スマホを落としただけなのに
作品情報
監督・キャスト
監督: 中田秀夫
キャスト: 北川景子、千葉雄大、バカリズム、要潤、高橋メアリージュン、酒井健太、原田泰造、成田凌、田中圭、筧美和子、桜井ユキ、北村匠海
日本公開日
公開: 2018年11月2日
レビュー
☆☆☆
劇場観賞: 2018年11月7日
その「お宝箱」。今、全国の はるたんファンが必死で探してるヤツや。
◆あらすじ
彼氏に電話をかけた麻美(北川景子)は、スマホから聞こえてくる聞き覚えのない男の声に言葉を失ってしまった。
たまたま落ちていたスマホを拾ったという男から、彼氏のスマホが無事に戻ってきて安堵した麻美だったが、その日を境に奇妙な出来事が起こるようになる。
身に覚えのないクレジットカードの請求。
SNSで繋がっているだけの親しくない友達からのしつこい連絡。
彼氏のスマホから麻美の個人情報が流出したのか?
そして時を同じくして、人里離れた山の中で次々と若い女性の遺体が見つかり、連続殺人事件として捜査が始まる。身元不明のその遺体は、どれも長い黒髪を切り取られていた……。
スマホを拾ったのは、いったい誰だったのか。連続殺人事件の真犯人は誰なのか。平穏な日常が、音を立てて崩れていく。
ただ、スマホを落としただけなのに……。(Filmarksより引用)
原作は志駕晃の同名小説『スマホを落としただけなのに』。『このミステリーがすごい!』大賞最終選考ノミネート作品。
ネットセキュリティ問題への啓発
「スマホを落とす」うんぬん以前に、パスワード、もっとヒネってねーー!!皆さんっ!!
今時、こんな簡単なパスワードにしてる人いるのかよっ……と思いつつも、現在、スマホとは老若男女が使う物。
ウチの身内には最近、買い換えたばかりのスマホにワケの分らないアプリをどんどん入れて変な広告が常時表示されるという問題に直面した人間がいるので、他人事じゃなく、引っ張って来てこの映画を見せたい!と思った、心から。
そんな前半1/3……確かにこの映画は宣伝文句通り「これは貴方の物語」だった。そこまでは。
「あなたの物語」から遠ざかっていく
そんな、「スマホ落としたら(こんなパスワードにしてたら)アルアル」から、物語は次第にナイナイの方向に向かっていく。
まぁ、予告が大体語ってしまっているため、こんな事になるんだろうなぁとは思っていたけれども、ヒロインに関するアレコレは予告からは想像つかない所。(でも、見ている内には案外早い段階で気づいてしまったけれども)
キャストはほぼ意外性なし
キャストの皆さんはほぼ、他の作品でもやっているような役が充てられている感覚。いつものお仕事をいつも通り、安定の演技で見せてくれる。
「宝箱」に詰まった北川さんと田中圭くんは、誰でも目の色変えるよね(笑)
犯人関連の方々は意外な演技(笑)
候補としては「あの人」か「あの人」しかいないと言えばいないわけだけれど、予告の段階ではそこまで分からなかったところ。
「あの人」に関しては最後までちょっと意味が分からなかったです……。「ええーーこんな演技する人じゃないよねぇ」と思っていたので、そこも含めてミスリードだったのかなあと。
伝えたい事は伝わった
クライマックスは「ナイナイ」を通り越して拍子抜けな感じだった(個人的には)(爆)
けれども、ネットセキュリティよりも、この物語が伝えたかったのだろう本当のテーマは伝わった。
つまり、セキュリティですよね。
ネットだろうが、リアルだろうが。
身を守るのは人間関係。「絆」。
以下ネタバレ感想
いや、風俗聞きこみ辺りから千葉ちゃんが犯人なのかと思ってしまった。明らかに成田凌でしょうという話なんだけれども……。
で、どうも犯人じゃなさそうだと思ってからは、じゃあ、サイコキネシスか何かで犯人の心象が見えてしまう人で、少年時代の映像は犯人の心が投影されているのか、とか……勝手に深読みしていた(笑)
たまたま親から同じ目に遭っていて、たまたま同じことを言われていた2人だったって……ええーー…………。
もしかしたら加賀谷が真犯人で、浦野を操ってやらせているから、消すために1人で先に来たのかと思ったけれども、それもただの深読みだった(爆)えっ、じゃあ、どうして1人だけ先に現れたの?泰造はどうして一緒じゃないの?確保するの大変だから、まずメリーゴーランドを止めればいいのにとか……いっぱいツッコんだ。
刑事の行動もツッコみ所だけれども、浦野もね。今までの女の子たちは部屋ですぐに刺し殺していたのに、ヒロインだけ猶予を与えるの、時代劇みたい(笑)
身の上話させる間が長くて、もう猶予与えすぎ。
そして、その身の上話、こんな場面でする所?富田くん、ビックリしすぎて足の痛さも忘れちゃってたじゃん(笑)
……と、いっぱいツッコんだあげくのラストには、もっとツッコんだ。
富田くん、その決断、本当にいいのか……それで。
「そんなにお人好しじゃない」と言っていたけれども、十分にお人好しだと思った。
リアルな「人間関係」が無いとスキを突かれて犯罪に巻き込まれる。そこは、本当に恐い話。
現実世界では、ネット以上に「繋がり」その物がセキュリティなのだと、深く寂しく感じ入る。
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★前田有一の超映画批評★
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