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『ミュージアム』カエル男ネタバレの刑

ミュージアム

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監督: 大友啓史
キャスト: 小栗旬、尾野真千子、野村周平、五十嵐陽向、丸山智己、伊武雅刀、田畑智子、市川実日子、大森南朋、松重豊、妻夫木聡


公開: 2016年11月12日  観賞: 2016年10月31日(試写会)

ポスターまでキャスト名明かさず「カエル男」で通してたのに、どうして封切前にネタバレしちゃうのよ~~。

……と、思っていたけれども、これ、バラされなきゃカエルキャストが誰だか解らなかったかも(笑) いやぁ、本当に気持ち悪かったよ(誉めてます)

◆あらすじ
現場に謎のメモが残される猟奇殺人事件が矢継ぎ早に発生するが、その事件は雨が降る日のみ起こっていた。一連の事件の関連性を察知した沢村久志刑事(小栗旬)は、自分の妻子が狙われていることを知る。やがて、カエルのマスクをかぶったカエル男の存在が浮かび上がり、犯人に近づいていく沢村だったが、カエル男の仕組んだわなにはめられ窮地に陥り……。(シネマトゥデイより引用)

ネタバレ、と言えば、あのシーンもあのシーンも予告に入れないで欲しかったなぁ……。

衝撃度で言えば、あのシーンは初めてカエル男がバーーーンっと主人公標的で出てきた重要なシーンだし、あのシーンは主人公サイドのエピソードとしては初の不条理シーンなのに。「あのシーンあのシーン」いうなよって、あ、すいません(爆)

 

って、ことで…甘いネタバレとしては、これで年齢指定がないって本当なのいいの前評判通りの和製『SE7EN』キャッチコピー通り。

はい。グロイです。

試写会場、お子さま連れがたくさんいらしてましたが、お子さまにはあまり見せない方が良いと思いますよ。(何より、ハ〇〇ー〇食べたくなくなります(笑))

公式サイトにガッツリ載ってる「5つの私刑」もネタバレじゃないんだろうか、と思いつつ、タイトルだけネタバレされていてもこれ以上ないほどの映像の破壊力。(だから。子連れダメだってば。)

この辺は「Seven」をご覧になった方ならば、みなさん「おお、よく出来ている」と思われるはず。

降り続く雨のうっとおしさ、異様な殺人鬼、主人公サイドに迫る狂気の正体、暗くて不気味なほど鮮明に残る映像美は『龍馬伝』『るろ剣』の大友監督真骨頂。

『別ノート』を観てから続けて試写会に入ったからというのもあるけれども、同じように人が理不尽に処分されていく中、とことん遺体の美しさと澱みないストーリー展開を繰り広げていく手腕に見入った。

前半は。

和製『Seven』か…と思われた前半の魅力が後半になるとちょっと失速し、終盤になると「キャッチコピー…ぇ…」と落ちてくる。

まぁ…そうだよね。
いや、期待していたわけじゃない(と思うんだけど)ここは、〇〇〇エンドが自然じゃね。と、つい思ってしまうのよ。これ以上書くと結末に触れるのでここには書かないでおく。

私は大友監督が描いてきた幕末感が好きで。

戦って戦ってたくさんの犠牲の上に今と未来がある。
戦った結果、上に立った者が決して正義なわけではなく。
理不尽なことの連続でも、それでもそこへ至る努力をした人たちは輝いていた。

大衆向けのエンタメ枠の中で、確かに現代へのメッセージを残してくれる。
過去作のそこが大好きだ。

けれども、この作品にはストンと落ちるメッセージがなかったのね。
むしろ…
ラストの方は疑問符だらけになってしまった。

もっとも、それは恐らく原作通りなのであって、原作を読めばそういう点も納得できるように描かれているのかもしれない。(だとしたら、映画は描き足りないことになる)

いや、サイコサスペンスとして、絵作りは素晴らしかったと思います。
個人的にストーリーは今ひとつ。

役者さんがとにかく素晴らしく、オノマチさんだからこの妻でもまだ許されるなぁと納得するシーンがたくさんあった。

そして、陽向くんね!!
この子が五十嵐陽向くんだから、親父、ちゃんとしやがれよ(怒)と思えるのだった。可愛いは正義すぎる。

あとは、もちろんカエル男(もうネタバレしてるのにしつこく隠してあげている(笑))。引くわ~~(笑)引くほど素晴らしい。

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね

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試写会から2週間。ハンバーグ、未だに作る気にも食べる気にもならなくて、どうしてくれる(爆)

5つの私刑

・ドッグフードの刑
・母の痛みを知りましょうの刑
・均等の愛の刑
・針千本のーますの刑
・ずっと美しくの刑

これが全部、ある死刑判決裁判の裁判員繋がりだったという展開は面白かった。

当然、容疑者の身内など関係者の犯行を疑うところを、自分の犯行だと認められなかった真犯人の復讐…つまり「私怨」。すなわち「私刑」と。
なんていう身勝手な…という話。

最近のサスペンスではアルアルな流れだけれども、この展開も面白かった。ただ、遥に関してはねぇ…。ここでよぎるポスターのキャッチコピー…。

あなたは最悪のラストを期待する。

いや、期待してたわけじゃないけど、この流れなら最悪のラストになるのが自然じゃね……。

今までバンバン美しいご遺体を作っていたカエル男さんよ、どうしてここに来ていきなりまだるっこしい手順を踏みまくるんですか。

主人公だから主人公だけには流れ弾が当たらない、当たっても死なない法則(笑)

あんな首の作りものなんか冷蔵庫に入れちゃって馬鹿みたい…突然撃ち合いなんかになっちゃって意味解らないと思いつつ、陽向くんが生きてて良かった!!と、そこだけはホッとする複雑な気持ち(爆)

そして、もう一つの納得できないこの作品のメッセージ。

裁判員、やりたくねぇ……。

裁判員が狙われたというゆゆしき事態のこの結末。

これ、このまま終わったら、誰も裁判員やりたいと思わなくなるけれども、それでいいのだろうか。

あっ、この作品自体が「裁判員制度に反対する」目的で作られた作品なのかな。

そうならば、それはそれで正しい作り(そうなのか。)

事件自体は、それが切っ掛けで意外だったし面白かった。

けれども、ラスト近くに遥にインタビューするジャーナリストの下りね。

「あなたは自分の一票で冤罪死刑された人が出たのによく平気でいられますね」って…。

もう「裁判員なんか辞めようぜ」メッセージのダメ推し。

もしも責任を持って裁判に挑もうとかそういうメッセージなのだとしたら、それはそれで、もっとシッカリ描かないと…。

あとは、個人的には「仕事と私とどっちが大事」案件はあまり好きじゃないんですよね。働く事は罪なのか。

お父さんは働いてお金を持ってきてくれるだけで充分素晴らしい…と常々思ってる方です、はい。

しかも、特に浮気するわけでも借金するわけでもなく市民のために働いてくれている人に「父親失格」と言われても~。

だから私刑になりかけたんじゃんって話だが、最終的には「市民のために治安を守るお仕事よりも子供の運動会の方が大事だよ」って結末になっちゃったし。

でも、まぁ、陽向くんだからね。陽向くんがカエル男パート2にならないようにシッカリ育てるのは国民に対する義務。可愛いは正義すぎ……(結局そこ。)

『ミュージアム』公式サイト

ミュージアム [ 巴 亮介 ]

新装版 ミュージアム 完本(上) [ 巴 亮介 ]


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・象のロケット

★前田有一の超映画批評★

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comment

  1. nakakuko より:

    BROOKさん
    「セブン」にはほど遠かったですよね(笑)
    映像的には楽しめました^^
    自分的には何よりも「これでいいのか裁判員」の描き方が気になります。

  2. BROOK より:

    >どうして封切前にネタバレしちゃうのよ~~。
    私もどうして?って思いましたが、
    いやはや、あれではクレジットを見るまでは誰だか分からないような気がしますね。
    それを見越しての発表だったのでしょうね^^
    一応、雰囲気は「セブン」っぽいのは納得なのですが、
    終盤のグダグダっぷりがちょっと…。
    もう少しカットして上手くまとめて欲しかったです。
    一応…展開は悪くなく、最後まで楽しめました♪

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