愛唄 ー約束のナクヒトー
作品情報
監督・キャスト
監督: 川村泰祐
キャスト: 横浜流星、清原果耶、飯島寛騎、成海璃子、中村ゆり、西銘駿、奥野瑛太、野間口徹、中山美穂、財前直見、富田靖子、二階堂智
日本公開日
公開: 2019年1月25日
レビュー
☆☆☆
劇場観賞: 2018年10月4日(試写会)
恐らく、この作品は観る年齢で受け取る感覚が違うと思われる。
つまり、この映画の世界観に居る世代か。
親世代か。
つまり、私もそうなのですが……。
手繰り寄せる記憶と感性。そして、結論に至る。そうだね、自分の人生だね。
◆あらすじ
その唄は、僕らの運命から溢れ出たーー
「私の手、握ってくれてありがとう」まっすぐに“今”を駆け抜ける、恋の青春物語。恋する勇気を持てないまま大人になってしまったトオルに起きた、二つの出会い。元バンドマンの旧友・龍也との再会、そして運命を変える詩との偶然の出会いにより、恋というものに生涯をかけて全力で駆けることになる。今まで手をつなぐことさえしてこなかったが、龍也の声に恋する勇気をもらい…(Filmarksより引用)
GReeeeNの映画プロジェクト第二弾「愛唄」
実はスニークプレビュー形式の試写で観たので、誰が出るのか誰が制作しているのかどんな話なのか、まるで分らない状態だった。
GReeeeNの「愛唄」がテーマだったのか、というのは「あのシーン」までは分らず、GReeeeNが音楽を担当していることはEDで知った。
『キセキ』に続くGReeeeNの映画プロジェクト第二弾であることは帰宅してから検索して知った(笑)
人間の先入観って恐ろしい。
だって、観ている間、全く「GReeeeN 感」、感じなかったもの。EDでGReeeeNが音楽をやっていると知るまでは、「何だ。どうせ「愛唄」がテーマならば、もっとGReeeeNの音楽溢れる作品にすれば良かったのに。」とまで思っていたくらい!(爆)
「GReeeeN 感」は、ない
第一弾?『キセキ -あの日のソビト-』は、「キセキ」の誕生秘話でありGReeeeN自体の誕生秘話であった。
ドキュメントではないがGReeeeN自身の話なので当然GReeeeNの楽曲に溢れ、家族と青春の物語に共感したり感動したりさせられた。
それに引き換え、今回は楽曲のイメージに沿った完全なオリジナルストーリーだ。
観て、帰宅して、改めて歌詞を見て、ああ、こういう方向にイメージしたのかぁって……。ちょっと少女漫画っぽい。
久しぶりにPVを見て思うに、やはりこの歌は純粋な「愛の唄」であって「命の唄」とは思えないな……。
横浜流星くんと清原果耶さん
横浜流星くんの演技は、それこそ『キセキ』でしかきちんと見た事がなくて。(そういえばトッキュウ4号だった。あまり見ていなかったので、すいません)。透明感溢れる人だなぁ、と思った。この役にピッタリだった。
清原果耶さんは試写会の段階で毎週泣きながら見ていた連続ドラマ『透明なゆりかご』が終わったばかりだったので、特別に、本当に特別に感慨深く見た。なんて上手い。なんて情熱的な眼差しを持つ女優さんなのだろう。
そんな彼女でも、きっとこの役はものすごく難しかったと思うのだ。
最期のあのシーンはねぇ……現実的に考えたらなかなか無理なので……。
若者世代に立ち返って考えた
正直、ストーリーは親の立場から見ると感動しかねた。
何て、勝手な……。と思うのである。けれども、子どもたちのその気持ちは劇中できちんと語られている。
そうね。
もしも、私がまだ10代で、そしてこんな事になって、そうしたら……。
こうするかも知れない。
自分の命は自分のもの。
EDは『愛唄』で良かった気が……
せっかく『愛唄』に浸ったので、EDは『愛唄』で締めていただきたかった気もするが、それは贅沢というものなのでしょう。
私は本当にGReeeeNの歌が大好きで『愛唄』も大好きなので、歌を作ったご本人たちがこんな解釈だというのはちょっと新鮮だった。
以下ネタバレ感想
親の事を何も考えない主人公。
でも、それは当たり前。
死の瞬間までその人の命はその人のもの。
(と、割り切るのに時間がかかる)
でも、その嘆きは分ってほしい……。分かってくれないか。
「猫みたいにひっそり迷惑かけずに死ぬ」には殴りたくなったわ。女手一つで育てたお母さん。可哀想すぎる。
凪は小児白血病からここに至ったという話だったので、実はドナー待ちだったのではないのか。だとしたら、自分の人生の終わりに付き合わせているようで主人公の行動にはちょっと納得行かないし、両親が怒り狂う気持ちも理解できる。個人的には二階堂智パパの気持ちに一番同調した。
ウチには娘はいないのだが、人の家の娘に何しとんねん!ってやつだよ……。
最終的には、どちらも失くなる命だと考えたら、心中的な最後でも仕方ないのかなぁ。
「好きな人と生きたい」が出来ないのならば「好きな人と死にたい」になるのは仕方ない。そう理解した。苦々しくも。
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★前田有一の超映画批評★
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