WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~
監督: 矢口史靖
キャスト: 染谷将太、伊藤英明、長澤まさみ、優香、西田尚美、光石研、マキタスポーツ、有福正志、近藤芳正、柄本明
公開: 2014年5月10日
2014年4月9日。劇場観賞(試写会)
試写会観てからもう1ヶ月経つのに今さらのUP…なのはいつもの事です。
いや、面白かった!
大好きな矢口史靖監督の作品、基本はスポーツのライブ感。
『ウォーターボーイズ』はもちろん、『スウィングガールズ』で音楽やっていようが、『ロボジー』でロボット作っていようが、何だかスポーツする人を見ているような爽やかさがあるのだった。
今回の「ライブ」は林業。
いつものように役者さんが全てやっていらっしゃるという事で…すごいな、染谷くん!
あんな高い木に登っちゃうなんて…(いや…伊藤英明さんの方は出来ちゃいそうな気がするので )
原作は三浦しをん氏のベストセラー小説『神去なあなあ日常』。
矢口監督作品で原作付きって、もしかしたら初では…?
そのせいか、個人的には若干の違和感はあったといえばあったかも知れない。
しかし終わってみればいつも通り、笑えてちょっとホロっとして爽やかな矢口監督味なのだった。
大学受験に失敗し進路に迷う勇気は、カラオケの帰りに林業研修のパンフレットを見つけ、思いつきで出かける。
しかし、辿り着いた所は携帯の電波は届かず仕事は辛く、想像を絶する山奥であった。
チャラい生活、チャラい性格で適当に林業に足を踏み入れる勇気。
そもそも興味を持った切っ掛けがチャラいもんね……。
今時の若者はっっ!!…と言いたい所だが、あの環境、私も無理でございます…。
ヒル恐っっ!虫恐っっ!そして、鹿~~!
だから、自分的には勇気は物すごく頑張った…偉い、と思ってしまった。
都会のチャラい若者がフラフラと好奇心で田舎に来てみて、飽きたり音を上げたりして逃げていく…とりあえずは、そういう事なく(?)頑張って山の神秘と仕事への誇りに目覚めて成長していく。
地元の人に受け入れてもらえるかどうかというのは、自分自身が環境を受け入れる努力が必要という事だね。
役者さんが皆さんそこにいる人のようにハマっている。
他の作品ではいつも殺したり殺されたり、死んだような目をした暗い役ばかりの染谷将太くんの等身大の青年役がとにかくチャーミング。
『海猿』から山猿になった伊藤英明さんのワイルドさも素晴らしい。
まさみちゃんも、とっても自然。優香さんも…ダンナさんに合せてワイルドな奥さんっぷり… 山の女は強い。
自分が死んだ後の代に成果が解る林業という仕事。
孫の代に向けて今、足跡を作る。
尊い仕事だなぁという感動がある。
神さまに守られた山で100年後に向けて自然を残す。気の長い仕事だ。「なあなあ」じゃなければやっていられない。
木のてっぺんから見る広大な自然の風景。
自分では絶対に行かないけれども、だからこそ楽しめる景色と暮らしを味わえる。
爽やかな作品。
※でも、見た時期が花粉症真っ最中だったので…杉を植えている風景はちょっと複雑な気持にもなったのだった。
ここから下ネタバレ↓観てない方は観てから読んでね
あの大山祇祭りはテレビで見たことがある気がする~!あれは…大木がアレで受け止める所はアレですよね…アレアレ…。
しかし、あれに乗ってはいかんだろ…危ないので見た方はマネしないで下さい。
基本、矢口監督の作品にはあまり嫌な事は起きないような気がするので、あの元カノたちが来て林業を馬鹿にするような発言をして帰っていくシーンはあまり好きじゃない…。
まぁ…あれがあるから、みんなが仲間として認めてくれたっていうのはあるんだけど。
エコ研究会だか何だか知らないけれども…ああ、でも、あんな感じかもねぇ…。
私だって、木を倒すってあんな風にやっているとは思わなかったわ。与作じゃないが…斧でカンカン切り倒すのだと思っていた。
そこに住んでいない人は何とでも言えるんだよな。
自然を守るというのは大変な事なんだ。
これを見たら、少しは日本の自然の維持について知らなくてはいけない…と反省した。
携帯の無い生活…自分にはできそうもない気がするけれども…。
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