本サイトにはプロモーションが含まれています

『インターステラー』五次元の愛

インターステラー

原題 : ~ INTERSTELLAR ~

作品情報

監督・キャスト

監督: クリストファー・ノーラン
キャスト: マシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイ、ジェシカ・チャステイン、ビル・アーウィン、ジョン・リスゴー、ケイシー・アフレック、デイビッド・ギヤスィ、ウェス・ベントレー、マッケンジー・フォイ、ティモシー・シャラメ、トファー・グレイス、デビッド・オイェロウォ、エレン・バースティン、マット・デイモン、マイケル・ケイン

日本公開日

公開: 2014年11月22日

レビュー

☆☆☆☆

劇場観賞: 2014年11月22日

 
地球の外へ外へ向かう『インセプション』

3Dじゃなくても奥行きと沈み込む感覚を満喫した映像が宇宙へ広がる。すごい映像力。

ワームホールやブラックホールがリアルな映像になっちゃうんだからSF好きにはたまらないと思うのだ。そして、SFに興味のない方でも楽しめる親子の愛の物語も深い。

169分は、長く感じなかった。

あらすじ

地球の寿命は尽きかけていた。居住可能な新たな惑星を探すという人類の限界を超えたミッションに選ばれたのは、まだ幼い子供を持つ元エンジニアの男。彼を待っていたのは、未だかつて誰も見たことがない、衝撃の宇宙。はたして彼は人類の存続をかけたミッションを成し遂げることが出来るのか(インターステラー(Amazonプライム)より引用)

退化する地球

星新一や藤子不二雄の描いた未来の世界では、人間は宇宙服みたいな変わったスーツを着て遊園地の乗り物のような車が透明な管の中を滑るように走っていて、料理なんかレンジのような機械から勝手に出て来ちゃうわけだが…。

現実には21世紀になってもまだ手を使って料理しているし車はタイヤで走っているし、難病は難病のままだし…科学の進歩って案外ゆっくりだ。

そして、この作品では未来は進化どころか退化している。地球はもうボロボロなのである。科学や研究や大学どころじゃない。この辺、案外リアルなのかも。

父と娘の物語

序盤は父と子どもたちの微笑ましいやり取り、農夫としての平凡な生活、ちょっとした異常現象などが描かれる。それらが全て伏線になって物語を広げていき帰結する…ストーリーの作りこみも壮大。

お父さん大好きなマーフが可愛すぎて可哀想過ぎて、引き留めたくなっちゃったわ…。けれども父は行かねばならないのです。どうだろう…自分だったら行かないかもな。地球と一緒に滅びる道を選ぶかも。まっ、後ろ向きっ。。

地球上での親子の物語は案外早めに終わり、そこからはもう…怒涛のSF展開である。

知識があればこんなに楽しい映像はないってほどだが、あまりよく解らないって方も「こういうモンなのか」と思いながら見ればいいだろう。だって「サイエンス・フィクションなのだから~。

難しいわけではないけれど、一応雑な解説

ちなみに起きている現象や用語についての説明はほとんどない。SFという観点で楽しもうという意味では結構上級者向けだと思われ。

『一応知っておくといいかも…な、雑でいい加減な解説』

・ブラックホール…宇宙に実在する重力が極めて高い天体。吸い込まれたら光すら出て来られません。

・↑の「特異点」…ブラックホールの中心の事。ブラックホール自体に近づけないのだから、その中心がどうなっているのかは未知の世界。

・ワームホール…宇宙に存在する(仮定)ワープトンネルのようなものだと思ってください。宇宙戦艦ヤマトに乗らなくてもここに入ればワープできるってことで…。

・五次元…一次元は線であり、二次元は面、三次元が我々が生きる世界。これが四次元になると他の方向が加わるわけでドラえもんのポケットのように何かが出てくる空間になったりする…次元が高度になるほど方向が加わるのでもう何が起こるか完全に未知の世界。

そういう見たことない世界が次々と映像になって映し出される…本物の宇宙探検を体験する。その興奮は間違いなく劇場で体験すべきものだ。

父娘がどうなってしまうのか…も、きちんと織り込まれていく。だって、ただの親子の話では無くて、そこが無ければ始まらないんだもの。

キャストも漏れなく素晴らしい…。マーフ子役のマッケンジー・フォイちゃんには泣かされる。

あっ…こんな役でこの人がっっっっ!?…という人が出ています。予告以外の前情報は無く見たので驚いた。。シークレットなのかな。

しつこいようですが、ぜひぜひ劇場でご覧になっていただきたい…(別に宣伝マンではありません。何も貰ってないよっ)スクリーンで見る価値のある宇宙体験をどうぞ。

 


以下ネタバレ感想

 

本棚の謎……

落ちる本のサインが自分自身がやっていた事だとは思いもしなかったクーパー。そりゃそうだよね…。自分自身が「幽霊」でしたというオチは、ちょっと恐ろしくもある。

しかも、あれを落としている間は別に微笑ましい娘との交信をしているわけではなくて、まさに「HELP!」だもんな…。しかも、「俺」が気付かず行ってしまう。「STAY」っつーてんのにっっ。

TARSがいてくれて本当に良かった。あの子、かわいい…。。

時計

第一案は初めからブランド教授の嘘だった。マン博士にも嘘つかれた。嘘だらけの絶望宇宙旅行。

もしかしたらバッドエンドなのかと思ってしまった…。

時計のモールス信号。ちゃんと受け取って貰えてよかった。

自分と同い年どころか、ずっとお祖母ちゃんになってからやっと再会できた若い父。

目覚めたら助かっていた…というのは、ちょっと夢物語みたいだけれども、かつての姿の通りに再現された家でかつて見た風景とはまるで違う星をみながらTARSと語るシーンに泣けた。

「こういうカタルシスは好きじゃない。」

本当は隣にいたのは、最期も看取れなかったお父さんだったはずなんだよね。

ああ、地球は失くなってしまったんだな、と思ったら。無性に寂しかった。

マーフの最期に立ち合わなかったのはベタベタした物語にしないという賢明な選択だったのかも知れない。そういう泣かせ方はしない作品だ。

でも、あくまでも父と娘の物語であってほしかったので…アメリアが待っているという下りは個人的には要らなかった。そこだけ残念かも。

「インターステラー」公式サイト

◆トラックバック先

インターステラー@映画生活トラックバック
・象のロケット

★前田有一の超映画批評★
◆Seesaaのトラックバック機能終了に伴い、トラックバックの受け付けは終了させていただきました。(今後のTBについて)

comment

タイトルとURLをコピーしました