喰女-クイメ-
監督: 三池崇史
キャスト: 市川海老蔵、柴咲コウ、中西美帆、マイコ、根岸季衣、勝野洋、古谷一行、伊藤英明
公開: 2014年8月23日
2014年8月27日。劇場観賞
難しいね…。
きっと、好みが凄く分れるだろうなと思った。
ものすごく変わった作りの作品であり、ある意味挑戦とも言えるだろうし、奇をてらったとも言えるだろうし。
もっと純正ホラーだと思っていたので面喰った。
どちらかというとゲキ×シネ+世にも奇妙な物語。
後藤美雪と長谷川浩介は、舞台劇『真四谷怪談』の稽古の毎日。2人は同棲中の恋人同士であり、周囲もそれを黙認している。浩介は稽古が進む中、他の女優に目が移り始め、美雪は彼の変化に気づきながらも平静を装っていた。
怖いというよりも、ウゲーーーーーっとなるシーンが多かった。まぁ…三池監督ですものっ。
ストーリーは2人の俳優の実生活と舞台が徐々にシンクロしていくという物だが、その境界は曖昧。
曖昧だからこそ面白いんだけれども、想像していたよりも多くの割合を舞台シーンが占めているものだから、ちょっと丈長に感じられる。
とはいえ、舞台セットやリハの様子は見応えある。役者さんも豪華だしね。 本当に、この舞台見てみたいわ。
柴咲コウちゃんファンとしては眼福な映画であった…綺麗だよ、美しいよコウちゃん。
ストーリーがラストに向かうにつれ、えっ…ここ、どうなってんの?と、思うところも増えてくる。そこら辺が「世にも奇妙な物語」なのよ。
結果的には、芯からゾゾゾーーっとなるような心霊的恐怖はなかった。
作りは面白かったし、セットは美しかったし、「思い返せば」ストーリーも面白いけれども見ている間はちょっと眠くなった。
どちらかというと…
遊んでる男はこれ見てゾッとしろや!
…という話。
以下ネタバレ感想
ぼうやが~~ぼうやが居ないの~~……!!
のシーンで「いつの間にこんなに家中ビニール張ったんだよっっ!!」と思い、翌朝に切り替わると「いつの間にビニール剥がしたんだよっっ!!」と、なるわけだが、全て妄想だったんだなと思わせておいての床磨きにはゾッとする。
死んだのは果たして浩介なのか美雪なのか。
ドラマ的には浩介なんだよね。つまりは、あのマンション前で美雪の霊に襲われる所が御臨終だったという事で…。
けれども、別の結末もあるかも知れないわけで。
浩介が平然と暮らしていて、美雪の方がバスルームで死んでしまった結末。
四谷怪談の名場面は、戸板が表に裏にクルリと回転すると伊右衛門が殺した者たちがうらめし顔で現れる所…。
それと同じように浩介と美雪の世界は表と裏でクルクル回っているのだった。
女の情念は恐いのよ。
…というお話でした。つまりは、四谷怪談そのものだ。
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