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『ホワイト・オランダー』狂おしいほどの束縛愛

ホワイト・オランダー
~WHITE OLEANDER~

       

監督: ピーター・コズミンスキー   
出演: ミシェル・ファイファー、アリソン・ローマン、レニー・ゼルウィガー、ロビン・ライト・ペン、ビリー・コノリー、スヴェトラーナ・エフレモヴァ、パトリック・フュジット、ノア・ワイリー

公開: 2003年2月

美しく素敵だったはずの母はオリの中で・・・それでも縛られている娘というのが凄い。

屈折した愛情は狂気に近い。何だか、ずっと寂しい映画だった。

レニー・ゼルウィガーは、「ブリジット・ジョーンズ」と全然違う印象。アリソン・ローマンが逆境の中で変化していく少女を好演していた。

※この記事は当方が2000年から運営している某HPの日記コーナーから2009年にお引っ越ししてきた メモ程度の過去記事です。

2009年9月21日 CS にて再視聴したので追記。

追記というよりも書き直しですね。劇場観賞後の感想があまりにも雑で簡単すぎなので。。。

親にとって、子供とは何なのか。
子供にとって親とは何なのか。

気高くて美しい母は、神のような存在で。。。自分の宗教も持たず、自分だけを信じて、それを娘にも押しつけ続けた。母が刑務所の中にいて、離れて暮らしていてさえも、 アストリッドは母に縛られ続ける。

母と離れて、不安そうな表情のアストリッドが、髪を自分で 切った時から徐々に自分の意志を持つ表情に 変化していくのが印象的。

面会の時に娘が着ている服ひとつにも目を光らせる母。
娘が着ている服やアクセサリーの背景には、里親の影が見えるから。

愛すべき善良な人を里親に持った時から、 そして、その人を母に言葉で殺された時から、 母はアストリッドの敵になる。

しかし、本当はいつも強く誇らしげに生きている母にも 絶望と孤独はあった。それを支えて来たのは自分であり、孤独になりたくないが ために束縛されてきたのだ、と知ることになる。

親であろうと、大人であろうと、人間はエゴの固まりだ。

解放されて

やっと、それでも母を愛している事を知るアストリッド。

親と子。人間同士の繋がり、そして女と男。

付き合いはうっとおしい。

と私も時々思うことがある。みんな自分の思い通りになれば、 どんなに面倒くさくない事か。

でも、人は支配できない。
例え自分の子供であっても。

ホワイト・オランダー。
美しく華やかさの中に気高い表情を持ち、 強い毒のある夾竹桃の花。

この花に象徴される母の影が、作中に 度々登場する。

ラストの静かで落ち着いた環境の中で 母を思うアストリッド。

強い花の香りのような後味が残る印象的な映画。

しかし、作中のほとんどの女が、男に翻弄されているのを見ると。。。やっぱり女の人生は男次第なのかなぁ。。。と、ちょっと虚しく思えてくる。

子供よりも、仕事よりも、神よりも。


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・象のロケット
★前田有一の超映画批評★

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