東京タワー オカンとボクと、時々、オトン
監督: 松岡錠司
キャスト: オダギリジョー、樹木希林、小林薫、松たか子、内田也哉子、冨浦智嗣、田中祥平、谷端奏人、渡辺美佐子、佐々木すみ江、寺島進、原知佐子、結城美栄子、猫背椿、伊藤歩、勝地涼、平山浩行、荒川良々、小島聖、吉本菜穂子、松田美由紀、田中哲司、板尾創路、岩松了、田口トモロヲ、小泉今日子、六角精児、宮崎あおい、仲村トオル、柄本明、塩見三省
公開: 2007年4月
第31回 日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞
原作は未読。
短期間に映像化されすぎ……。
2006年に単発2時間ドラマ、つい最近まで1クール連続ドラマだった。ドラマ見でもあるから、全部見てます。
2時間ドラマでも連続ドラマでも泣きまくったこの題材。ここに来て映画を観て、さすがにもうストーリーが分かり切ってしまっていて新鮮味はない。
それでも、泣いた。
だってこの話は男の子の母には、もう反則なの。
愛情の濃い薄いはあっても、面倒をよく見た見ないはあっても、母が子に抱く愛情。そして子が母に抱く愛情。
こんなに憧れる最後は無い。
大好きなシーンは、おかんの手を引いて横断歩道を歩く「ボク」。
子供の頃、引かれていた小さい手が、今は反対に母の手を引く。当たり前のように。
この映画は、全ての母のためのラブストーリーだ。
キャストは、ドラマよりも映画が一番好き。
キャラクター作りも映画が一番好き。
「ボク」のオダギリジョーの瞳が限りなく優しい。おかんに語りかける声が優しい。繊細な演技。
それにやっぱりビジュアル的にも、大泉洋より、もこみちよりオダジョが一番リリー・フランキーさんに合っている気がする。(異論は受けます……)
おかんも、樹木希林さんが一番良かった。
ドラマと映画の全3作品の中で、映画の親子が一番素朴に胸にシックリ来た。
おかんの若い時代を娘の内田也哉子さんが演じたのも違和感がなくて素晴らしい。
母に向けるボク・オダジョの視線。クズなオトンの憎めなさ、ミズエの可愛さ、そして何よりも、オカンのあの笑顔。
愛おしくて愛おしくて。
いつか、旅立つその時に。
最期までこんな笑顔で息子と接することができる人生を送りたいな。
もっとも、オカンのように、いつも笑っていて、美味しいものをいっぱい作って、息子の友達も分け隔てなく食べさせて……
そんな人生、送っていないから難しい(笑)
送ってきた人生が自分に返ってくる。
精いっぱい愛した人が愛される。
うらやましい。
そういう人の笑顔。
2018年9月15日。樹木希林さん他界。
掛替えのない日本の名女優。
ご冥福をお祈りします。(2018.09.16追記)
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