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『シンドラーのリスト』1人の命を救う者が世界を救う

シンドラーのリスト
~SCHINDLER’S LIST~

 

監督: スティーヴン・スピルバーグ
出演: リーアム・ニーソン、ベン・キングズレー、レイフ・ファインズ

公開: 1994年2月

第66回 アカデミー賞・作品賞、監督賞、脚色賞、撮影賞、編集賞、美術賞、作曲賞受賞

 

2000年以前に観た映画は、HPやブログはまだやっていなかったので感想がどこにも残っていません。だから、記憶を辿っての簡単感想で。。。

 

公開当時、劇場で観ました。
先日ムービープラス で放映され、久々に観たのでUPします。

 

第二次世界大戦のドイツで、ナチス党員であったオスカー・シンドラーは、自身の工場で雇っていたユダヤ人の工員1100人の命をホロコーストから救った。

「シンドラーのリスト」は、その実話を元に作られた映画。

 

この映画を観る以前、子供の頃からアンネの日記などを繰り返し読んでいたのでホロコーストについての知識はある程度はあった。

しかし、映像でここまで観たのは初めての体験だった気がする。

 

ドイツ軍が何もしていない、ただそこのいるだけのユダヤ人を石ころのように次々と撃っていく映像は衝撃だった。

映像は、ほとんどの部分がモノクロ。
ドキュメントを観ているような感覚があり、見終わった後は、ただ呆然。その夜は、よく眠れなかった事を覚えている。

 

民族の虐待。
人間は何て愚かなんだろう。
肌の色が違ったって言葉が違ったって、宗教が違ったって、銃で撃ち抜けば流れる血の色は赤。私たちはみんな同じ人間だ。

戦争という狂気の世界の中で、そんな事さえ解らなくなっていたのか、同じ方向を向いた集団という物の恐ろしさ・・・この作品の中の映像は、それをタップリと見せつけてくれた。それだけでも価値のある一本だと言えるだろう。

 

シンドラーは始めからユダヤ人を救おうとは考えていない。

ただ、自分の工場に利益を出すために、賃金の安いユダヤ人が必要なだけだった。

しかし、長く接していれば個人に対する情も出てくる。
それがやがては個人ではなく、ユダヤ人という一括りにされ、殺されていく民族全体に渡っていく。

シンドラーは自分もユダヤ人も同じ人間であることに気付いたのだ。

 

実は、公開当時、私はこの映画を観て、いたく感動し、この世で一番素晴らしい映画・・・とまで思っていた。でも、今になってこうして見返してみると、当時とはちょっと心境が違ったかな・・・

 

ラスト付近、あまりに良い人になっていき、ユダヤ人たちと別れるシーンでは、イザック・シュターンに縋って泣くシンドラーと、シンドラーの周りに集まるユダヤ人たちの姿に何だかとっても「綺麗事」を感じてしまったのだ。

私の心が当時よりも曇っているのかも~。。。。

 

それでも、ユダヤ人たちがシンドラーに最後に送った指輪に刻まれた文字

 

「たった1つの命を救うものは、全世界を救う」

 

には、やはり涙する。

 

この指輪は実際にシンドラーに贈られた物らしい。

この映画に対する評は色々あるみたいだけれど。。。

こんな世界の中で自分の身を危険に晒してまでも何かを救おうとした勇気の人がいた事。

その事実を伝えただけでも、この映画の存在は素晴らしい、と私は思うのだ。

 

こういう正義の人が世界に溢れなければ、戦争はなくならないからである。

 

【関連記事】

ホロコースト
第二次世界大戦下、ナチスドイツによって行われたユダヤ人(またはロマ人に対するポライモスも含む)に対する虐待、虐殺行為と、その後の裁判や処理、そしてナチスの家族たちなど戦後処理などを描いた作品。
諸国民の中の正義の人

「諸国民の中の正義の人(しょこくみんのなかのせいぎのひと) (Righteous among the Nations)」(または「正義の異邦人」(Righteous foreigner))とは、ナチス・ドイツによるユダヤ人絶滅計画(ホロコースト)からユダヤ人を救ったとイスラエルが認定した異邦人に授与される称号。

諸国の実力者から庶民まで命がけでユダヤ人を救った善意の人々は幅広い。日本人ではリトアニアの日本領事館に勤務していた杉原千畝が授与されている。

 


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・象のロケット

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