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映画『ビリギャル』可能性を応援する

映画 ビリギャル

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監督: 土井裕泰   
出演: 有村架純、伊藤淳史、野村周平、大内田悠平、奥田こころ、あがた森魚、安田顕、松井愛莉、蔵下穂波、阿部菜渚美、山田望叶、矢島健一、中村靖日、峯村リエ、吉田羊、田中哲司

公開: 2015年5月1日

2015年4月23日。劇場観賞(試写会)

「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」…という長い長いタイトルのノンフィクションが原作。

作者は坪田信貴氏。この作品のモデルとなっている「ビリギャル」さやかちゃんの偏差値を40上げたという塾講師の方。

実在の人の話だし、塾の宣伝にもなるのだろうし、少女マンガみたいなタイトルだし…色んな意味であまり興味惹かれず。試写会じゃなければたぶん観に行くことはなかった。少しでも面白ければ儲けもんだよね…くらいの低い期待値で観た。

結果、イイ映画だったわ。。可能性を捨てずに頑張る人間を応援する人たちと、1つの家族の物語。想定外に泣けた。

【あらすじ】
名古屋の女子高に通うお気楽女子高生のさやか(有村架純)は全く勉強せず、毎日友人たちと遊んで暮らしていた。今の状態では大学への内部進学すらままならないと案じた母は、さやかに塾に通うよう言いつける。彼女は金髪パーマにピアス、厚化粧にミニスカートのへそ出しルックで渋々入塾面接に行き、教師の坪田と出会う。(「シネマトゥデイ」より引用)

 

試写会場に入る前に友達とご飯食べながら「もしかしたら物すごい名作で号泣しちゃうかも知れないじゃん~」とか笑っていたのだけど~(すごい失礼。)始まってみたら本当にビックリするほど泣いていた自分…(ホントに…反省してるから…)

どうせ邪魔が入ったり嫉妬されたり妙な恋愛展開になったりするんでしょ~という予想は当たらず、脳天気な女子高生が1人の塾講師と出会う事で本当に真っ直ぐ努力して夢を掴む話だった。

それと同時に展開される家族の確執と雪解け。子育てしてきた身にとっては考えさせられることが多かった。

劇中の家庭はやけに極端であり、どこまで実話かは解らないが、「子どもの夢のレールを親が敷く事」と「子どもが自ら選んだ道をただ応援する事」については色々と身に覚えがあるだけにグサグサ来たわ。

頑固で偏屈で夢見がちな父親を演じた田中哲司と、馬鹿親なのか親ばかなのかというくらいひたすら娘の味方でいる「あーちゃん」を演じた吉田羊に泣かされた。

こんな凄い母親にはなかなかなれるモンじゃない…。

坪田先生の信頼できる温かさも伊藤淳史の演技から充分窺えたし、主人公がやる気になっていく描写に説得力があった。

虐めや嫉妬などの不要なベタ展開にはならず、登場人物みんなを応援したくなる気持ちいいストーリーだった。(ヤスケンは「ぉぃ」って感じだが…最後が面白かったから、まぁいいや。> )

原作に関しては「偏差値が高い私立に通って高額な塾代を払える家庭環境にあって慶応受かって当然」のような「偏差値40上げは嘘だ」という評価も多いらしい。

…が、映画は映画で、フィクションとして見れば良いと思うのだ。「受かる」という結末ありきのストーリーなのだから、その過程を楽しめばいい。

「可能性」を捨てないという事は大切な事だと。例えこれがフィクションだとしてもそう思わせてもらえる良作。

『天使のわけまえ』辺りからずっと注目してきた野村周平くんのイケメンっぷりも見てね。♥
  

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  ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 

    


男子は父親が、女子は母親が育てればいいという考えのあの父親にはムカムカしっぱなしだったが、子どもに夢を託してしまう気持ちは理解できなくもない。

子育てって本当に試行錯誤だからね。子どもにとってはいい迷惑だろうが、正解のないお仕事なのである。ある意味結果オーライなのが子育てという業務。この家族が完全に壊れるような事にならなくて良かった。

こういう父親がいたから、さやかも見返す気になったわけで、反面教師になる事もまた子育ての結果オーライ。

しかし「聖徳太子」を「せいとくたいこ」と読み、日本地図を丸1つで表し、東西南北の位置も解らない……そんな女子高生が講師に敬語を使うようになるまでの変化はまるで『アルジャーノンに花束を』を見ているようだったよ。。

合格したのは解っているわけだが、それでも本当に幸せな気分になった。父親の背中に乗っかるラストシーンもいい。家族の物語として上手い締めくくり。

誰かを応援したくなる…気持ちいい映画だった。


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