十二人の死にたい子どもたち
作品情報
監督・キャスト
監督: 堤幸彦
キャスト: 杉咲花、新田真剣佑、北村匠海、高杉真宙、黒島結菜、橋本環奈、吉川愛、萩原利久、渕野右登、坂東龍汰、古川琴音、竹内愛紗
日本公開日
公開: 2019年01月25日日
レビュー
☆☆☆
劇場観賞: 2019年1月30日
「思ってたのと違ってた」という感想をあちこちで目にしたのだけど、確かに思ってたのと違う(笑)
若手の素晴らしいキャスト群が全てを救った1本。
ホラーではないので、ホラーが苦手で見られないと思ってる方は安心して観に行くといいと思います。
あらすじ
ミッション:集団安楽死 場所:廃病院 参加者:12人の未成年 謎:13人目の死体 死にたいけど、殺されるのはイヤ。 その日、12人の未成年たちが、安楽死を求め廃病院の密室に集まった。「みんなで死ねば、怖くないから」ところが、彼らはそこで13人目の…(Filmarksより引用)
まずキャスト解説
キャストの顔を白く塗りつぶした宣伝から、キャスト発表まで間があった本作。どんな「こども」が出て来るのかと思ったら、ぇーー……そもそもキャストに未成年が居ないんじゃないの!?とツッコんだのは私だけではないはずだ……。
でも、「こども」的には、これで良かったの。それは観れば分る。
とにかく。話の中身はともかく、若手で、会話劇で、となったら、このメンバーで見られて良かったんじゃないかと。少なくとも当方はキャスト目当てで行きましたもん。
ということで、素晴らしき12人の中の人紹介。
1. 高杉真宙(サトシ)
特撮班的には「ガイム」のブドウだったり、ドラマ班的には「モンテ・クリスト伯」の騙されそうな青年だったり、大河班的には小兎丸だったり、とにかくキャリアのある若手美人の1人。こういう位置は安定感ある。22歳。
2. 渕野右登(ケンイチ)
すいません。存じ上げなかったのですがスターダストの人だった。出演作はまだ少ないようだけれども、ケンイチは可愛かったので今後に期待。23歳。
3. 古川琴音(ミツエ)
こちらも存じ上げず申し訳ありません。ゴスロリが似合っていたけれども普段はこんな感じではないのね。今後に注目します。岸井ゆきのさんに似ているなぁと思ったら事務所も一緒だった。22歳。
4. 橋本環奈(リョウコ)
説明不要の「天使すぎる」美少女。劇中でも「びっくりするほどカワイイ」と言われていた。なのに変顔もするから凄いよね(笑)19歳。未成年。
5. 新田真剣佑(シンジロウ)
こちらも説明不要だと思われる、今やもう見ない日は無いほどの若手俳優の1人。美しいけれどもクズから猟奇的なアホからカワイイボケまでこなすからホントに凄い。自分の中ではいつまでもいつまでも『ちはやふる』の新。22歳。
6. 黒島結菜(メイコ)
説明の必要なし……だと思ったけれども、よくドラマを見る友達が名前だけではピンと来なかったようなので、まだ顔と一致しない感じなのかな……。出演作は多いけれども、NHKをあまり見ない層には浸透しないのかも知れない(恐らくNHKの出演作が多い)。『アシガール』の唯之助が可愛い。21歳。
7. 杉咲花(アンリ)
もう説明する必要がないほど芸能界も長いし上手いし近年はますますのご活躍っぷり。映画的には『湯を沸かすほどの熱い愛』辺りが代表作になるのだろうか。誰にでも分る説明といえば、味の素の「麻婆茄子」だよね。21歳。
ドラマ班的には「唐揚げ」で通じる……。
8. 萩原利久(タカヒロ)
ごめんなさい。ピンと来なかったのですが、子役からご活躍で、いっぱい出演作があった(しかも見ている作品がいっぱいあった。これから注目します…)。『ちはやふる』にも『3月のライオン』にも出演。2019年現行ドラマ『3年A組』にも出演中だ。19歳。未成年。
9. 北村匠海(ノブオ)
今や主役から脇役から可愛い役からクセモノまでこなす日本の貴重な若手俳優の1人。映画出演としては『君の膵臓をたべたい』が記憶に新しい主演作かも。私は『鈴木先生』の出水くんが懐かしいよ。21歳。
10. 坂東龍汰(セイゴ)
存じ上げませんでしたが、なかなかのイケメンっぷりで不良役も合っていた。普段はあんな感じではないのね~。今後の活躍に注目。22歳。
11. 吉川愛(マイ)
天才子役・吉田里琴ちゃんの改名後。子役の頃から美人、育っても美人。芝居も安定。今回はメイクが凄くて、初めは気づかなかった(笑)
出演作品は多すぎて紹介しきれないけれども、『山田太郎ものがたり』の五子とか、『メイちゃんの執事』のみるくちゃん。
もう19歳になったんだねぇ……未成年。
12. 竹内愛紗(ユキ)
すいません。ピンと来なかったけれども、フジテレビ系ドラマ『明日の約束』で、仲間由紀恵の娘の役をやっていた人だった。出演作品はまだ少ないみたいだけれども、今後が楽しみ。17歳。未成年。
ホラーではないがミステリー性も薄い
もっとバンバン行くやつ(なにが)だと思っていたけれども、ものすごくグズクズしているのだった。ここがネタバレになるのかどうかは分らないけれども、予告でも言っているので書いてもいいのよね……要するに死にたい12人の未成年が集まるわけなのだが、そこになぜか「13人いる!」というのが物語の発端。
その後、ずっと、あれは誰だ、誰が連れてきたんだ、どうしよう、どうしよう、で終わらない学級会のように話は続く……舞台は廃病院の中だけなので、上へ下へと行ったり来たりはするけれども、あまり動かない。正直、寝そうだった前半。
もっとも、原作を知らないので、骨組みが原作通りだとしたら、映像力だけでよくここまでハラハラさせてくれたってことになるのかも?全体の雰囲気は好きなのだけどツッコみ所が多すぎて。
若手役者さんたちの競演
とにかく、役者さん、杉咲花ちゃん、マッケン、匠海くん、真宙くんたちが、寝そうな会話劇をまだ聞けるようにしてくれていたのは確か。キャスティングを間違えたら前半で寝落ちていた気がする。みんな、本当に素晴らしい!!
後半は見応えあり
少し物語が動いた後半(いや、後ろ1/3くらいかも…)は面白かった。結末については賛否両論なのではないでしょうか。(個人的には、そんなことよりも気になる事があって笑顔で見れなかったけれど)
こんな年齢のキャストでも「子どもたち」なのは納得。
そして、堤監督が描く虚無感溢れる空の映像は好きです。
以下ネタバレ感想
全員が思いとどまって生き続ける道を選んだラストはイイのかも知れないけれども……。
それって、ゼロ番を生かしたいという共通の思いからそうなったんですよね。だったら、まず救急車呼ばな、あんたら殺人犯になってまう~~……。(笑顔で別れてる場合じゃない)
そして、セイゴはノブオの自首に付き添って、警察に保護を求めた方がいい。自殺できなくて一番困るのはセイゴなんじゃないの?殺されちゃうんでしょ?おばちゃん、心配で仕方ない。
そもそもなぜ集まって死ぬのだろうか。そんなに「困る」ならそれぞれ単独で死ねばいいじゃん、と思うわけだが、
「恐らくそれは「安楽死」がキーワードで、ここで死ねないと安楽死できないからなのだろう。一体どんな楽な死に方なんだろうか……。」
と思ったら、まさかの練炭!!
待って、キミたち……一酸化中毒死って、ちっとも楽じゃないらしいで。病院だし、もっと楽な方法があるから集まったんだと思ってた。
「死にたい」理由がほとんど親のせいというのは辛い現実。特にセイゴとアンリとタカヒロには同情する。だから何歳だろうが、未成年でなかろうが、彼らは「死にたい子ども」。
しかし「死にたい理由」は人それぞれで、「大人に思い知らせたい」アンリに同意する人数は少なかった(同意も取らずに勝手に遺書を作るのは止めよう)。
結局、人間は「善」が勝つ、という筋立てとしては良い話だったと思う。
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