生きてるものはいないのか
監督: 石井岳龍
出演: 染谷将太、高梨臨、白石廿日、飯田あさと、高橋真唯、田島ゆみか、池永亜美、札内幸太、長谷部恵介、師岡広明、羽染達也、青木英李、田中こなつ、渋川清彦、津田翔志朗、芹澤興人、杉浦千鶴子、村上淳
公開: 2012年2月18日
2013年7月8日 DVD観賞。
簡単感想で。
ラストシーンに震えた…。
そこまでは…というか、最初の30分、いや1時間近くは何を見ているのかよく解らなかった。
学生たちのたわいないお喋りがタラッタラタラッタラ続く…。
いや、それでも不思議と眠くならなかったのだけど…。
別に会話が特別面白いわけでは無い。たぶん、「これから起こること」に対する期待があるから眠くならずに済んだのだろう。
(それにしても長いんだけど )
長い長い日常会話にしても不自然な不思議な人たちそれぞれの物語がオムニバスのように展開された後、「それ」は突然やってくる。
その描写も淡々としていて滑稽なのね。
ヒジョーに不謹慎だけれども、笑っちゃうシーンもあったりして…。
いや、他人の人生って…人の会話って、無関係な人間にとってはこうも意味のない物かね…と思いながら見ていた。
結局、何ら心に残るセリフは無く、心に残る登場人物もおらず、何の意味もないそれぞれの人生の一部を見せられた後、静かに映画は幕を閉じるのだった。
恐ろしく美しいラストシーンに沈みながら、どんよりとエンドロールを見続けた。
生きているものは……。
ここから下ネタバレ↓観てない方は観てから読んでね
何か精神的な物を象徴するタイトルなのかと思っていたけれども、そうではなく、内容はタイトルの「まんま」だった。
こんな気持ち悪い歌聞きながら死にたくない……!
には笑ってしまった…いや、笑ってる場合じゃないのに。気持が解りすぎて。
染谷くんなんか全然主役でも何でもないじゃんか。
…と思いつつ、ラストシーンでこの人が主役である意味を知る。
空中右下斜めに突然折れ曲がって落ちていく飛行機。
パラパラと崩れて下へ下へ向かう渡り鳥の編隊…。
真っ赤に燃えながら沈んでいく太陽…。
どこまでも続いていく死体で出来た道。
世界の終りを見ているのは、主役の人だけだ。
結局…大学の地下室の都市伝説もたわいのないお喋りの1つに過ぎなかったらしく、人類滅亡の原因は解らない。
てか…「人類滅亡」じゃないよね。
全ての滅亡だよね。
生き残る努力なんて何の意味も為さない。
命の終りって、案外こんな物なのかもね。
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