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『ホテル・ルワンダ』電話を通して相手の手を握る

ホテル・ルワンダ
~HOTEL RWANDA~

  

監督: テリー・ジョージ   
出演: ドン・チードル、ソフィー・オコネドー、ホアキン・フェニックス、ニック・ノルティ、ジャン・レノ、ファナ・モコエナ、カーラ・セイモア、ハキーム・ケイ=カジーム、トニー・キゴロギ、デズモンド・デュベ、デイヴィッド・オハラ

公開: 2006年1月14日

2008年10月21日。 ムービープラスにて視聴。

1994年アフリカ・ルワンダで起きたルワンダ紛争

フツ族の過激派軍がツチ族を120万人以上虐殺した中で、支配人として働くホテルに1200人以上匿ったポール・ルセサバギナを主人公に描いた実話を元にした作品。

公開当時、通っているシネコンでは上映回数が少なく、それ以上に私自身がこの紛争に無知で興味を持たなかったため観ずに終わった映画だった。

何で、もっと早くこの映画を知ろうとしなかったんだろう。こんなに恐い事が自分が生きている時代に、遠い国で本当に起きていたなんて。

道路に普通にゴロゴロ転がされているツチ族の死体の山。

「ツチを殺せ!」と叫ぶラジオ放送。

子供も年寄りも関係なく、ツチ族だというだけで引きずり回される人々。

背筋が寒くなる光景。
「可哀想で涙が出ます」なんて陳腐な言葉では表せない。

ツチ族もフツ族も、元は同じ民族らしい。彼らの顔立ちに大差はない。日本人である私たちから見れば、同じ顔にしか見えない。

なのに何故?

紛争が起きる前、彼らは隣人同志、普通に仲良く暮らし、ホテルのロビーでも楽しく語り合う同じ国の仲間だったはず。

なのにフツ族は次第に軍に焚きつけられ、熱気に踊らされて、ツチ族に刃を向けるようになっていく。

100日間で100万人が虐殺されたというのだから尋常ではない。

一何かの目的に向かって、ワケも解らずに踊らされて行く 人間の心理の恐さ。

主人公のポールは、フツ族、彼の妻はツチ族だった。

ポールは始め、自分の家族を救う事しか考えていなかった。しかし、隣人のツチ族、友達のツチ族、馴染みの宿泊客、彼の目に次々と救わなければならない物が見えてくる。

気付くと彼は、ホテルに人々を匿い、矢面に立って戦う人になっていた。

この映画で一番印象に残ったシーン。

ポールは引き上げていく外国のマスコミに、この事態を海外でもっと映してくれ、テレビで流してくれ、そうすれば何処かの国が自分たちを助けに来てくれるだろう、と頼む。

すると、そのカメラマンはいうのだ。

そのニュースを見るテレビの前の人たちは、
「大変だね、可哀想だね」
と言って、その後、普通に食事を続けるだけだよ。

恥ずかしいね。。。
私自身がまさに、その「テレビの前の人」だっただろう。

たぶん、この虐殺の事は知っていたはずだから。。。テレビか何かで見て「大変だね」と言って、普通にご飯を食べていたに違いない。

知ったからと言って私なんかが何かできるわけではないけれども。祈る事さえしなかったに違いないから。

もしも、誰か知り合いが何か大変な事に巻き込まれたら、私は自分が出来る限りの事をしようと動けるだろうか。

ホテルの住人にポールはいう。

自分が知っている外国の有力者に電話をして下さい。
その時、ただ「さよなら」とだけ言って下さい。

しかし、電話を通して相手の手を握って下さい。
この手を離されたら私は死ぬのだと伝えるのです。

誰かに助けを求められたら、何かしようとする自分に。。。

ストーリーの重さと共に、何か重い物を背負わされた気がする。そんな映画。

【関連サイト】
・ルワンダ 紛争 by Wikipedia

※この記事は2009年に楽天ブログからインポートしてきた過去記事簡単感想です。コメントはお引っ越し出来ましたが、トラックバックは引っ越せませんでした。ご了承ください。


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