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『マネーモンスター』エンターテイメントの価値

マネーモンスター
~ Money Monster ~

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監督: ジョディ・フォスター
キャスト: ジョージ・クルーニー、ジュリア・ロバーツ、ジャック・オコンネル、ドミニク・ウェスト、カトリーナ・バルフ、ジャンカルロ・エスポジート
公開: 2016年6月10日  観賞: 2016年6月10日

 

ジョディ・フォスター監督作品にして本人は出演せず、制作に徹した事で話題の本作。

95分と非常に見やすい時間で緊張感もあり手堅くまとまった印象。

株の上げ下げがショーになるアメリカという国で起きたショーのような事件…。
顛末も…ちょっとショー的。

◆あらすじ
リー・ゲイツ(ジョージ・クルーニー)が司会を務め、その巧みな話術で株価予想や視聴者への助言を行う高視聴率財テク番組「マネーモンスター」。番組ディレクターのパティ(ジュリア・ロバーツ)の指示を聞かず、アドリブ全開でリーが生放送に臨む中、拳銃を手にした男カイル(ジャック・オコンネル)がスタジオに乱入してくる。彼は番組の株式情報によって財産を全て失くしたと憤慨し、リーを人質に番組をジャック。さらに放送中に自分を陥れた株取引のからくりを白日のもとにさらすようパティに迫るが……。(シネマトゥデイより引用)

怠慢警備の隙をついて部外者が信じられないほど簡単に入れちゃうセキュリティの甘さ…日本のテレビ局の方がもっと厳重そう。。

クルーニーさんは素敵だけど、金ぴかハットを手に踊っちゃったりする姿は何だかね…日本のタレントで言ったらこれ、踊る みのもんたくらい反感買う姿かも(笑)(つまり、金持ちが金融解説しながら偉そうに踊ってる…みたいな。)
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株価の上げ下げもショーで見せちゃうアメリカという国、高視聴率らしいし、ドリームを求める人が多いのだろう。

けれども『マネー・ショート』でも語られた通り、負け組の上に勝ち組が立つシステムである。こんなタレントのいうままに売買してたら大事故も起ころうというもの。

そんなこんなでカイルくんには全く同情できなかった序盤だが、番組ジャックは時にゲイツに主導権を握らせ、時にプライドをズタズタにし、時にカイルくんに憐みを誘う…というなかなか飽きさせない展開。
 
ベタと言ったらベタだけれども、最終的にはただの金融ミステリーに収まらない人間ドラマなのだった。
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物語と同じくキャストもクルーニーさん、ジュリア・ロバーツ始め手堅く上手い。どこまでも「ショー」。 ジュリア・ロバーツも好きだけれどもアイビスの広報担当・ダイアンを演じたカトリーナ・バルフさんが、ちょーお美しい。
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『SUPER8』でお母さんの役をやっていらしたらしいけれども全然記憶にないなぁ。
アイルランド出身のモデルさんで、『ピープル』の「世界で最も美しい50人」に選出されているらしい。

彼女の活躍もチェックして。

お話としてはとても面白かったけれども、ちょっとテレビドラマ的かなぁとも思う。

「相棒」や「踊る大捜査線」みたいな刑事ドラマシリーズの1本としても似たようなネタはありそう。(スケールは小さくとも。)

そして個人的には、あの結末には納得出来てないから…。

ああいう方向に持っていくことで、より安いショーになっちゃった気がするの。

よくも悪くもザ・エンターテイメント。という事で。

 

ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね 

    


 

番組がジャックされるという展開は予告で散々見ていたのだが、序盤では、あれ、『テロ,ライブ』のリメイクだったっけ…と思ってしまった。。

最終的には『テロ,ライブ』よりもエンタメ的で、あんなにゲスくもなく、深い闇も無かった。

だから、本当にただの娯楽作品だ。

テレビで訴えれば株価は上がると信じ、「さあ、オレの価値はいくらだ!?」とゲイツがカッコ良く言い放った途端に下落するシーンと、カイルくんの彼女には笑ったわ(爆)

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こうして金持ちも有名タレントも、カモにされる貧乏人もみんな同じだ、ただの視聴率稼ぎのネタなんだと気づいた2人が手を携えてアイビスの不正を暴く展開、結構好きだったよ。

なのに、どうしてラスト、カイルくんを殺してしまう必要があるのだろう。

負け犬が死んでも熱狂していた視聴者は気にも留めない。今日もテレビも金融も同じように動いていくよ…という苦さを残したかったのだろうが、「ほら、苦さ残したよ!ドヤッ!」というあざとさを感じてしまった。

世の中はすっかり元通り。不正のネタコラだけがYouTubeで再生回数を稼いでいるよ、平和でクズな国だねという皮肉と、でもカイルくんも生きていてゲイツだけは彼を忘れないよ、という温かさやユーモアを残してくれればもっと名作になった気がする。

悲劇作ればいいってもんじゃないと思うのだった。

『マネーモンスター』公式サイト

 

 

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・象のロケット

★前田有一の超映画批評★

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comment

  1. nakakuko より:

    BROOKさん
    同じく、投資で損をするのは自分のせいじゃんと序盤は思っていました(笑)
    計画は初めから無理くりですし、充分にユーモアもある内容だったのでラストの展開には納得行きません。
    ジョディ・フォスターって変に真面目な人なんだなって思いました^^;

  2. BROOK より:

    序盤はたしかにカイルの身勝手な行動の数々に苛立ちを隠せず…
    株で損したのは自分のせいじゃ…と。
    ゲイツとの立場が逆転してからがさらに面白くなっていきましたね♪
    >どうしてラスト、カイルくんを殺してしまう必要があるのだろう。
    やはり不満点はこれに限りますね。

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