解夏
監督: 磯村一路
原作: さだまさし
出演: 大沢たかお、石田ゆり子、古田新太、松村達雄、富司純子、田辺誠一、林隆三、柄本明、石野真子、渡辺えり子、鴻上尚史
公開: 2004年1月
解夏(げげ)とは
禅宗の教えで、季節の変わり目の事。
僧の夏の修行が終わる時をいう。
突然、ベーチェット病という難病を宣告され、徐々に失明に向かう恐怖の中に突き落とされた隆之。
物語には大きな抑揚はない。
ただ、隆之の心情と隆之の人生を共に生きる覚悟を迫られる陽子と、隆之の母。
長崎の美しい風景。
それだけ。
ずっと泣いていました。
テーマがテーマなので救いようがなく、感動というよりは、ただ可哀想で可哀想で。
主人公は冷静に見えるが、その心は激しく渦巻いている。
当たり前だ。ある日、突然視力を失う、という恐怖を突きつけられるその気持ちは、健康な者には計り知れない。
緑濃い長崎の町の風景。
その風景さえ、次の季節にはすでに肌で感じる事しかできない自分。
風景が美しければ美しいほど、悲しく目に染みる。
解夏
それは隆之にとって、全てが見えなくなる日。
「見えなくなるという恐怖から解放される日」
だと和尚はいう。
その後に待っているのは穏やかな日だけだろうか。
苦しみは終わるのだろうか。
※この記事は当方が2000年から運営している某HPの日記コーナーから2009年にお引っ越ししてきた過去記事です。
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