硫黄島からの手紙
原題 : ~ LETTERS FROM IWO JIMA ~
作品情報
監督・キャスト
監督: クリント・イーストウッド
出演: 渡辺謙、二宮和也、伊原剛志、加瀬亮、中村獅童、渡辺広、松崎悠希、尾崎英二郎、裕木奈江、安東生馬、県敏哉、ケン・ケンセイ、アキラ・カネダ、ルーカス・エリオット、マーク・モーゼス、ロクサーヌ・ハート、サイモン・リー
受賞
第79回 アカデミー賞 音響編集賞受賞
日本公開日
公開: 2006年12月
レビュー
☆☆☆☆☆
劇場観賞: 2006年12月13日
先日見たドラマドラマ「硫黄島~戦場の郵便配達」と比べると映画の方は、ただ事実を見せている、といった感じでした。
淡々と、事実を見せる。
残酷で、悲痛に満ちた、死に向かう世界。
そこにお涙頂戴のドラマは存在しない。
あらすじ
2006年、硫黄島。地中から発見された数百通もの手紙。それは、61年前にこの島で戦った男たちが家族に宛てて書き残したものだった。届くことのなかった手紙に、彼らは何を託したのか--(硫黄島からの手紙(Amazonプライム)より引用)
爆撃シーンでは迫ってくる戦闘機に本当に襲撃されている気がしました。その迫力は夢に出てきそうなほど。
いや、実際はもっと凄かったはずです。
あれによって、何百人も何千人もが人形のようにやられていったのでしょう。
なのに、この島の兵士たちは、穴を掘っている。
オレ、墓穴を掘っているのかな。
西郷は思う。
無意味な労働。
くだらない規則と体罰。
そして、食料や水の不足と病魔が発生する悪環境。
日本本土を救う最後の礎。
そこは、そんな島だった。
硫黄島に赴任した栗林中将は、無意味な戦略を中止し、無駄な労働を止めさせ、連絡を取り合って、島の中で上手く兵士達を分配しつつ少しでも戦力を残していくシステムを考える。
自分の部隊が守れなかったら仲間と一緒にお国のために自決、
という古い考え方を一掃した前進的な考えを持った栗林。
しかし、そんな栗林のやり方に反感を覚える、古い考えの一派が多くの兵士を自決させてしまう。
手榴弾を胸に抱いて。。。
西郷のようにパン屋だったり。。。
あるいは洋品店の店主だったり、農家だったり。
そんな人たちが手榴弾を胸に抱いて無念の内に命を断っていく。
命って何なんだろう。
命とは、そんなに軽い物でいいのだろうか。
人は人に命を断てなどと命令する資格を持っているのだろうか。
それが出来てしまった、この時代が本当に恐い。
皆で靖国に帰る。
そんな事、誰もが望んでいた事では無かっただろうに。
硫黄島の発掘隊が、戦後、彼らの手紙が入った袋を掘り出す。
そこに書かれていた、この島で命を無くした人たちの言葉。
父に宛て、母に宛て、妻に宛て。。。
故郷へ帰りたかったであろう彼らの溢れるほどの想いがそこに綴られる。
見終わって、ただ呆然とするばかりでした。
こんな時代が再び来る日。。。私たちはそんな日を迎えてはならないのです。
映画館には人が溢れていました。
でも、観客のほとんどは高齢者でした。
こういう映画こそ、若い世代が見るべきなのにね。
そして、考えて欲しい。
自分たちの未来を守る事を。
この映画を撮ったのが、クリント・イーストウッドである事が 嬉しくもあり、意外でもありました。
私には、とても日本的な映画であるように思います。
この映画を観たアメリカの人たちは、どう考えるのか。
聞いてみたい気がします。
【関連記事】
・硫黄島~戦場の郵便配達 感想
・硫黄島からの手紙 公式サイト
・硫黄島の戦い – Wikipedia
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comment
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遅レスですいません(__)
>是非「父親たちの星条旗」の方もご覧になる事をお勧めします。
>両方観て初めて浮かび上がる物のある二部作です。
そうですか~(>_<)つくづく見なかった事を後悔してます。
こちらでは、もう公開は終わってしまっているので、
DVDですね。。。待ち遠しいです。
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遅レスですいません(>_<)
おまけにトラバもすいません。
飛ばないのは、楽天のせいだと思います(+_+)
そうですね。アメリカ人にもたくさん見て貰いたいです。
世界の若い世代に考えて貰いたい問題ですよね。
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今年もお誘いありがとうございます(__)
投票させていただきました。
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>「天皇陛下万歳!」と自決していく様を描けたのはアメリカ映画ならではだと思います。今までの日本映画で描けなかったのは「天皇の戦争責任」に及ぶことを恐れたためでは?
そうかも知れませんね!そう言えば、日本人が作る
ドラマや映画では、なかなか出てこないセリフです。
日本人もアメリカ人も全員見て欲しい作品でしたね。
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遅レスでごめんね(>_<)
>アメリカは今立ち止まって考える時期だと思う。
>その警笛を鳴らしての作品のようにも感じるね。
そういう意味があるならば、多くのアメリカ人に
見て欲しいよね。ぜひ受賞して欲しいよ。
どう感じるのか、聞いてみたいよね。
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>戦闘シーンは、「父親たちの星条旗」の方がすごかったように思います。こっちを先に見たからかなあ。
そうですか(◎-◎)
何か見に行かなかったんですよね~。。。
どうせ外国人が作った映画だから自国を美化しているに
違いないと思いこんでいました。
浅はかだったです。
ウチの方では、もう公開は終わってしまいました(; ;)
>
>日本でつくるとどんな作りになるのか、想像つきませんが。
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遅レスですいません(__)
>当時の誰しも、戦争が好きな人はいなく、みんな本音をいえばイヤだったと思うのですが、やはり大切なものを守るために、自分を奮い立たせていたのでしょうね。
それと洗脳ですよね。。。
あの皆で部隊と共に自決するシーンなんて、
自分でやらなかったらどうせ殺される。。。みたいな
差し迫った物を感じました。
悲しいシーンでした。
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遅レスですいません(>_<)
私も全然知らなかったです。
こういう映画は映画館に行かなくても子供が見れるように
して勉強させて欲しいですね。
受賞するとしたら、二部作としてかしら。。。
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遅レスすいません(>_<)
戦争映画やドラマは考えさせられる物が多いですが、
この映画にはお涙頂戴が無かった事で、余計に身につまされました。
戦争は二度と起きて欲しくないですね。
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TBどうもです。
私は日米両国でこの映画を観ましたが、二部作を両方観ると、どこの国の人にも同じメッセージが感じ取れる構造になっています。
是非「父親たちの星条旗」の方もご覧になる事をお勧めします。
両方観て初めて浮かび上がる物のある二部作です。
http://noraneko22.blog29.fc2.com/blog-entry-117.html
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こんにちは♪
こちらからのTBが不調ですみません。
アメリカでもたくさんの人に見てもらいたい作品ですよね。
そしてどう思ったか感想が聞きたいです。
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突然で申しわけありません。現在2006年の映画ベストテンを選ぶ企画「日本インターネット映画大賞」を開催中です。投票に御参加いただくようよろしくお願いいたします。なお、日本インターネット映画大賞のURLは http://www.mirai.ne.jp/~abc/movieawards/kontents/index.html です。
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「天皇陛下万歳!」と自決していく様を描けたのはアメリカ映画ならではだと思います。今までの日本映画で描けなかったのは「天皇の戦争責任」に及ぶことを恐れたためでは?
教育基本法が愛国心を謳い、防衛省の設置など日本がおかしな方向に進もうとしている今、若い人を含めて全国民が見るべき映画だと思いました。
トラックバックさせていただきますね。
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アメリカは今立ち止まって考える時期だと思う。
その警笛を鳴らしての作品のようにも感じるね。
力に任せて、正義の名の下に戦っても、本当の正義なんてわからないよね。
言って分らないからやるんだ。
それではエンドレスにずーーーーッと続くよね。
負けたことのないものには負けたものの気持ちが分らない。
日本は負けたからこそ、いろんな事が見えた。
アメリカの人はどのように感じるのか、私も聞いて見たいな。
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コメント、TBありがとうございました。
私もこの映画で、硫黄島や栗林中将をしったので、その意味では意義のある映画でした。
戦闘シーンは、「父親たちの星条旗」の方がすごかったように思います。こっちを先に見たからかなあ。
日本でつくるとどんな作りになるのか、想像つきませんが。
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くうさん
おはようございます。
私も冒頭の慰霊碑、最後の手紙のシーンは無意識のうちに合掌しながら見ていました。
戦争の愚かさをあらためて知るとともに
平和の大切さ、ありがたみを感じますよね。
当時の誰しも、戦争が好きな人はいなく、みんな本音をいえばイヤだったと思うのですが、やはり大切なものを守るために、自分を奮い立たせていたのでしょうね。
尊い犠牲のうえに、今の豊かな日本があるということを忘れてはいけませんよね。
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おはようございます。
コメントありがとうございました。
こういう映画って貴重ですよね。
この作品がなかったら、私は硫黄島の戦いを知らないままだったことでしょう。
興収も絶好調みたいですよ。
あとこれで賞が取れれば、言うことありませんね。
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おはようございます。
コメント&TB、ありがとうございました。
この映画、いろいろと考えさせられる作品ですね・・・。
戦争っていかに、理不尽な死が待っているのか。
お国のために・・・というのは、建て前で、
本当はやはり家族のために・・・というのだったのだと思います。
イーストウッドらしい、反戦映画だったと思います。
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結構、リアルに残酷なシーンも多いです。
お子さんには刺激的すぎるかも(>_<)
見に行ったのは何週間も前だったんですが、
書けず。。。
今日も、すっごく時間かかっちゃいました。
おかげで、今日見た「大奥」が書けませんでした(-_-;)
こういう映画は、ぜひ若い方たちに観て頂いて
考えて欲しいですね。
あと、戦争の事、すっかり忘れちゃってそうな政治家の方々にも。
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この映画を観てこられたのですね。
私は娘が今ちょっとこういう映画が観られないので映画館へは行っていませんが、自分はどうしても観たいと思っています。
若い人たちにこそ観てほしい。
私も本当にそう思います。
戦争は絶対にいけない。
しっかりと子どもたちに伝えなければいけませんね。私が言うのもなんですが(笑)、日記に書いてくださってありがとうございました☆