタイムスリップみたいな世界で、
日本海の荒波の映像が、すごく良かったです。
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>そう、あんたの夢は、生きていればいくらだって叶う夢なんだよ。
そうなんですよね!まぁ、ストーリー上禎子のような役柄は必要なんでしょうが、佐知子の演説中に「マリー!」って・・!常識を疑いますよね。
原作には禎子が佐知子の頬を平手打ちするシーンなどありませんよね。
どうにもギクシャクとした話の展開に加え、映画館の空調がやたら暑かったせいもあって(笑)、ほとほと困ってしまいましたよ・・。
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広末さんの最大の武器はあの甘ったるい声と顔立ちですけど、それは
最大の弱点でもありますよね。どうしても作品に選ばれちゃいます。
使う方だってそんなの解りきってるはずなのですけど、歳が歳だけに今更
OLって訳にもいかず…。もって生まれたものだけにもう彼女はどうしようも
ないかも。
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「貴女は私の夢を奪った!」
というラストの禎子は、全くくるものがなかった。
ヒロスエ、だめだわ。とおもいましたよ。
宮崎あおいなら、また違ったかな。
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たしかに2時間ドラマでも良かったように思えました。
ただ、豪華な出演陣なので映画にした感じ?
そう思ってずーっと鑑賞してしまった・・・(苦笑)
とりあえず、広末さんが主人公なのでしょうが、
どう見ても中谷さんの演技の方が素晴らしく。
いやはや、こんな演技も出来るんだとかなり驚きました。