孤高のメス
監督: 成島出
出演: 堤真一、夏川結衣、成宮寛貴、吉沢悠、余貴美子、生瀬勝久、中越典子、矢島健一、平田満、松重豊、徳井優、本田大輔、安藤玉恵、でんでん、菅原大吉、太賀、堀部圭亮、柄本明
公開: 2010年6月
こんなに美しい手術を初めて見た。
看護師、中村浪子の目線を通して描かれるストーリー。
当麻先生の最初の手術シーンから、なぜか感動・・・
奇をてらった展開は無く、登場人物は淡々と患者の命と向き合う。
もっと、こう~・・・大学病院内の派閥闘争みたいな物とか「俺が絶対に救ってやる!」みたいな熱血医療物とか、そういう物語なのかなぁ、と思っていたけれども
そんな事は無く。
言ってみればくそまじめな映画なわけだが、その堅さが心地よかったりする。
堤真一さん、夏川結衣さんなど役者さんの気負うことのない本当に自然な演技と、手術シーンのリアリティのある映像と、堤さん演じる当麻先生の柔らかい笑顔・・・
それがこの映画を最高に魅力的に作り上げている。
まぁ、ステレオタイプの悪役も出ている事は出ているんだけど・・・そこを、また生瀬勝久さんが好演。
テーマとしては、本やドラマなどでたくさん語られた物で目新しさは感じないけれども、医療物ファンが満足できる硬質な物語になっていると思う。
ここから下ネタバレ↓観てない方は観てから読んでね
当麻先生がね~。。。
「俺が救ってやる!」とか「俺が、俺が」って人じゃないのよね。
病気の人を助ける。
医師に科せられたその使命を、ただ淡々と当たり前のように遂行する。
医者になる事よりも医者であり続ける事の方が難しい。
と語る当麻先生。
権力や金や派閥や・・・そういう物に惑わされずに、ただ患者のために医者で居続ける。こういう世界では、それは難しい事なのかも知れない。
でもね~。。。
結局、この病院に当麻先生が一時期いた事は、この病院を何も変えなかったんだろうなぁ。。。という事の結末は、ちょっと悲しいなぁ。
だって浪子さんの死因は、たらい回しになったからって事は。。。当麻先生が去って何年かしたら、病院は元に戻ってしまったって事なんだよね。腐った体質は、なかなか変わらなかったのかなぁ。。。
浪子さんの息子が、この先、どんな医者になるのか。
それが予感できる温かいラストが好き。
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comment
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映画でした。
元々医療物は好きで しかも堤さん主演ということで 見に行ったんですが、堤さんの 患者をなんとしても救いたいという気持ちが溢れてて、見ながらじんわり泣けるような 温かさ。
最後の臓器移植で心臓に血液が行き渡る瞬間の映像には、生きてるって ほんとに素晴らしいことなんだな~~って思いました。 普段 気づけないことを気づかせてもらった感じかな!
多分 あの看護婦さんも同じ感情を持ったんだと思います。
確かに、組織は簡単に変われないし、当麻医師がいなくなって 病院は元に戻ったとしても 人の心にあの時の思いがあれば 少しは変われた気はするのですが・・なかなか 難しいみたいですね。
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ご無沙汰いたしておりましたm(__)m。
本作は、当麻先生がストーリー冒頭で緊急に行う肝切除のオペ・シーンですでに私ボロ泣き状態でした(T_T)/。
>その堅さが心地よかったりする
おっしゃる通り!
地味でくそまじめな映画だけに、感動が深いんですよね。
堤さんに「賞」をあげたいけど、地味ですかね・・・?
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当麻が脳死肝移植の件で日本にいられなくなり、病院を去った後に駄目駄目になっていくのは原作のママだったりします…
しかし仰るとおりで、当麻の中には全て患者のためにということしかないんですよね。当たり前だけれどコレほど難しいこともないのかもしれません。
原作ほんと最高に面白いです。もし読まれてないようでしたら是非^^