クロユリ団地
監督: 中田秀夫
出演: 前田敦子、成宮寛貴、勝村政信、西田尚美、田中奏生、高橋昌也、手塚理美、並樹史朗、筒井真理子、諏訪太朗、柳憂怜、青山草太、佐藤めぐみ、岩松了、朝加真由美
公開: 2013年5月18日
2013年5月22日。劇場観賞。
ホラーとして恐いかどうかと言われれば、ハッキリ言って恐くなかった。
(当方はある程度ホラー麻痺しているので、その辺はご考慮ください )
けれども、映画として良くないのかと聞かれればそんな事はない。
恐いよりも切なかった。泣いたよ、私は。
誰だって1人は寂しいし、霊は場所ではなくて人の心に憑くのだというのは、よく解る。
たぶん、心の闇が呼びこむんだ。そう思う。
【あらすじ】
介護の専門学校に入学する事になった明日香は、家族でクロユリ団地に引っ越してきた。
団地は学校にも近くて通いやすい。引っ越し荷物を賑やかに家族と整理する明日香。
母に言われて向かいの家に引っ越しの挨拶に行くが、住人は顔を出してくれない。
仕方なく、明日香は引っ越し挨拶の品を玄関の取っ手に掛けて帰るのだった。
団地の周りを散策した明日香は、公園の砂場で男の子がたった1人で遊んでいるのを見る。
明日香の目には、引っ越してきたばかりのクロユリ団地は普通に見えた。
しかし、入学式の日に友達になった学友から、明日香はクロユリ団地の不気味な噂を聞く。
向かいの玄関ドアに引っかけてきた引っ越し挨拶の品は、いつの間にか無くなっていた。
中の住人が年寄りだと聞き、様子が心配になった明日香は、ドアの鍵が開いているのを確かめて中に入ってみる。
名作ホラー「リング」から15年?
人の心の闇の中に巣食う物が霊を呼ぶ…その切なさは中田監督らしい。
ホラー映画ではあるけれども、お化け屋敷のようにギャーギャー叫び続け、音で驚かせ続けるホラーとは質が違う。
ジックリとストーリーを見て、切ない余韻を楽しむホラー。
映像的にはさほど恐いものはない…(と、私は思う )
現在TBSで放映中のスピンオフドラマ「クロユリ団地~序章~」に期待外れ~恐くない~と書き続けている私ですが(すいません~)、この映画を観たら、恐くないホラーを作っているんだな、と納得した。
(でも、この流れでミノルくんをドラマで描くのなら、宣伝としては劇場版のミノルくんを出さなきゃダメだよな~今週放送された第7話のミノルくんなんて、特に「あの」ミノルくんのビジュアルであってほしかったよ。まぁ…これはドラマの話ですが。)
切ないストーリーだとしても確かに「リング」ほどの深さはないし、ラストの流れなど必要ないって所も多かったけれども、ジャパニーズホラーとして概ね満足した。
川井憲次さんの音楽も、恐ろしくも悲しい響きで、素晴らしくこの作品に合っていた。耳に残ります。
CM用の映像を見て、どんどん恐いシーンが出てくるジェットコースター的ホラーを期待して観る方は肩透かしを食らうと思います。
後はネタバレ欄↓で。くだらない事も書くので、これから見る予定で未見の方は絶対に読まないでくださいっっ!!
読んでから見に行ったら絶対に後悔するで。
【関連記事】
・クロユリ団地 ~序章~ 感想
ここから下ネタバレ↓観てない方は観てから読んでね
家族の事は、割と早い段階で気付いてしまった。
ハンディカメラで撮ったような明るい家族の映像は、明日香と接するシーンはなく、明らかにおかしかった。そして弟・聡のセリフ。
「僕とちょっとしか変わらないクセに。」
死んだ人間の「時」は、そこで止まってしまう。生きている人間は前に進まなければならない。 けれども、自分のせいで家族が死んだと思っている明日香は先へ進めない。
家族がたぶんいないのに居ると思い込んでいる…たぶん死んでいる。
そう思った時点でもう泣きそうだった。可哀想で。
しかし…盛り塩もお祓いも効かないんだなぁ。ミノルくん最強。
あの、明日香がドアを開けたいけれども笹原に止められて開けられない間の家族の幻とのやり取りには、こっちも頭がおかしくなりそうだった。
お母さんが開けてと言っている。聡もいる。開けたいよね。そりゃ。
そんな弱い明日香を殴って止めたのに、自分も取り込まれてしまう笹原。
結局、心に闇を抱えている限りは逃れられない。
首にチューブの穴が開いた佐藤めぐみが恐い。この人、ホラー向けだから…。
明日香の身の上も笹原も切ないよ。そして、ミノルくんも切ないよ…。
成仏できなくても仕方ない。ずっとここで時間が止まったままなんだね。
確か以前、子どもかどうかは忘れたけれども、ゴミ収集車のローラーに人が巻き込まれて死亡した事故があったような…。
たぶん、収集されたら焼却される前に死んでしまうと思う。
いずれにせよ、痛ましすぎる事件。
でも、笹原が沈められていってから、ミノルくんと同じ火炎地獄に落とされる所までは描かなくてもいい気がした。個人的には、あの部分は余計かなぁと…。
しかし、この人、救われないよね~…お節介したせいで巻き込まれて死んじゃうとか。
笹原は沈められていって、明日香は半狂乱で床を引っ掻き続ける。
そのままの余韻でラスト…で、いいような気がする。
ここからは、読まなくていいです……
申し訳ないけれども、お祓いにはちょっと笑った。
「血を吹き泡吹き」とか言ってなかったか、詔…あれ、本当にあるのか。
いや、2日前に「中学生円山」観てきたばかりで~…。
あのぉぉ、何ていうの…お供物?
魚とか酒とかと一緒に奉げられてた肉が巻いてあるみたいなあの「棒」は一体何……?あれが気になって気になって…。
何書いてんだ私…ぇ…。ってか、だから未見の人は読んじゃダメって言ったじゃん!!くだらない事、書くよって言ったじゃん!
ホラーレビューの閉めがこれかよ…。いやっ信じられないっ。
【楽天ブックスならいつでも送料無料】クロユリ団地 スタンダード・エディション【Blu-ray】 [ … |
【送料無料】クロユリ団地 [ 加藤淳也 ] |
TB:「映画@見取り八段 トラックバックセンター」http://todays-cinema.seesaa.net
comment