ホビット 決戦のゆくえ~ THE HOBBIT:THE BATTLE OF THE FIVE ARMIES ~
監督: ピーター・ジャクソン
出演: イアン・マッケラン、マーティン・フリーマン、リチャード・アーミティッジ、ベネディクト・カンバーバッチ、ルーク・エヴァンス、エイダン・ターナー、ケン・ストット、グレアム・マクタヴィッシュ、ディーン・オゴーマン、ジョン・カレン、ピーター・ハンブルトン、マーク・ハドロウ、ジェド・ブロフィー、アダム・ブラウン、スティーブン・ハンター、ジェームズ・ネスビット、ウィリアム・キルシャー、イアン・ホルム、ヒューゴ・ウィーヴィング、ブレット・マッケンジー、ケイト・ブランシェット、リー・ペイス、エヴァンジェリン・リリー、ジョン・ベル、スティーヴン・フライ、ライアン・ゲイジ、クリストファー・リー、シルベスター・マッコイ、マヌー・ベネット、ローレンス・マコール、バリー・ハンフリーズ、ミカエル・パーシュブラント
公開: 2014年12月13日
2014年12月13日。劇場観賞。
今、この時代に出来うる限り最高の映像と世界観で構築された最高のファンタジーだと思う。
LotR3部作からここまで、全部劇場で観る事ができる時代に生まれてきた幸福…。
本当にこれで終わってしまうのかなぁ…。もっともっとこの世界に浸っていたいよ。
あらすじ
ドワーフの王国を取り戻すべく旅をしていたホビット族のビルボ・バギンズ(マーティン・フリーマン)やドワーフのトーリン(リチャード・アーミティッジ)らは、竜のスマウグからついに王国を奪い返す。しかし、スマウグは人々を襲い、その一方でトーリンが財宝を独り占めしようとし、ビルボがそれを止めようと危険な選択をしてしまう。そんな中、宿敵サウロンが奇襲を仕掛け、ドワーフとエルフと人間の間では対立が深まり……。(シネマトゥデイより引用)
思えば「ロード・オブ・ザ・リング」を熱愛していたものの元々ドワーフさんには一番思い入れがないんだよね…とか言いながら見始めた『思いがけない冒険』。
あれからちょうど2年。
今ではドワーフさんたちも自分の中ですっかり愛おしい人たちになっている。
冒険の間に彼らの不器用で頑固で向う見ずな性格も可愛くて可愛くて、失敗しては素直にビルボに謝ったりするツンデレなトーリンにも愛おしさを感じていたものの…。
今回は、ちょっと様子が違うのだった。
冒険の果て、やっとエレボールに辿り着いた『竜に奪われた王国』。
はなれ山を支配していたスマウグが町を襲いに出て行ったのをビルボは激しく後悔していたが、ドワーフさんにとって、それは好都合な出来事になってしまっていた。
こういう所もトーリンは単純である。
…って書いて行くとネタバレになってしまうので、ここから先はネタバレ欄↓で…。
観ている間、何度も泣いた。悲しかったり感動したり、終わっちゃうと思うから余計センチメンタルになっちゃって。 (そして、やはりシネプレの3Dメガネは重くてわずらわしくて泣くのにも邪魔 )
カッコつけずに感想だけ書くと…
なんなのーートーリン!!!!!
ビルボ…ぇ…ビルボ、ナイスーーー!
からの、
キーリーぃぃぃぃぃーーーーーーーー!!!!!である…。
ワケ解らないでしょ…うん…見れば解る。
ストーリー全体から見ると戦いに次ぐ戦いに次ぐ戦いで…戦闘ファンタジーである。変な話だけれども…特攻は嫌いだけれども、このシリーズの悲壮感溢れる戦シーンにいつも泣く。
そうしなきゃ守れない物のために彼らは戦う。死んでしまうかも知れなくても立ち向かうのだ。それはカッコつけのポーズでも何でもなくて、本当にボロボロだけれども美しいんだよね。
あんな結末になるとは思いもしなかったので…本当にたくさん泣かされた。
冒険の友たちとの思い出を抱えて、ビルボが戻る賑やかで明るいホビット庄の夢のような寂しさ…。
この後味は『LotR』と同じだ。
だから、再び旅に出たくなってしまう。
もう一回…『LotR』を初めから全部観たくなる。
でも、そこにはもうこの人たちは居ないんだよね。
エルフのレゴラスと灰色のガンダルフしか居ないんだよね。
今はまだドップリなので…後々追記するかも。
とりあえず、近々字幕2Dでもう一度観る予定。
以下ネタバレ感想
スマウグの出番が思ったよりも序盤にアッケラカーーンと終わってしまって驚いた。(けれどもバルドのカッコ良さは堪能した!)
しかし、スマウグの呪いのような病はトーリンを蝕む。
トーリンを信じて付き従ってきたみんなの戸惑いを見ているのが辛い。
ビルボがドングリを見せた時のやり取りが好き。トーリンの表情が少しだけ緩む瞬間。
最初はあんなに旅を拒否していたビルボが本当に大活躍したなぁ…。アーケン石を隠し持っていてスランドゥイルとバルドに渡してしまうとは思わなかった。
ドワーフさんたちのために、世界のために、一生懸命動いたビルボ。この勇気を与えたのが「愛しいしと」なのだと考えると、リングも「悪」とばかりは言えない気がする。
結局は、金も宝も使いようなのと同じで指輪も実は使いよう…だったのかも知れない。それを欲する者が純粋であれば。
自分たちさえ良ければそれでいい…という状態になっちゃったドワーフさんを見ていると、今の世の中も同じように見えてくる。
世界全体のために戦うか。
自分たちが生き延びられて自分たちが豊かならばそれでいいのか。
物語はいつの時代にも起こり得る世界中の人たちに問うている。
自分を取り戻したトーリンに従って戦うドワーフさんたちはカッコ良かった。
まさかと思っていたトーリン、キーリ、フィーリの死に泣いた…。
こんな思いをするなら愛なんて知らなくて良かった。
と嘆くタウリエルに、
愛だけは真実だからだ。
というスランドゥイル。
この人も、ちゃんとした父親だったんだな、と救われる思い。
個人的にはキーリの死が本当にショックで。
…けれども、この人は『LotR』の世界よりもずーーっと昔に亡くなっている人なんだよ…愛する人を守って看取られて死んでいったんだよ…と自分を慰める…でも、ショック。
ビルボを見送るドワーフさんたちの中にキーリの顔がないことに物すごい寂しさを感じた。だって、私にとってはキーリを見る三部作のようなものでもあったから。
だから、また最初から繰り返し見なくては。
初めて彼らが笑顔でビルボの家にやって来た、あの初めの物語から。また繰り返し見よう。
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