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『マローボーン家の掟』この線を超えたら…

マローボーン家の掟

原題 : ~ Marrowbone ~

『マローボーン家の掟』感想

作品情報

監督・キャスト

監督: セルヒオ・G・サンチェス
キャスト: ジョージ・マッケイ、ミア・ゴス、チャーリー・ヒートン、マシュー・スタッグ、アニャ・テイラー-ジョイ、ニコール・ハリソン、カイル・ソラー、トム・フィッシャー、ポール・ジェッソン、ロバート・ネアーン

日本公開日

公開: 2019年04月12日

レビュー

☆☆☆☆

劇場観賞: 2019年4月15日

 

『永遠の子どもたち』のフアン・アントニオ・バヨナが制作総指揮を執り、脚本のセルヒオ・G・サンチェスが監督をした、もう、「ああ……」という作品である。

バヨナ世界では子どもたちはいつも大人の犠牲か。

あらすじ

海沿いの森の中にひっそりとたたずむ大きな屋敷。そこに暮らすマロ―ボーン家の4人兄妹は、不思議な”5つの掟”に従いながら、世間の目を逃れるように生きていた。忌まわしい過去を振り切り、この屋敷で再出発を図る彼らだったが、心優しい母親が病死し……(Filmarksより引用)

謎多き物語

子どもたちが可愛くて。特に末っ子のサムが可愛くて。可愛いからこそ不吉な予感でいっぱいになる。

「何か」に追われている子どもたち。凶悪なハンターはどうも父親らしい。しかし父親が世間に何をやったのかは長く語られない。非常に無口な物語。

そして、「何か」は家の中にも常にあるのだった。

内と外

常に何かに怯えている描写の家の中。そして、弁護士に会ったり恋をしたり買い物に行ったりしている家の外。

内と外は全く違う。時代まで違うかのように見える。

謎解きしながら観たい方は、隅々までよく見ておくと良いと思う。

 
個人的には、何も考えずに物語の進行を見守るのが一番楽しい観方だと思うけれど。

結末ネタバレは読まない方がいい

ホラーっぽい予告をされているけれども、ホラーよりも切なファンタジー。

恐い物を期待して行くなら止めた方がいいかも。

 
「この手」が好きな方は察するのが早いかも知れないけれども、ネタバレは見ないで行った方がいいです。

そういう意味では、あのホラーっぽい予告はよく出来ているのかも……。

 


以下ネタバレ感想

 

銃弾で窓に穴を開けられた時から、ポーーンと時間が経過したことに関して、ちょっとした違和感はあった。

兄弟は実はすでに居ない……とは、弁護士が乗り込んで来るまで気づかなかった。あの飛んでしまった時間軸から、ジャックは4人になったんだね。まさに「線を超えてしまった」。

 
屋根裏の3人の遺体が、もう可哀想で。可哀想で。

 
屋根裏に行きたくなかったのは、父を閉じ込めたからではなくて、兄弟がもう居ないという現実を拒否していたから。

鏡にカバーを掛けていたのは、独りぼっちの現実を映してはいけなかったから。

家から出て行ってはならないのは、出ることができなかったから……。

 
あの時、屋根裏でアリーを襲ったのは、父が本当に生きていたわけではなくて、あれもジャックなのだと思っているのだけれど、そこはどうなのだろう。

 
そして、ラスト、精神科で受診しているアリーもジャックだと私は思っているのだけれど。

 
ジャックは、2人になる。

兄弟の死は認めた。

でも、独りぼっちは寂しいから。

「最近、ジャックは分裂しない」

この話も、「永遠のこどもたち」だ。

『永遠のこどもたち』見えないものを信じなさい
「映画@見取り八段」では「『永遠のこどもたち』見えないものを信じなさい」のレビュー・批評・あらすじ・キャストなどの情報をお届けしています。劇場上映中作品のネタバレ感想は別枠で表記。

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