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『罪の余白』ダブルバインド

罪の余白

   

監督: 大塚祐吉
キャスト: 内野聖陽、吉本実憂、谷村美月、葵わかな、宇野愛海、吉田美佳子、堀部圭亮、利重剛、加藤雅也


公開: 2015年10月3日  観賞: 2016年5月6日(DVD)

 

お話としては面白かったけれども、劇場観賞を見送って正解だったかも。
たぶん、テレビの2時間サスペンスドラマだったら絶賛していると思う。

テレ朝系列制作の映画と一瞬思ってしまったけれども違うのね…ぃゃ、どうしてだろう。やっぱりウッチーだからかも(笑)

◆あらすじ
女子高に通う加奈は、ベランダから転落し命を落としてしまう。彼女は、女子高のカーストの中でトップに君臨する咲(吉本実憂)に憧れる友人グループの一人だった。加奈を男手一つで育ててきた安藤聡(内野聖陽)は自責の念にかられており、娘の死は事故だったと信じていた。ところが、死の真相を探ろうとする安藤の前に咲が立ちはだかり……。(シネマトゥデイより引用)

ウッチーのパパは冒頭はすごく良かったんだけれども、やっぱり後ろに行くほど倉石だった…。
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娘と2人で水槽を覗く時の声は本当にナイーブで優しそうで、久々に『ふたりっ子』や『不機嫌なジーン』の頃のウッチーを思い出したのになぁ…。

なぜ、物語が動き始めると刑事や検視官のようになってしまうのか。

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たまには、もっと優しくてソフトで繊細なダメ男のウッチーが見たい。

もっとも、この映画のウッチーも充分ダメ男ではあるんですけどね。

駄目なのに核心ついたような顔だけはしているから何だかイライラするの(笑)

まぁ…こんな目に遭う親なんか滅多に居ないわけなのだから、こんなことになっちゃったらアレコレと試行錯誤するだろう。その気持ちは解る。解るけれども、自らハマっているよね。。

一体、どうしてそんな陥れられやすい行動を取るのだろう…と父親に対してヤレヤレと思う一方で、女王のようにこの世界に君臨する咲の方は見惚れるほどの堂々っぷり。

吉本実憂さんって「表参道高校合唱部!」の子だよね。 私はアレを虐め部分が嫌で脱落したので、あのまんまのイメージ。本当にイラつくほど憎らしい女(笑)
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上手いってことだよね。この映画のほぼ全てを彼女が持って行っている。

ストーリーとしては娘と虐めとスクールカーストの狂気と…という部分で「渇き。」と、ちょっと被る。あのくらいぶっ飛んだ演出でこれを見てみたい気がする。

本当に「普通」なのだ。だからテレビドラマで充分…と思ってしまうのね。もったいないな。

しかし、この映画の中に教訓はある。

1つには、もしも子どもが学校で不審死した場合、親がやってはならない行動がこの作品に詰まっている。

もう1つには、JKは恐らく案外狡猾だってことである。

頑張れ、大人。

 

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 

    


 

一緒にパソコン開いちゃうとかバカなのか…。

咲が加奈を殺したに違いないという目星をつけた所までは素晴らしかったのに、その後の行動が何ともお粗末。

あんなにフラフラ学校周りをウロついていたら通報されるわ…するわ。

加奈だけに打ち明けたらしい女優への夢。

スカウトされた事務所で泣いていたが、広い世界に出たら自分がカーストの頂上では居られなくなる不安や、それでも頂点でいたい夢の大きさを表していたのか…よく解らなかった。

彼女にも彼女なりの子供らしい弱さはあり、その弱点が「余白」なのだろうが、そこを訴えるにはクライマックスの展開が浅い。

大体、なぜヒョコヒョコと呼ばれて家に行ったのだろう。ラストまではあんなに狡猾だったのに突然浅はかなJKになっちゃって…残念過ぎだわ。

2つのメッセージを駆使する「ダブルバインド」の使い手に翻弄されて生きていけなくなった加奈。

せっかく行動心理学でそこを教えていたのに、ちっとも生かされなかったね、パパ。

『罪の余白』公式サイト

 

 

罪の余白【Blu-ray】 [ 内野聖陽 ]

 

 

 

 
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・象のロケット

★前田有一の超映画批評★

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