僕だけがいない街
監督: 平川雄一朗
キャスト: 藤原竜也、有村架純、及川光博、杉本哲太、石田ゆり子、鈴木梨央、中川翼、林遣都、安藤玉恵、淵上泰史、高橋努、福士誠治、森カンナ
公開: 2016年3月19日
2016年2月25日(試写会)
原作は『ヤングエース』で連載中(2016年3月現在。4月に終了予定)の三部けい氏によるヒットコミック。
当方は原作未読、フジテレビ「ノイタミナ」枠で放送中のアニメ版を視聴中。(2016年3月終了予定)
2月25日。キャスト登壇完成披露試写会に行ってまいりました。
登壇されたのは、主演の藤原竜也さん、有村架純さん、鈴木梨央ちゃん、中川翼くん、及川光博さん、石田ゆり子さん、杉本哲太さん、そして平川雄一朗監督。
この竜也の後ろの後ろの後ろの…方に私がいるわけです。同じ室内の空気…ぃゃ、めっさ広いけど…でも幸せ。♥
竜也はいつも通りの落ち着いたイイ声で「原作のファンの方もいらっしゃると思いますが、映画の方も素敵な作品に仕上がったのではと思っております」と、挨拶。有村架純ちゃんも「美しい作品になっています」と語ってくれた。
ここでビックリしたのが鈴木梨央ちゃんね…。「みなさん、今日は楽しんで行ってくださいね!よろしくお願いします!」と、エラいハキハキと大きな声でシッカリ喋ってはりましてん…さすが、子八重で子あさ(笑)
その前の石田ゆり子さんがあがり症なのか言葉をものすごく選んでいたものだから、落差に目が丸くなってしまったわ(笑)。もう…なんていうか…大女優のオーラで、カワイイとか言っちゃいけない雰囲気だった。。
だから、その後の中川翼くんの「ぼくは舞台挨拶をするのが夢でした」というのが、もう子供らしくて可愛くて…会場からも「かわいい~」の声が。。>
杉本哲太さんは、「ジャーナリスト役の澤田です。澤田、澤田、澤田をよろしくお願いいたします!」ってメチャクチャ連呼してた。まぁ…連呼したくなる気持ちも解らなくはない。たぶん、アニメ版の澤田も連呼したいだろうと…(略)。
監督がここで「この〇〇に〇〇〇〇〇す」と思い切りネタバレ宣言しちゃって、ノイタミナ視聴中の身としては、おいおいって…。。
まぁね、犯人は誰だ!っていうだけの話ではないので、イイっちゃいいのですが、一応ミステリーだから。そこを楽しみに見る人も居るんじゃないかなって。。
あ、たぶん、原作もアニメ版も見ていない方にとっては、何も感じない事だと思います。…だから気にしないでください。
ちなみに、試写会の段階ではまだアニメ版では暴露されていなかった犯人も、3月10日放送回ですでに解っています。
つまり、アニメ版も実写映画版も同じ道を辿っているので、原作通りということなのかもね…と、今はアニメ版の方を劇場版を思い出しながら見ているのでした。
◆あらすじ
パッとしない漫画家でフリーターの藤沼悟(藤原竜也)は、事件や事故を看破するまで時間がループする現象・再上映(リバイバル)が起きるようになる。何度もリバイバルを経験する中、母が何者かに殺害され彼は突如18年前に戻る。小学生のころに起きた児童連続誘拐殺人事件と母の死の関連に気付いた悟は、過去と現在を行き来しながら事件の真相に迫っていく。(シネマトゥデイより引用)
では簡単に映画の感想を。
先ほども書いたように、当方はアニメ版を視聴中の身なので、どうしてもアニメ版と比較する見方しかできない。
しかも、アニメ版はまだ完結していないのである。(この試写会の段階では犯人すら解っていなかった。)よく知らないけれども原作の方もまだ完結していないらしい。
だから、当然、この劇場版は原作と違うオリジナル展開になるのだと思い込んで観た。しかし、ノイタミナ視聴中の皆さま、これは思った以上にアニメどおりです。。
だから結末を知りたくないという方は、最終回が終わってから観に行った方がいいかも。
もっとも、アニメの最終回が劇場版と同じになるかどうかはまだ解らないけれども。
やはりアニメを見ている身としては、ちょっと物足らないのだった。結局内容は沿っているので、2時間の映画はアニメ版のダイジェストのようになってしまっているから。
アニメを実写で見てみるという見方でいいとしたら、キャストは皆さんとても合っていた。個人的にはアニメ版の愛梨はあまり好きじゃないので、実写の方が落ち着いた可愛さがあって好印象。
リバイバルの演出も自然。
犯人はアニメで見ている時からほぼ想定していた通り…。まぁ…この実写版だとね…もう…(略)
アニメ版はものすごく出来がいいので、これを実写にしたらどうなってしまうのだろうという不安はあったが、ダイジェスト版としては良かったと思う。そこはもう、与えられた時間が違うのだから仕方ない。
竜也も舞台挨拶で言っていたが、この話は子ども時代の懐かしさと優しさと切なさとでキラキラした作品なのである。
過去に戻って未来を変えるというストーリーはバタフライ・エフェクトのようだが、子どもたちのひたむきさがこの世界に独特の切なさを構築している。
子供たちの一途さに泣けるのね。鈴木梨央ちゃんと中川翼くんは、本当に素晴らしかった。2人のひたむきな演技がこの作品を美しくしていた。
ただ、その時間が少なくて物足らないのである。実写だと大人の事情で子供時代ばかりやってるわけにはいかないしね…。
原作も知らずアニメも見ていない方にとっては別に気にならない所かも知れないので、そこはもう…あくまでも個人の感想ということで。
原作の元々持つ切ない世界観がちょうど平川雄一朗監督と合ったのではないだろうか。
切なくて美しい物語。
(でも結末には納得いかない…アニメ版の結末を待つ)
ここから下ネタバレ↓観てない方は観てから読んでね
監督……まぁ、もう解ってはいたけど、「この中に犯人はいます!」って、予想のダメ押しだから。。
アニメ版を見ている者にとっては、まぁ、八代で決定だろうけど、それじゃ簡単すぎるから実は本当に容疑者の勇気さんか、母親なのでは~~という線も残っていたわけで、登壇者の中に林遣都と安藤玉恵が居ない段階でホントに八代に決定じゃん(笑)
もっとも、キャストの段階でミッチーだろってアリアリと解るし…上手かったわ。本当に。
アニメの八代も明るくて頼もしくて善良そうで…でも、怪しいんだよね。目線が。。
舞台あいさつでミッチーが「原作のあるものは読み込んでなりきる」と言っていたけれども、素晴らしかった。八代その物だったよ。
子供時代に戻った悟は本当は身体は子ども頭脳は大人♥ なワケだが、その行動は子供時代に溶け込み、現代では死んでしまっている母親も雛月加代も愛おしくて切なくて、どうしても助けたい…頑張れ小さい悟!と思いながら見てしまう所は同じだった。
虐待を避けるために家出して悟の家に泊まった翌朝の朝ごはんに泣きじゃくるところ。胸が詰まった。この子の人生に初めて与えられただろう温かさが凝縮されたシーン。食事は人間形成の基本だ。(子どもにずっとロクな朝ごはん食べさせて来なくて別の意味でも胸が詰まる……ぃゃ、もう…何と言ったら…。)
朝ごはんのシーンと雛月加代の「わたしだけがいない街」朗読は、この劇場版でもアニメでも心に残るシーンになった。
「わたしだけがいない街」
今よりもっと大きくなって一人でどこへでも行けるようになったら
遠い国へ行ってみたい。
遠い島に行ってみたい。誰もいない島に行ってみたい。
辛いことも悲しいこともない島に行ってみたい。
その島で私は登りたいときに木に登り、泳ぎたいときに海で泳ぎ、眠りたいときに眠る。
私は私だけがいない街のことを考えると気持ちが軽くなる。
遠く、遠くへ行きたい。
この子が自由になれる未来には心からホッとする。
ここから先はもう…
ちょっと、なぜそうなる…?
現在、議員であるような人がそんな犯罪やって大丈夫なの?
とか、あそこで川に落とされて死んだだろう悟が、現在でも存在しているのは合わないんじゃないだろうか。とか、
そのために、あそこで落ちるのだろうが、落ちるまでの生きている時間はなんだったのだろう、とか、
色々と謎なのだった。
そこはアニメの結末を楽しみに見る予定だけれども…実写の方の結末は矛盾。。
過去を変えた時点でパラレルワールドは生じていそうだけれども、そうすると、やはり母が殺される時間軸も雛月加代が助からない軸もどこかに存在しちゃうんだろうな…と考えると複雑。
悟も助かる世界がほしい。
「私は私だけがいない街のことを考えると気持ちが軽くなる。」
悟は決してそんな事を考える子どもではなかったのだから。
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comment
予算の都合で車を川に沈めるのはやめて橋から落とそうとした時点からのダメダメぶり、そして最後の脱力感。記憶に残る映画です。(ダメな意味で)
BROOKさん
私がこの記事を書いた翌週のアニメ版から展開が変わってきたのですが、アニメ版の終盤はとても納得いく展開です。
(このレスの段階で、まだ最終回を残しています)
実写版の終盤がおかしいのは、大人の事情を感じます。
つまり…あいり役の人をいっぱい出さなくてはならない事情?^^;
アニメ版を見ないで実写版を見られた方の評価が知りたかったので、それでも面白いということで、ちょっと安心しました。
(いや、竜也のファンとして(笑))
ちょっと終盤が雑だったような気がしますよね…(汗)
橋からドボンの後の展開をもっと丁寧にして欲しかったです。
あれでは、何が何やら…
そもそもどうやって助かったのだろう?
それでも、ミステリーとしてはなかなか見応えがあり、
最後まで楽しめました♪