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『ガッチャマン』恋する男は弱い

ガッチャマン

    

監督: 佐藤東弥   
出演: 松坂桃李、綾野剛、剛力彩芽、濱田龍臣、鈴木亮平、初音映莉子、光石研、中村獅童、岸谷五朗
公開: 2013年8月24日

2013年8月28日。劇場観賞。

1970年代に放映されていたタツノコプロ制作のテレビアニメ『科学忍者隊ガッチャマン』をベースとした実写版。

元アニメは子どもの頃大好きだった。しかし、内容はほとんど覚えていない。割と暗い話だった気がする主題歌はほぼ覚えている。近所のスーパーにガッチャマンが来たのでウキウキしながら見に行ったが着ぐるみだったのでガッカリした。

こんな程度の認識。

つまり、あまり覚えていないので「原作と違うから許せない」というほどの拘りは何もない。
観賞目的の70%は綾野剛。

   

    f:id:nakakuko:20150409013300p:plain

…と、ご了解ください。

「おれが見えるか悪党ども。実体もなく忍び寄る白い影が。」

と、現れる最初のアクションシーンはまだ良かったのに…。(低予算ですかと聞きたいVFXはともかくとして)

2050年代。謎の組織ギャラクターに宣戦布告された世界は、わずか17日間で世界の半分を占領された。人類絶滅から世界を守るために不思議な結晶体「石」の力を持って戦う兵器として「適合者」が選出された。彼らの名は「ガッチャマン」……。

世界の半分が占領されたらしいのに、日本は文明も発達して何となく優雅に暢気に暮らしているもよう。しかし、冒頭でもう何か凄い兵器に襲われて街は壊滅していく。その様子は、まぁ…戦隊ものみたいな映像。
   
そこに現れて戦うガッチャマンは、そこそこカッコいい。
スーツのデザインが洗練されていて、登場人物の立ち姿もカッコいい。
ずっとそういう感じでよかったのではないかと思う。

しかし、その後は戦いはほとんど描かれず、物語はトラウマという名の恋バナに落ちていく…。
日本のディザスタームービーのほとんどが、この恋バナでテンポを悪くしているわけだが、この映画も例外なくそれをやってくれた。 ぇ…恋バナはどうしても必要なのか

仲間内のどうだこうだも、ちっとも面白くない。うん、ハッキリ言ってしまうと、お話自体が面白くない

他の映画やハリウッドと比較する事なんて何の意味も為さないのでしても仕方ない…。とは重々、解っているんだけれども、どうしても記憶に新しい「パシフィック・リム」を思い起こしてしまう。

だって、KAIJUじゃなくてKAIBUTSUが出てくるし、地球が侵略されるし、戦うのは「適合者」だし…なのにあの重量感も緊張感も何もないんだもの。

「ウィルスX」とか言われたら「ウィルスZ」も思い出すし…うん…公開時期も良くなかったと思う。

あと何ヶ月か前にやってくれていたら、きっとこんなに他の映画を思い出さなくて済んだはず。

個人的に萌え要素だって多いはずなんだ。
変身して敵と戦う戦隊もの…スパイダーオルフェノク@綾野剛もシンケンレッド@松坂桃李も出ていて現ライダー・ウィザード並みにゲートも開いちゃうし、飛行石も大活躍だし(違う)、バルスだし…(違う)。
   

   f:id:nakakuko:20150409013343p:plain

なのに、ちっともワクワクできないこの苛立ち…。結果、お話が面白くないから。

見始めから終わりまで、ほぼツッコミ続けて終わった。本当にただただ残念感でいっぱいだった。

キャストの皆さんは元アニメのイメージに合うかどうかはともかく、とても良かった。カッコ良かったよ…そこだけが救いだ。でも、肝心の2人にゴタゴタ恋や仲間を語らせ続ける展開は、もう本当に勘弁。

まぁ…現代の日本のヒーローと言えば、これは正しい姿なのかもね。「人類のために命かけて戦おう」なんて若者はきっといないだろうさ。何でオレだけこんな危険な目に遭わなきゃならないんだよっ!(‘j’)/と、思うんだろうさ。

でもね、そこは綺麗ごとで見せてよ。一応選ばれたヒーローなんだから、あんたたち…。

そういう決意もなく「恋」や「友情」だけで戦ったあげく、あまり強くなかった…。という結論だけは見せてくれた。これは教訓なのですか

ED後にワンシーンあります。席を立たないでね、と言いたいけれども、すっごくどうでもいいわ。てか、ぇ…マヂですか…これ以上、綾野くんに火傷負わせないでぇ。

冒頭の『おはよう忍者隊ガッチャマン』が一番面白かった。いいのか、それ。

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 


「適合者はガッチャマンとして戦う事は義務。脱退はできない。」という前提の話だったはずなのに竜が「母ちゃんに会いたいから脱退する」とかいう下りでは、キョトンとするしかない。

何だかそういうツッコミ所が多すぎて、もうよく覚えてないや。ホットドックはそのまま置いていくな。ゴミはゴミ箱へ。

ガッチャマンスーツにはお金かけたらしいけど、ベルクカッツェの安っぽさはあれでいいのだろうか。えっと、ドロンジョさまじゃないよね、これ。
   

     f:id:nakakuko:20150409013412p:plain

 
ナオミとキスしたはずなのに、実はベルクカッツェの実体は中村獅童だったのだよ。「お前とキスしたのはオレだったのだ~~!」「おのれ~~!」
…ってくらいの笑いがあればまだ許せた気がする。
クソ真面目でつまらなくて泣けもしないストーリーっていうのが一番始末に負えない。

ジョー、ベルクカッツェになったはずなのに、何で普通に地球に帰ってきたと思ったら、そこはED後に回収してくれた…ってか続編アリかさ、もうええわ。

「ガッチャマン」公式サイト

 

 

 

 


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・象のロケット

★前田有一の超映画批評★

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奈可久う子(くう)

◆ドラマ・映画 エンタメ系ライター&ブロガー。◆ハウツーサイトやリクルート・キュレーションサイトなどで映画紹介のライターしておりました。(お仕事はいつでも有り難くお受けします)

◆映画の評点はあくまでも私感です。(平均が2.5で1と5は滅多に付けていません)

◆戦争とホロコーストテーマの作品観賞がライフワーク。

◆レビューは上半部はネタバレなし感想、下部は観了した方と感想を共有できるように書いています。(古い記事は簡単感想です。時間のある時にリライトしています)

◆姉妹ブログ「ドラマ@見とり八段」

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