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【象の背中】この象は群れから離れない

象の背中

   

監督: 井坂聡
出演:  役所広司、今井美樹、塩谷瞬、南沢奈央、井川遥
公開: 2007年10月

日本映画専門チャンネルにて視聴

たぶん。。。
この映画に共感したり、滂沱の涙を流したりするのは圧倒的に男性の方が多いと思う。。。

いや、勿論、私も所々でウルっとしましたよ。
人が亡くなる話だから、ウルっとも来ないような作りだとしたら、もう作品の作り自体が問題である。

でも、とにかく、ちょっとヒドイ。

作品全般に渡って、
男の身勝手な願望
が溢れかえってる~

美しく優しく何も文句言わない妻。
よく出来た親思いの子供たち。
理解ある同僚。
理想的な家と最期を過ごす場所。
。。。そして、美しい愛人。。。

まさに男のロマンとファンタジー。

こんな素敵な最期を迎えられる人がさ~。。。世の中にいっぱいいると良いよね。

「愛の流刑地」みたいな臭いがプンプンするよ~。

この映画で賞賛できる事と言ったら、恐いほど真に迫った役所広司さんの演技だけだな。。。

劇場に行かなくて良かった。
と、思いました。

ちょっと泣いたり、「はぁぁ怒2.gif」と思ったり
しながら、お家のテレビで見るのが丁度良いんじゃないかと。

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 

    


タイトルの「象」は、劇中で出てくる末期胃癌の人が言った
「象は死ぬ時、群れから離れて1人で死ぬ」
という話から来ているんだと思う。

しかし、この主人公は群れから離れない。
どころか、昔の友人や、果ては初恋の人まで訪ね歩き、お別れを言い、愛人の元にもしっかり通って家族に見守られながら死ぬ。

では、何で、このタイトルなんだろう。。。

もしかしたら、あの胃癌の人の事だけを示したタイトルなの

ええ~っ。。。だって1シーンしか出てこない人だよ

でも、あの人だったら、確かに象だけどね。。。

とにかく、主人公の身勝手が自然に許される設定である。
妻は見舞いに来た愛人に
「主人が色々とお世話になりました」
とまで言っちゃうんである。

しかも、妻・今井美樹が愛人・井川遙に、である。
すごいよね。
素敵だよね。
美女に囲まれて責められることもなく、殿様みたいだよね。
私が男だったら、こんな最期を迎えたいよ。

それにも増して羨ましく思ったのが、あの素敵な海辺のホスピスですよ。
一体、いくらくらいかかるんだろ~~

私がガンになっても、間違いなくあそこには入れて貰えなさそうだ。

ダンナが癌になったら、まず生活の事で頭がいっぱいになるだろうな。。。
子供達には進学はあきらめてもらって。。。
私もガツガツはたらかなきゃ。。。

とか、映画をウルウルと見ながら、現実的な事ばかり考えてた。

まるで雲の上の物語のような映画

ま、こんな映画で世の中の男性が、幸せな最期の夢を見れるんだったら、いいのかなぁ。。。

大人の男のディズニー映画だと思えばいいのか。

井川遥は、すぐに新しい彼氏ができるから、骨は要らないと思うぞ。
重いよ。。

 

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奈可久う子(くう)

◆ドラマ・映画 エンタメ系ライター&ブロガー。◆ハウツーサイトやリクルート・キュレーションサイトなどで映画紹介のライターしておりました。(お仕事はいつでも有り難くお受けします)

◆映画の評点はあくまでも私感です。(平均が2.5で1と5は滅多に付けていません)

◆戦争とホロコーストテーマの作品観賞がライフワーク。

◆レビューは上半部はネタバレなし感想、下部は観了した方と感想を共有できるように書いています。(古い記事は簡単感想です。時間のある時にリライトしています)

◆姉妹ブログ「ドラマ@見とり八段」

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