本サイトにはプロモーションが含まれています

『麒麟の翼 ~劇場版・新参者~』誤ちの始まりは日本橋

麒麟の翼 ~劇場版・新参者~

監督: 土井裕泰   
出演: 阿部寛、中井貴一、新垣結衣、溝端淳平、松坂桃李、菅田将暉、山崎賢人、三浦貴大、柄本時生、竹富聖花、宮本聖也、劇団ひとり、秋山菜津子、鶴見辰吾、松重豊、田中麗奈、山崎努、黒木メイサ
公開: 2012年1月

   

タイトルにわざわざ「劇場版・新参者」と表記されていますが、あくまでテレビシリーズの番外編にしたいというTBSの意地なのか。
必要ないと思う。連続テレビドラマを見ていない方でも、普通に1本の作品として見ることが出来る内容。

むしろ連ドラの番外編だと言わない方が良いんじゃないの
キャスト以外は決して良かったとは言えないダラダラした出来だった連ドラ……
(好きだったって人は読まない方がいい、めっちゃ辛い連ドラ評→)

連ドラから、この作品だったら観に行ってなかったかも知れない私の心を動かしたのは、昨年の正月にスペシャルドラマとして放送された「赤い指」。これの出来が素晴らしかったから。

(ちなみに、連ドラ「新参者」「赤い指」の脚本は違う方が書いておられます。「麒麟の翼」の脚本は「赤い指」の櫻井武晴さんが書かれたらしい)

…というゴチャゴチャした連ドラ絡みの話は必要ないですね。とにかく…連ドラを見ていない方でも問題ないので、ぜひご覧ください。(黒木メイサや写真だけ出てくる向井理の立ち位置が解らないくらい?ストーリー的には無問題です)

原作は東野圭吾氏。未読です。

1人の男が日本橋にある麒麟像の下で死んだ。殺されたのはその場所ではなかったのに、彼は何故、助けも求めずそこまで行ったのか。そして、真犯人は誰なのか。

「人は嘘をつく」

というのが、このシリーズで連ドラの時には強調されていたテーマだったわけだけれども、この映画でも、そこは引き継いでいる。

事件に関わった人間が何人もいて、みんながみんな、それぞれに何か隠している。
この人たちは何を隠しているのか。なぜ隠しているのか。主人公、加賀がそれを紐解いていく。

とても切ないストーリーだった。
嘘は隠した事で塗り重ねて行かなくてはならなくなる。スタート地点を間違えた時から全てが狂っていく。

中井貴一さんが演じた父親に泣かされた。
現在、大河ドラマ「平清盛」では逞しい父親を、木曜フジテレビでは情けない中年男を好演されているのですが、全てが違う人に見える。
素晴らしい俳優さんですね。(今、ちょっと自分の中で中井貴一祭り)

首都圏という所に生まれ育ち(外れだけどね)、現在も首都圏(外れだけど)に住んでいるのに、一度も見た事なかった日本橋麒麟像

ちょっと東京観光気分も楽しめる1本。

 

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 

    


「日本橋七福神めぐり」とか書いてしまう所だった…(ネタバレだよね)

千羽鶴を備えて回るのは、息子から引き継いだことだった。
元になった事件が悲しい。1人の少年の未来を奪ったしごきというイジメ。

それを隠すのが生徒のためだと信じた教師。

教師は間違えたスタートを教えた。だから彼らは真っ直ぐ歩くことが出来なかった。

日本橋は日本のスタート地点。

ここから新しいスタートを切ろうとしていた若いカップルの未来も奪った。

なぜ被害者は麒麟像の下まで瀕死の状態で歩いたのか。

最後の命を振り絞って、スタート地点に戻してあげたかったんだよね…

上にも書いたけれども、中井貴一さんが本当に素晴らしくて、だからよけいに泣けた。
阿部寛さんはもちろん、溝端淳平くんも今回とても良い位置。
「箸取って下さい!」の、たこ焼き屋のやり取りには笑ったわ。

この作品では、加賀が水泳部の顧問に「あなたは教師失格だ」というわけだが、こんな失格教師も失格親も世の中にはいっぱい溢れている。

正直になる事には勇気がいる。だって人間は弱いから。

それを指し示すのが、まず大人…。なかなか難しい事だけど。

・麒麟の翼 ~劇場版・新参者~ 公式サイト

 

【送料無料】新参者

【送料無料】新参者
価格:1,680円(税込、送料別)

 

【送料無料】新参者 DVD-BOX

【送料無料】新参者 DVD-BOX
価格:17,955円(税込、送料別)


麒麟の翼 ~劇場版・新参者~@ぴあ映画生活トラックバック
・象のロケット
★前田有一の超映画批評★

受信場として使用していたSeesaaのトラックバック機能終了に伴い、トラックバックの受け付けは終了させていただきました。(今後のTBについて)

広告

広告

★★★★邦画・か行日本映画

 

いいねする
ブログランキング・にほんブログ村へ ブログランキング・にほんブログ村へ
シェアする
フォローする
   
スポンサーリンク
この記事を書いた人
icon

奈可久う子(くう)

◆ドラマ・映画 エンタメ系ライター&ブロガー。◆ハウツーサイトやリクルート・キュレーションサイトなどで映画紹介のライターしておりました。(お仕事はいつでも有り難くお受けします)

◆映画の評点はあくまでも私感です。(平均が2.5で1と5は滅多に付けていません)

◆戦争とホロコーストテーマの作品観賞がライフワーク。

◆レビューは上半部はネタバレなし感想、下部は観了した方と感想を共有できるように書いています。(古い記事は簡単感想です。時間のある時にリライトしています)

◆姉妹ブログ「ドラマ@見とり八段」

comment

タイトルとURLをコピーしました