インファナル・アフェア
~無間道~
監督: アンドリュー・ラウ、アラン・マック
出演: アンディ・ラウ、トニー・レオン、アンソニー・ウォン、エリック・ツァン、チャップマン・トウ、ケリー・チャン、サミー・チェン、エルヴァ・シャオ、エディソン・チャン、ショーン・ユー、ラム・カートン、ン・ティンイップ、ワン・チーキョン
公開: 2003年10月11日
2012年10月21日。DVD観賞。
はじめに・・・
この記事は、ちょっと普通の映画鑑賞感想とは違います。
10月15日にTBSとWOWOW共同制作の「ダブルフェイス 潜入捜査編」というリメイクドラマが放映されまして、その前編がTBS地上波放送。後編「偽装警察編」はWOWOW放送。
後編を見たければWOWOWに加入してね。加入してない人は12月か1月にTBS地上波で放送してあげる。
…という事で、WOWOW未加入者は、
うぉぉぉぉぉぉーーー!!そんなに待たなきゃなんねーのかよーー!
と悶々とすることになったわけです…。
で、前編を見た方から、ほぼ原作の「インファナル・アフェア」に忠実だとお聞きしたので、先が知りたくて借りてきました…。
ちなみに、当方はハリウッドリメイクの2006年「ディパーテッド」は劇場観賞済みです。しかし、あまり記憶にない。なぜかレビューもない。
ということで…以下は映画感想というよりも、ほぼドラマの比較感想になってしまっています。
ご了承ください。
しかも、この映画が作られたのが今よりも10年も前だと考えると、やはりオンタイムで鑑賞された方々とはテンションも違うと思いますので、そこら辺もご勘弁ください。
まず、そういう事情で見たので、初っ端の警察学校に送り込まれるシーンには馴染めませんでした。
この部分はドラマ「ダブルフェイス」の方には無かったからです。
しかも、ヤン役もラウ役の役者さんも アンディ・ラウとトニー・レオンとは似ても似つかなかったので、正直何をやっているのかサッパリ解らなくて、後々から「あ、本人の過去?」と気付いたくらいです。
ここは、ご本人が若作りして出ても良かったのでは…という気がします…。別に「子役」ってほど幼い役ではないんだし、特に、トニーなんかヒゲを剃るだけでOKだった気が…。
しかし、このシーンは、この映画を語る上で非常に重要な部分だと、ラストには解ります。ここがあるからこその「情緒」なんですよね。(だから余計にちょっと残念…)
あとは、全体に渡ってスリリングです。
警察のスパイとなったヤンと組織のスパイとなったラウ。
お互いが自分の居場所が何処なのか解らない不安を抱え、時には正義感で、時には罪悪感で、生き延びるためにただ動きます。
しかし、映画の方は2人のキャラクターが割と軽めだったことに驚きました。
もちろん、明るさは本当の自分を隠すためのものなわけですが、それぞれに癒しの場所がガッツリ用意されています。
ドラマ版ではラウに相当する高山・香川照之の妻は出てきていません。高山はひたすら仏頂面でおっかないイメージです。
(後半に蒼井優が出てくるので、彼女が相当する役なのかも)
ヤンにとっても、診療所がかなり居心地良さそうですよね。こっちはリメイクドラマ版にも出てきましたが…とにかく、キャラクター含め、リメイク版は悲壮感漂った感じだったのです。
しかし、その重さと冷たさが良かったので…これはお国柄もあるのかも知れません。
映画記事としてはあまりネタバレできないので伏せますが、あの「タクシーにバーンっと」……の部分に流れる悲しげなお歌のBGMも…あまり日本人好みではないと思われます。
この辺は「お国」よりも10年前だから…なのかも知れませんが。
そういう相違点以外は、映画はリメイク版ドラマとほぼ同じだったので、前半はドラマの短縮版のような気持ちで見ていました。
何せ、セリフやカットまで同じ部分もあったくらいなので…
「タクシーにバーンっと」……直後のヤンと森屋(西島秀俊)とか。
2人は顔も何となく似てますよね。2人とも大好きーーー。♥
という事で、前半部分は「ドラマのおさらい」のように観賞して、後半に突入します。
ここから先はドラマ版「ダブルフェイス 偽装警察編」部分のネタバレになります。
ここから下ネタバレ↓観てない方は観てから読んでね
ウォン警視(ドラマ版→角野卓造)のタクシーにバーーン…シーンの後、ヤンは普通に組織に戻ります。
自分にビル集合を教えてくれた弟分(ドラマ版→伊藤淳史)が犬だったという事で収まったのです。
ヤンはここで1つ大きな後ろめたさを背負わなくてはならなくなったわけです。
一方、警察所内ではラウも同じように後ろめたさを感じていました。
自分としては、ウォン警視を殺すつもりは毛頭なく、ただ誰と会っていたのかを掴むだけのつもりであったからです。
署内はウォン警視の敵討ちムードに溢れており、このような結末を招いてしまったラウはますます居心地悪くなっていくのでした。
そんな折、ウォン警視の遺品の中の携帯電話を見ていたラウは、ここに発信記録が残されているのでは、と思いつきます。
(え、普通真っ先に鑑識に回るでしょ、と思うかもしれませんが…まぁ…10年前の映画だし…もう署内はウォン警視を全く疑ってないから調べるなんてとんでもないってムードで…とにかく、このシーンは緊張感あふれるシーンなので細かいことは気にしないでくださいっっ )
そして、履歴の中から怪しい通話記録を発見。
果たして、電話はヤンに繋がり、2人は会話を交わすことになるのでした。
そこで、意外な事に2人は手を組む事になります。
この時点で、ラウはヤンが犬だと解っています。ヤンの方は、ラウをただの捜査官だと思っています。
手を組んで組織を潰してしまおう、というわけです。
そうすればラウは晴れて自由の身です。
そして、組織のボス・サムの殺害に成功したラウは……ヤンとの約束を違えて、ヤンの警官である記録を全て抹消してしまうのでした……。
その事に気付いたヤンは、そこで初めて犬がラウであったと気付き、対決シーンが訪れるのです。
……ここから先は、もうネタバレしない方がいいと思われます。
ラストシーンはご自分の目でお確かめ下さい。
ラストまで見て、なぜこの映画が「無間道」なのか、理解できると思います。
ラウは、もうずっと…抜け出すことはできないんですよね…。
ドラマ版に登場していないラウの妻の登場シーンが、私はとても好きです。
ラストだって…すごく重要な人ですよね…。
この人がいないドラマ版は、どう閉めるのか楽しみです。
重い物がズッシリ残る作品でした。
当分は尾を引きそうです。
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