劇場版 ATARU‐THE FIRST LOVE & THE LAST KILL‐
監督: 木村ひさし
出演: 中居正広、北村一輝、栗山千明、玉森裕太、村上弘明、堀北真希、松雪泰子、岡田将生、市村正親、嶋田久作、田中哲司、千原せいじ、中村靖日、庄野崎謙、島崎遥香、光宗薫、中村昌也、利重剛、原日出子、前田美波里
公開: 2013年9月14日
2013年9月18日。劇場観賞。
『ATARU』(アタル)は2012年第2クール・4月期にTBS系列で放映されていた連続ドラマである。(→『ATARU』感想)
連続ドラマの方は一応最終回(→)でスッキリ完結している。この映画は2013年…つまり今年の1月に放送された番外編『ATARU スペシャル~ニューヨークからの挑戦状!!~』の続き。
感想の前に、とりあえず、これだけは言っておきたい…。(もう恒例 )
連ドラ未見の方は、止めた方がいいですよ。
楽しめるか楽しめないかは人それぞれだし、たかが一視聴者だった私がいう事ではないが、ただ余計なお節介をしておきたいだけである。
いつもいつも書いているけれども、「踊る大捜査線」や「海猿」を制作しているフジ系列の方は映画シリーズとしても単独で楽しめる作品を作ろうという意思が見えるけれども、TBS系は「最終回の続きは映画で」という物が多すぎる。
その中で、映画しか見ない方から「見終わってドラマも見たくなった」という声を聞く事が出来たのは「ROOKIES」くらい。大抵の物は「ワケが解らない」という声がほとんどだ。
で、このドラマ→映画という流れをドラマ見の人たちが歓迎しているのかというと、ゲンナリです…。。少なくとも私の周りでは「またかよ」という声しか聞こえませんが…映画になるの?バンザーイと思った方がいらしたらごめんなさいね。
つまり、ドラマ見はほとんど「続きが気になって仕方ないから見に行っている」のである。いい加減、止めませんか…これ。
…ということで、この映画も連ドラを見ていなければまず登場人物の特徴も繋がりも全く解らない。
一応、その説明を初めて見る人にも伝える役割として、「何なんですか?」「何をやっているのですか?」と、いちいちチョコザイくんに訊ねる星管理官@松雪泰子さんがいるのだと思われる。(それにしても、ひどいキャラだったな…これ… 警察がバ〇過ぎて悲しいくらいだよ)
連ドラを見ていた者としては、懐かしいメンバーが揃って、小ネタ散りばめた世界も相変わらずで楽しかった。
しかし、映画だとやはり小ネタばかり拾っていられないので、ほとんど気づかずに通り過ぎてしまったと思うよ…。ああ、もったいない。
『ATARU スペシャル~ニューヨークからの挑戦状!!~』のラストに登場したアレッサンドロ・カロリナ・マドカの過去と行方と彼女の心に渦巻くものの正体…なぜ犯罪など犯すのか、その理由をチョコザイことアタルと彼の保護者であるFBIのラリー井上の過去を絡めて語っていく物語。
そのせいで、今回、ラリーさんの登場が非常に多い。しかも優しかったりエプロンしていたり苦悩していたりする。それが、何だか嬉しい。♥
で…逆の違和感を今書いちゃうと…。
チョコザイくんの登場が多すぎ。
いやいやいやいや…だって主人公でしょ。…という話だが、連ドラではチョコザイくんは捜査協力者としてヒントを与える人間コンピューターであり、行動だけではなく心の動きを見せる実質上の主人公は舞子@栗山千明さまと沢刑事@北村一輝だったのである。個人的には、実はそのバランスはベストだった。
しかし、今回は大人の事情も絡んでか映画だからなのか、チョコザイくんの出番がとっても多い。
そのせいで、主役としていっぱい動かさなきゃならないものだから…連ドラではサヴァン症候群であまり喋る事もなく、一般的な思考も持たず、感情もほとんど見せなかったチョコザイくんのキャラそのものが、もの凄く変わってしまっているのである。
連ドラで舞子たちと触れ合う事で成長したじゃないか!という声も聞こえてきそうだけど~…私は、特に中の人のファンではなく、単なるドラマその物のファンなので…やは違和感はイナメナカッタヨ。
それから、ストーリー的にはもう…ツッコミ所でいっぱいだよね…… いや、そこはネタバレ↓欄で。
何だか文句ばかり書いてしまったけれども、いや、連ドラファンだったら楽しめる内容だと思います。
個人的には、渥見さんの登場がとってもとっても多かったのが最高~に嬉しかったのね~。♥ お馴染みの鑑識課も今回は3人並ぶよ。AKBとモー娘。
連ドラのクールな中に笑いも含んだ面白さは見当たらず…だったけれども、連ドラを見ていた方はぜひ。続きも気になるだろうし。
最後に……『ATARU』の玉ちゃんって本当~にいいよね…他のどのドラマに出てる玉ちゃんよりも好きだ。♥
そして、堀北真希ちゃんは、歯が銀色だろうが、美しい。
えーーーと、ネタバレ欄↓には、ロクな事書いてませんっ!←予告
ここから下ネタバレ↓観てない方は観てから読んでね
ええぇぇぇ、だって~とにかく管理官がひどくないですか?頭が悪すぎて悲しくなる…。
元々、ウィルスが元で始った事件なんだよ。マドカのDNAが書き換えられていると思いません?恐らく総鑑賞者が思ってますよ、ツッコんでますよ。バカすぎる…。
「踊る」の沖田管理官もそうだけど、どうして女性管理官はこんなにダメに描かれるのだろう。感情的で自分勝手で出世に逸っていて見苦しい…。そして、ホロっと折れる。どこかの女性団体から苦情が来そうな酷さ。
何処からアクセスされているかなども、ちゃんと調べてから送検するって話にしてください。
捜査の甘さに虚しくなってくる。
制作側の事情としては、警察を出た蛯名舞子のために「警察が捨てた山」にしなければならないんだろうけど…事情が見え見え。
ラストもマドカ、FBIまで捜査に加わっている大事件の犯人なのに、なぜ出国できちゃうんだろうか。ラリーがパスポートを持っているはずのアタルも同じく。
一緒に見た友達は、百合の代金をめっさ気にしてた。 FBIのツケ?
百合をいっぱい並べるラストは……きっとこういうのでポロポロ泣く人もいるんだろうなぁ…と思いながら見ていた…。
いや…こういうのもアリだとは思うけれども、連ドラの「ATARU」とは違うよな、と思う。ちょっとゾッと来るクールな描写じゃない。
劇場版は櫻井武晴さんの脚本ではないのです…という話ならばまだ納得だったんだけれども、櫻井さんなんだよね…う~ん…色んな大人の事情に勝てなかったのだろうか…。
人は愛する者を失った時に絶望から犯罪を犯す。
マドカを捨てた痛みを抱えるラリー。
マドカの犯行がラリーへの復讐ならば、マドカが愛する者もラリーだったのでは。
マドカの遺体に詫びるラリーの姿に泣いた。
どうか、アタルの事はこの先もずっと愛してほしい。
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